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2006年12月7日 日本外国特派員協会 社長スピーチ概要  
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任天堂がなぜWiiを開発したか、ということなのですが、それは、ビデオゲーム産業の未来への強い危機感からでした。
北米のゲーム市場が大きく拡大していた時期に、1997年から2003年までコンスタントに続いた日本のゲームソフト市場の縮小が、私たちが新しい方向に舵を取るきっかけとなりました。
ゲームを遊ぶのに必要な時間やエネルギーが大きくなり過ぎたことや、初心者と熟練者の間の技量の差が開きすぎたことによって、ゲームを遊んでいる人が減っているという分析から、私たちは、この傾向を「ゲーム離れ現象」と分析し、それに対応するためのチャレンジをしてきました。
過去のビデオゲーム産業の歴史においては、時代とともに進歩した新しい半導体技術を応用し、より高いプロセッサ性能によりグラフィックスを向上させてより豪華なゲームを実現可能にする、というのが新しいゲーム機の使命でした。しかし、豪華なグラフィックスによる刺激がだんだん飽和点に近づき、幅広い人達へのアピールが弱まっている今、既にゲーム離れが起きてしまっている状況の中で、このまま従来路線を延長し、過去と同じようにより豪華なゲームを実現することでは、市場の拡大にはつながらないと私たちは考えました。
そこで、私たちは、任天堂の基本戦略を「ゲーム人口の拡大」と決めました。それが2003年のことです。私たちはこれを、年齢、性別、ゲーム経験の有無を問わずに楽しめる商品を提案することで実現しようと考えました。社内では、5歳から95歳まで(5 to 95)というキーワードや、誰もが同じスタートラインから遊べるようにする、というスローガンを繰り返し訴えていました。そして、その最初の答えとして発売したゲーム機が、
ニンテンドーDSでした。
誰もが同じスタートラインで楽しめるようにするためには、ユーザーインターフェースの刷新が必要になると考えていましたから、2画面とタッチスクリーンやマイク入力を組み合わせるというユニークな構造になりました。
DSは結果として、世界中のお客様のご支持をいただくことができ、まず日本で、そして欧州や米国でも、これまでゲームを遊んでこられなかったような人達にも受け入れていただくことができました。
そして、DSに次ぐゲーム人口拡大の第二のステップとして、
据置型でも全く新しいプレイスタイルのWiiを発売したのです。さて、Wiiの話を詳しくさせていただく前に、DSの現状や、世界のゲーム市場の変化についてお話ししたいと思います。
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