CSR情報

任天堂に関わるすべての人を笑顔にする

社会貢献活動

任天堂は、任天堂だからこそできる貢献を通じて、社会から愛され必要とされる良き企業市民でありたいと考え、地域の特性などにあわせてさまざまな活動を行っています。

スターライト・チルドレンズファンデーションを継続的に支援

  • 米国任天堂
  • 任天堂カナダ
  • 欧州任天堂(イギリス)
  • 任天堂オーストラリア

米国任天堂、任天堂カナダ、欧州任天堂(イギリス)、任天堂オーストラリアは、難病を患い長期療養を余儀なくされている子どもたちやその家族を支援しているNPO法人「スターライト・チルドレンズファンデーション(以下スターライト)」に継続的に協力しています。

米国任天堂は1992年から、難病を患う子どもたちとその家族を笑顔をお届けするために、「スターライトゲーミングステーション」の提供などを通じて「スターライトゲーミング」プログラムに協力しています。ゲーミングステーションとは、病院内で自由に移動させることができる、任天堂のゲーム機とテレビ画面が一体となった機器です。ベッドに寝たままでも使用することができるため、子どもたちが家族や友人と一緒にゲームを楽しんで、入院時の不安な気持ちを軽減したり、家にいるようなリラックスした気持ちで過ごしたりすることができます。

任天堂のさまざまなハードウェアをゲーミングステーションのために使用してきましたが、2019年には、子どもたちが病院内の限られたスペースでもゲームをプレイすることができるよう、携帯専用のNintendo SwitchであるNintendo Switch Lite本体を利用した持ち運びが可能な機器を新たに製作し、スターライトに提供しました。これにより、これまでのゲーミングステーションを持ち込むことができなかったような狭い場所でも子どもたちがゲームで遊べるようになりました。

Nintendo Switch Lite本体を利用した機器を
製作するスターライトのスタッフと
米国任天堂社員
入院中のお子様がNintendo Switch Lite本体を
利用した機器で遊んでいる様子

Nintendo Switch発売後これまでに、Nintendo Switchを使用したゲーミングステーション600台以上とNintendo Switch Lite本体を利用した機器650台以上を設計・製作しました。2022年12月には、スターライトのスタッフが米国任天堂の社員とともに、Nintendo Switch Lite本体を利用した機器300台の製作を手がけました。ゲーミングステーションとNintendo Switch Lite本体を利用した機器は、スターライトを通じて、同団体と提携する米国とカナダの病院へ提供されています。

米国任天堂の社員は、病院のスタッフやチャイルドライフスペシャリスト※1に対し電話やメールで技術サポートを提供することで、引き続き「スターライトゲーミング」プログラムに協力しています。米国任天堂の社員は、トラブルシューティング、部品の発送、およびゲーミングステーションの状態維持などのサポートを行っています。

協力を開始してから約30年にわたり、スターライトと米国任天堂は、7,200を超えるゲーミングステーションを北米の数百の病院に提供し、1,100万人を超える難病を患う子どもたちが笑顔になれるようお手伝いを継続しています。

欧州任天堂(イギリス)は、イギリス各地の病院やホスピスに1200台の「ゲーミングバンドル」を提供するという目標に向けて、引き続き2022年もスターライトと緊密な取り組みを行いました。スターライトとの提携を開始して以来、すでに600台のバンドルをお届けしています。すべてのバンドルには、リファービッシュ※2したNintendo Switch1台とニンテンドー3DS 1台、またゲームソフト2本が入っています。スターライトが実施したインパクト調査では、回答者の83%がゲーミングバンドルによって子どもたちが病院で過ごすことを前向きに捉えるようになったり、退屈しのぎや不安解消に役立ったりしたと回答し、94%がこのバンドルは子どもたちに気晴らしをもたらしていると回答しました。現在に至るまで、若者や子どもたちがゲーミングバンドルで遊んだ回数は9万回以上と推定されています。

任天堂オーストラリアもスターライトと提携し、任天堂のゲーム機やゲームソフトをオーストラリア全土の子ども病院にあるすべてのスターライトルームに提供しています。ゲーム機やゲームソフト、周辺機器については、置かれている状況に応じて子どもたちがそれぞれに抱く願いや望みをかなえることを目指すプログラム「Starlight Wish Granting」や、そのほかのスターライトのイベントのために提供する活動も続けています。ほかにも任天堂オーストラリアは、2022年度に「Go BIG Challenge」というイベントに参加しました。このイベントは、「ウォーキング・ランニング・車いす(「Walk, Run or Roll」)」のうちのいずれかの手段によって、参加者が2週間にわたりできるだけ長い距離を走ったり歩いたりして募金を呼びかけるものです。任天堂オーストラリアの社員と社員の家族、友人はこのチャレンジに参加し、スターライトのために4,000豪ドル以上の募金を集めました。

※1 チャイルドライフスペシャリスト
入院中の子どもやその家族に対して心理社会的なケアを提供する専門家。
※2 リファービッシュ
資源循環を促進するために、中古機器を再生し、再利用すること。

スターライトは、米国任天堂が私たちのパートナーであることを誇りに思います。2020年3月に新型コロナウイルスの感染が拡大したとき、入院中の子どもたちはこれまで以上に孤立し、恐怖に襲われました。全国の病院にある何千ものゲーミングステーションは、子どもたちとその家族に幸福、気晴らし、娯楽をもたらしてくれました。

スターライト・チルドレンズファンデーション(アメリカ) CEO
Adam Garone様

京都まなびの街生き方探究館への出展

  • 任天堂(日本)

任天堂(日本)では、京都市教育委員会が運営する京都まなびの街生き方探究館に開設されている「京都モノづくりの殿堂」にブースを出展し、京都市立小学校を対象に実施している「京都モノづくりの殿堂・工房学習」プログラムに協力しています。ブースでは、任天堂のものづくりに対する考え方を学んでもらうために、ゲーム機に使われている技術や、ゲームソフトができるまでの仕事を紹介しています。ブースを訪れた子どもたちから好意的な感想をいただいています。

プログラミングの楽しさを体験できるソフト

  • 任天堂(日本)

『ナビつき! つくってわかる はじめてゲームプログラミング』は、ソフト内のナビゲーションに従って、誰もがゲームプログラミングを体験できるNintendo Switch用のソフトです。「プログラミングすることの楽しさ」に着目して開発されており、はじめての方でもゲーム感覚で自然にプログラミングに触れることができます。

日本では、プログラミング教育が必修となる中、ある小学校で『ナビつき! つくってわかる はじめてゲームプログラミング』が教材として使用されています。この取り組みでは、子どもたちが意欲的に参加しているほか、保護者や教員の方々からも好意的な声が上がっているとのことです。

任天堂は、このソフトがプログラミングを始めたり、その楽しさに触れたりするきっかけとなることを願っています。

熊本県内の小学校での授業の様子

ゲーム業界の教育プログラムに協力

  • 欧州任天堂(イギリス)

欧州任天堂(イギリス)は、イギリスにおけるゲーム業界団体Ukieが実施する非営利のプログラムである「Digital Schoolhouse」のメインパートナーとして、学校でゲームを使ってプログラミングを学ぶレッスンが実施できるようにゲーム機本体やゲームソフト提供などの支援をしています。

このプログラムは児童や生徒、学生を対象に、遊びに基づいたさまざまな教育体験を通じてゲームを使ってプログラミングに親しんだり、ゲーム大会の運営などの体験を通じてチームワークを学んだりできる機会を提供するものです。

たとえば取り組みの一つとして、小学生を対象としたさまざまな体験型学習があります。体験型学習は「アルゴリズムとプログラミング」や「コミュニケーションとインターネット」などのカテゴリーごとに複数の種類が用意されており、実施を希望する学校や教師はDigital SchoolhouseのWebサイトから教材をダウンロードして授業で活用できるほか、Digital Schoolhouseが派遣する専門家による講義も提供されています。

卵巣がん患者を支援する団体に関する取り組み

  • 任天堂カナダ

任天堂カナダは、卵巣がん患者を支援するカナダの団体が主催するウォーキングイベント「Walk of Hope」に8年連続で参加しました。このイベントは、卵巣がんやそのリスクを抱えた女性たちを支援する資金を集めるために開催されており、この2年間はオンライン開催となっていましたが、2022年は2019年以来となる、実際に会場に赴いての形式でウォーキングイベントが開催され、参加者がバンクーバーに集いました。大切な仲間であった社員のひとりが卵巣がんで亡くなるという不幸があったことから、2022年は社員からの支援が大幅に増え、約90%の社員がイベントに参加しました。

また、若い世代の参加を促進するため、カナダ国内各地で開催される同団体のすべてのウォーキングイベントにNintendo Switch を賞品として提供したほか、社内のチャリティープログラムNintendo Caresと協力して募金による支援活動も行いました。

ボランティアを通じた地域社会との関わり

  • 米国任天堂

米国任天堂は、慈善活動を通じて地域社会を支援するプログラムNintendo Caresを実施しています。

米国任天堂の社員は2022年、地域社会を支援するために1,000近くの米国のNPOに対して寄付を行いました。また、米国任天堂社員による2022年のボランティア活動は、89のNPOを対象に合計2,400時間を超えました。米国任天堂の社員は年1日、就業日に休暇を取ってボランティア活動を行ったり、勤務時間外にボランティア活動を行ったりすることができます。社員が自分の時間を使ってボランティア活動をした場合、米国任天堂はDollars for Doersプログラムを通じて、社員のボランティア活動に応じた額を支援先のNPOに寄付しています。このプログラムは、社員がボランティア活動に取り組んだ場合の1時間あたりの寄付額を決めたうえで、社員がその活動に費やした時間に応じた額を米国任天堂がNPOに寄付するというもので、社員が集団でボランティア活動を行うことで、会社が地域社会に貢献できる仕組みとなっています。

米国任天堂の社員が地域の
若者に向けたメッセージカードを
書いている様子

また米国任天堂は、パラグアイのNGOであるパラグアイ財団(Fundación Paraguaya)が展開しているPoverty Stoplightプログラム(Semáforo de Eliminación de Pobreza)を支援するために、NPOパートナーのTeam4Techが主催したDesign for Impactというワークショップに2022年にオンラインで参加しました。Poverty Stoplightプログラムは、恵まれない人々が貧困から脱する方法を見つけてより良い暮らしができるよう、オンラインでの調査などを利用したツールを提供しています。Team4Techが主催したワークショップでは、担当した社員が専門的な設計手法を用いて、パラグアイ財団のPoverty Stoplightプログラムにゲームの要素を取り入れる方法を見出し、その企画を提案しました。米国任天堂の社員が提案したアイデアは、既存のツールをよりよくするために活用されました。

2022年7月に米国任天堂が行った年次イベント「Month of Caring」では、社員が1週間にわたって若者のメンターを務め、主に中学・高校生のキャリア相談に乗りました。NPOパートナーのTechbridge Girlsが主催したSTEMConnect Career Panelでは、女性社員4人が自身のキャリアパスについて発表しました。Techbridge Girlsは、人種的マイノリティの女子児童・生徒やさまざまな性的指向や性自認をもつ若者が、STEM(科学、技術、工学、数学)分野でキャリアを構築できるよう支援している団体です。また、ニューヨークのUrban Arts Partnershipの夏期プログラムでは、米国任天堂の社員2人がオンラインで開催されたマスタークラスの講師を務め、ゲーム業界での自身の経歴について話すことから学んでもらう場としました。「Month of Caring」の開催期間と2022年11月後半~12月の「Season of Giving」の期間には、地域のNPOであるYouth Eastside Services(Y.E.S.)が支援する200人以上の若者のために、社員が菓子を詰め合わせたスナックキットを準備し、励ましのメッセージをカードに書きました。このスナックキットはY.E.S.で配布されたほか、地域の学校のカウンセラーに配られ、サポートグループに参加している、うつ病や不安などの問題を抱えた児童や生徒、学生の支援に活用されました。

金銭による寄付やボランティア活動に加えて、米国任天堂の社員は、水着や水泳用具、学用品が入ったリュックサック、防寒用コート、感謝祭の料理、衣類、おもちゃ、ゲーム機・ゲームソフトやその関連商品などを購入し、子どもたちやその家族にそれらを寄付する非営利団体に寄付しました。

地域のNPOとともにボランティア活動をしている社員は、自身が時間を費やして支援を行ったNPOに対して資金的な援助を行うよう、会社に求めることもできます。社員の求めに応じて会社から行う単発での寄付は、小規模なNPOが発展し、成長するための資金となっていることから、「Community Smiles Starter Seeding」と呼ばれています。

また、米国任天堂では協力することが生み出す価値を認識しており、社員が集まって、会社の「グループボランティアガイドライン」に基づき、年間8時間の枠内で行うNPOとのボランティア活動への参加申請を行うことができます。

ゲーム開発を学ぶ夏のキャンプ

  • 米国任天堂

2022年夏も、米国任天堂はGirls Make Games(GMG)との提携を継続しました。GMGは、次世代の女性ゲームデザイナー、クリエイター、エンジニアを指導し、応援するために企画される夏のキャンプやワークショップ、ゲームジャムと呼ばれるゲーム制作大会など、数多くのオンラインイベントや足を運んで参加するイベントを開催している団体です。

GMGの夏のキャンプを支援するため米国任天堂は、経験を積んだ社員を派遣して話題のテーマに関する発表を行ったほか、ゲームデザインについて知り、実践できる2019年発売のNintendo Switch用ゲームソフト『スーパーマリオメーカー2』を取り上げた製品デモを実施しました。米国任天堂は、GMGとの提携を継続することにより、ゲーム業界でのキャリアへの関心を高め、ゲーム業界をよりインクルーシブにしていくことに貢献します。

ドイツにおけるデジタル機器寄贈の取り組み

  • 欧州任天堂(ドイツ)

コロナ禍の欧州では、デジタル機器がまだ不足している学校や教育機関が多く、そうした学校や教育機関にとってはデジタル化に向けた支援が役立つことが明らかになりました。ノートパソコンを持っていない生徒、特に低所得世帯や移民世帯の子どもたちにとって、ロックダウン中に学校の勉強についていくことや、オンライン上で友人や先生と会うことは簡単ではありませんでした。

欧州任天堂(ドイツ)のCSRチームは、地域の青少年を応援し、笑顔にするために、2021年にIT寄贈プロジェクトを開始しました。欧州任天堂(ドイツ)は、このプログラムを通じて、業務用としての役目を終えたノートパソコンをきれいにして整備したうえで、地元の慈善団体や教育機関に提供しています。寄贈するノートパソコンは、ヨッシーのデザインを施したリュックサックに入れて届けています。寄贈先の施設は、必要に応じて欧州任天堂(ドイツ)のIT講習を受けることも可能です。このプロジェクトには、こうしてデジタル機器を長く利用することにより、貴重な資源の持続可能な活用につなげたいという狙いもあります。

2021年度はIT寄贈プログラムのトライアル期間として、いくつかの都市の学校のほか青少年向け慈善団体に、会社で使用していたノートパソコン130台を整備したうえで提供しました。2022年度もプログラムを継続し、地元フランクフルト地区の4校にさらに90台のノートパソコンを寄贈しました。寄贈したノートパソコンはさまざまな施設で好評をいただいており、今後も欧州任天堂(ドイツ)のCSR活動として継続していく予定です。

そのほかの社会貢献活動は、「任天堂のCSRに関するQ&A:地域社会との関わりについて」をご覧ください。