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2015年10月29日(木) 経営方針説明会 / 2016年3月期 第2四半期決算説明会
質疑応答(要旨)
Q 4

年内に出る予定だったスマートデバイス用のゲームアプリのリリースが2016年3月に延期になった理由と、年末商戦を外したことによる収益への影響を伺いたい。

A 4

君島:

 今まで年内にスマートデバイスのアプリを配信開始すると申し上げていましたが、いつのタイミングが適切かということを今一度考え、今回、2016年3月に再設定しました。アプリを配信する際、配信を開始する2か月程度前には何らかの形でそれをお伝えする必要があると考えています。12月にアプリを配信するのであればもう既に告知をしていなければなりませんが、最大の商戦期である12月にはゲーム専用機ビジネスに注力し、年明けの早い段階で新アプリについてのお知らせを行い、2016年3月に第一弾のアプリをご提供することが私たちのビジネス全体にとって最善だと判断しました。
 当期の業績への影響については、Free to Start型のアプリですので、例えアプリの配信を12月に行ったとしても、当初よりインパクトはあまり大きくなることは想定していませんでした。したがって、第一弾のアプリのリリースを2016年3月に再設定したことによる影響はほとんどないと思っています。

Q 5

ゲーム専用機のアーキテクチャーを統合していく方針は発表済みだが、今後はスマートデバイスにもソフトを出していくなかで、どのような課題を感じておられるかを、ソフト開発の観点から高橋伸也取締役と宮本フェローに、ハードの観点から竹田フェローにお聞きしたい。

A 5

高橋:

 私は入社以降宮本の下で10年以上ソフト開発を行い、岩田前社長の下では環境制作部という部署で開発環境を整える仕事をしてきましたので、自社ソフトだけではなくソフトメーカーの皆様にとっての最善の開発環境は何かを考え続けてきました。前社長も皆様の前でお話ししましたとおり、特に数年前からは、新しい時代に適合する開発環境統合を推し進めています。決して簡単な作業ではありませんが、統合化によって将来的にソフト開発をしやすくする方向性は見えてきています。

宮本:

 ファミコンの時代以来、ゲーム専用機は特殊なハード開発環境を知り尽くした開発者が良いソフトをつくれるという側面がありましたが、今は、特にスマートデバイス上のアプリケーションなどは一定の知識さえあればどなたでも開発できる時代になっていますので、さまざまなデバイスに対応できる、できるだけ無駄を省いた開発体制を展開していきたいと思っています。

専務取締役技術フェロー 竹田玄洋:

 コンピュータ技術の進歩により、ハードウェアの違いに依存しない、Virtualize(仮想化)されたソフト開発環境が今の一般的技術論だと思います。一方ユーザーインターフェイスなどの入出力技術について、引き続きユニークなものに任天堂は挑戦し続けていくべきであるということも、今の技術の流れに則したものであろうと考えます。

Q 6

任天堂が今後収益を向上させていく上で最も重要であり、任天堂が注力していくのはNX事業だと考えてよいか。IPの積極活用も、NXなどの任天堂の中核事業活性化のための施策の一つであり、IPのライセンス自体から上がる収益を大幅に増加させる意図はないし、映画事業などにも本格的に進出する計画はないという理解で正しいか。

A 6

君島:

 NXについては発売後に中核ビジネスに育てていけるよう現在さまざまな準備と取り組みを行っておりますが、繰り返し申し上げていますとおり、NXについては来年お話ししますので、本日はこれ以上のコメントは控えさせていただきます。

宮本:

 私は任天堂のソフト全般をみる「フェロー」として、ユニークなゲームソフト開発に関与しながらも、任天堂IPを使って何ができるのかを考え実行する立場にありますし、IPを積極活用することで利益を大きくしたいとは常に思っています。IP積極活用の第一弾の具体例としてamiiboを昨年発売しましたが、本日のプレゼンテーションのとおり、既に当社業績に貢献しています。このようにIPの積極活用とは、直接的なライセンス収入に限定せずにIPをさまざまな形で活用することで当社の業績を向上させる活動であり、例えばこれはスマートデバイス上でIPを展開する目的の一つでもありますが、当社ゲーム専用機上で展開するだけではメッセージをお届けできない皆様への認知度向上努力も含まれます。

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