ニュースリリース

2015年3月17日(火)
任天堂株式会社
株式会社ディー・エヌ・エー
業務・資本提携共同記者発表
質疑応答
Q 6

任天堂は「一物一価のパッケージゲームによって、子供たちを中心に安心してゲームを遊べる市場をつくりだした企業」と認識している。今回のスマートデバイスのゲームで、そういう安心という面で、子供たちにどういうふうに遊んでほしいと考えているか。一方で、コンソールゲームを展開できない国でもスマートデバイスなら展開できる可能性があるかと思うので、「どの国でどういう方に遊んでほしい」といったイメージがあれば聞かせてほしい。

A 6

岩田:

 任天堂ブランドの中には「子供さんに安心して与えていただける」というような信頼が過去30年以上の間に積み上がってきていて、これは任天堂のとても大切な財産だと思っていますので、「こういうお客様からの信頼を維持できるようにしたい」「それを壊すようなことは絶対にしたくない」と思っています。
 先ほどスマートデバイスのビジネスモデルについて、「何か今あるものにプラスアルファの工夫が必要じゃないか」ということも含めてお話しいたしましたが、「こういうふうにするとスマートデバイスでのビジネスは収益が上げやすい」という今ある業界の常識は今日現在動いているだけです。守安さんが「スマートデバイスの世界も今どんどん変化しているんです」とおっしゃっていましたけど、たぶんこれからまたどんどん変わっていって、いま機能しているとされているビジネスモデルが今後もずっと続くとは限りません。 むしろ、モバイル、ソーシャルゲームがまずあって、それからスマートデバイスのアプリがゲーム化されてどんどん普及していく過程で起こっていた変化を見ていると、かつてのゲーム専用機の世界で10年かけて起こっていたことが2年ぐらいであっという間にものすごいスピードで動いているように見える部分もあったりします。
 ですから、そういう意味ではビジネスモデルというのはどんどん変わっていくはずなんです。ですから、その中で私たちは、「お客様が納得し、受け入れていただけるもの」「子供さんを含めて安心して遊んでいただけるもの」を大事にしながら一緒に事業展開したいというのが基本です。
それから、おっしゃる通り、新興国の中でハードを売るチャネルがないとか、ハードを最初に買っていただくための価格的ハードルが高すぎて、なかなか私たちの商品が届かないということは事実で、スマートデバイスで私たちのIPが提供できるようになると、その問題は一つ解決するという面があります。
 一方で、これだけで全てが解決するかというと、おそらく新興国の展開というのは、このスマートデバイスに加えてもう一工夫必要だと思っています。
 それは今日の提携発表の議題ではないので、今日はお話しいたしませんけれども、少なくともお客様に任天堂IPを知っていただくという意味では、とても適用範囲が広く、世界中にもうハードをお持ちの方がたくさんいらっしゃるわけですから、その人たちに向けて私たちのIPをお届けできるというのは大きな意義があることだと思っています。
「特定の国はありますか」というご質問に関しては、先ほどの「どういう順序でどの国で展開していきますか」ということと同じで、私たちの中で「まずここをこういう形でやりましょう」というのを決めてから順次お知らせしていきたいと思っています。

Q 7-1

DeNAさんと資本提携する任天堂の戦略的目的は何か。そして、資本提携の目的を達成するための課題は何か。また、新しいプラットフォーム「NX」についてこの場で発表した目的は何だったのか。

A 7-1

岩田:

 DeNAさんと、スマートデバイス上での展開に関しては「かなり深いところで一緒に中期・長期で考えていきましょう」ということをお話ししておりました。それは「このような業務提携をしましょう」という紙の契約上だけのものだけではなく、資本の関係まで持つぐらいの、お互いにお互いの経営にしっかり興味を持ち、そして日常的にさまざまな案件を優先的にやり取りしながら、DeNAさんも任天堂も、私たちが取り得る種々の戦略オプションをより深く、緊密にお話しするためには資本提携までする価値があるだろうという判断からです。どちらか一方が提案したというよりも、話が煮詰まるにつれて両社で「ここまでいくならこれぐらいの関係になった方がいいですかね」、「ではこういう形にしましょう」というような話し合いを経て今日の発表に至っております。
 また、確かに本日の一連の説明の流れの中では、任天堂の全く新しいコンセプトの将来のゲーム専用機「NX」は、両社の提携とは直接関係はございません。ではなぜここでお話ししたのかと言いますと、私は皆様に誤解なく、「任天堂はこれからもゲーム専用機のビジネスをしっかりやっていく情熱と展望を持っています」ということをお伝えしたかったのです。スマートデバイスの問題に整理がつき、「それとどうやってお付き合いして、より多くのお客様に任天堂IPを知っていただくか」ということについて具体的な方法がはっきりいたしました。そこで関係ができたお客様に、ゲーム専用機で、よりプレミアムな、本当にお客様に圧倒的に面白いと言っていただけるような作り込まれた世界の、ゲーム専用機だから楽しめる、いわば「没入感のある世界にどっぷり浸っていただける、本当にゲームの大好きな人に心から満足していただけるようなゲーム」を提供することを、これからも任天堂のコアビジネスとしてしっかりやっていきます。ゲーム専用機ビジネスに悲観しているからスマートデバイスの発表をしたというような誤解がないようにしたい、ということが(本日「NX」に言及した)大きな理由です。

Q 7-2

全体としての任天堂の大目標である「ゲーム人口の拡大」については変更が無く、その一手段として今回の提携があり、新プラットフォームの発表があったという理解でいいか。

A 7-2

岩田:

 全くその通りです。先ほどのプレゼンテーションではスライドで例示しましたが、個々のIPの特性に合わせて柔軟に最適な手段を選択し、任天堂IPに触れる人口を最大化することで最終的にゲーム人口の拡大を目指していく、そのためのスマートデバイス展開であり、そのための新しいメンバーズサービスの共同開発であり、そのための未来のゲーム機で、これらは全てつながっています。ですから、任天堂IPに触れる人が増えれば増えるほど、そのお客様が任天堂IPにご満足いただけて、そして好きになっていただければいただくほど、最終的に「生涯任天堂のゲームと付き合おう」と感じていただける人口は増えるはずだという、そのような姿を目指していきたいということです。また、任天堂は最近「娯楽の再定義をします」と申し上げておりますし、その娯楽の再定義によって「人々のQOL(Quality of Life)を楽しく向上させるものは何でも娯楽と呼んでいいはずだ」ということも申し上げておりますので、「ゲーム」というものをなるべく狭く考えずに、一回りも二回りも広くとらえるようにしたいと思います。これはニンテンドーDSの時代に脳を鍛えることがゲームになったり、Wiiの時代にリモコンを振ってスポーツをすることがゲームになったりしたのと同じことで、またそういう遊びを是非つくっていきたいと思っています。