| 櫛田 |
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宮本さんとドンキーコングとの関係は? |
| 宮本 |
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業務用の『ドンキーコング』を作ったのがボクです。ホントの1作目ってヤツですね。それから、1994年のゲームボーイ用『ドンキーコング』に至るまで、アイツに関わってきました。 |
| 櫛田 |
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ドンキーコングの誕生秘話などがあったら教えてください。 |
| 宮本 |
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当初は、ポパイを素材にしたゲームを作ろうとしていたんです。そんなワケで、ゴツいキャラ(ブルータス)と小さいキャラ(ポパイ)を使うことがあらかじめ決まっていた。ところが、計画が変更になり、ポパイのキャラを使わずにゲームを作ることになっちゃって……。そこで、小さい主人公としてマリオを、ゴツい悪役としてドンキーコングを創り出したんです。そうやってできたのが業務用の『ドンキーコング』なんですよ。ドンキーコングはマヌケなヤツにしたいなぁと思ってデザインしましたね。宿敵ではなく、マリオにペットとして飼われていたゴリラが逃げ出した……という設定にしました。 |
| 櫛田 |
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ドンキーコングという名前の由来は? |
| 宮本 |
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ボクはずっと前からコングってのがゴリラのことだと思ってたんです。だから、○○コングという名前をつけたかった。で、とにかくマヌケなヤツにしたかったから、英語の辞書でマヌケってのを調べてみたんです。そしたら、ロバをあらわす“ドンキー”って単語が、マヌケという意味も持っていたんですよ。そこで、ドンキーコングと名付けたんですが、アメリカに持ってったときは「そんな名前はおかしい、ドンキーにマヌケなんて意味はない」などとサンザン言われましたね。でも「ま、いいか〜」とそのままにしちゃいました(笑)。そんな経緯はあったものの、現在では全米で親しまれているでしょう? おかしいってことはクセが強いってことだから、かえってそっちのほうが覚えてもらえるんでしょうね、きっと。 |
| 櫛田 |
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シリーズ作品についての思い出や、製作秘話などがあったら教えてください。 |
| 宮本 |
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『ドンキーコングJR』ってゲームでは、1作目から一転してマリオを悪役にしたんですよね。ドンキーコングが人間にさらわれて、それを息子が助けに行くという話で。このゲームに、南の島からドンキーコングが連れ去られるデモ画面を入れたんですが、そのイメージが現在でもドンキーシリーズの世界観に活かされてるみたいですね。『ドンキーコングJR』って、ツルを昇り降りするアクションを楽しむゲームだったんですよね。手を2本とも使うと昇るのが速くて、1本しか使わないと降りるのが速かったんだよな〜、さすが、ロジックなボクが作ったゲームだけに(笑)。話は変わって『パンチアウト』というボクシングのゲームがあってね。アレはボクが自分でグラフィックを描いたんですよ。で、観客席にこっそりドンキーコングを描いておいたんですよね(笑)。『スーパーパンチアウト』でも、おなじことをやったんじゃないかな。ちなみに、観客席からフラッシュがたかれる演出を使ったのって、たぶん『パンチアウト』が世界初だと思います。 |
| 櫛田 |
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宮本さん自身が手掛けたシリーズのなかで、イチバンのオススメは? |
| 宮本 |
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うーん、あんまり知られていないみたいなのでアピールしておくと、1994年6月に出したゲームボーイ版『ドンキーコング』が結構楽しいんですよ。パズルアクションゲームなんですけどね。あとは……思い入れが強いのは、やはり1作目の業務用『ドンキーコング』ですね。というのも、任天堂がはじめてアメリカにマーケットを作りにいったとき、持っていったのが1作目でしたから。最初は、アメリカ側から「ぜんぜんダメ」という評価をくだされたのに、実際には置いた当日にも、その翌日にもお金が入ってて……。コレがヒットしたおかげで、ボクはゲームだけを作っていてもいいってことになったんですよ(笑)。 |
| 櫛田 |
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ということは、『ドンキーコング』以前には、ゲームデザイン以外にもお仕事を? |
| 宮本 |
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はい、麻雀のラベルとか、かるたの版下とか、『ブロック崩し』の本体のデザインとか、業務用『スペースファイヤーバード』の筐体のイラストとか、業務用『シェリフ』の筐体のデザインとか……そう、デザイン全般を手掛けていたんですよ。 |
| 櫛田 |
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現在の『ドンキーコング』シリーズは、宮本さんの手によるモノではないんですね? |
| 宮本 |
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1994年にイギリスのレアという会社の社長が来てね、「アナタはマリオやらゼルダやらたくさんかかえているから、もうドンキーコングはできないんじゃないか? ウチにやらせてくれ」って言ってきたんですよ。「デキがいい作品を作れるんだったらいいよ」って返事をしたら、カッコいいCGを持ってきて……。それでオーケーしたんです。レア製作の第1作目が『スーパードンキーコング』なんですけど、インパクトがあるでしょう。ダイナミックな動きがいい。レアのCGモデリングで、ドンキーたちに命が吹き込まれたというカンジです。レアは、開発ツールなんかもすべて自前で作ることのできる技術を持ったスタッフの集団なので、安心してまかせられるというか、恵まれていると思います。そうそう、かれらは任天堂のゲームを研究して“任天堂のゲームらしいゲーム”を作ってくるんですよ。たとえば、スタートした直後に逆の方向に進むと、ちゃんと隠しネタが入っているところなんかもマネてくるんです(笑)。 |
| 櫛田 |
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それ以来『ドンキーコングシリーズ』には完全にノータッチなんですか? |
| 宮本 |
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たとえば『スーパードンキーコング』のときに、キャラクターデザインの指示などをやりましたよ。その際、ホントはドンキーコングに眉毛を描いてって発注したんだけど、それをCGで表現するのがむずかしいってことで、目のまわりを黒くすることに落ち着いたんです。あと、髪ももっと逆立てるように指示したんだけど、コレも難しいってことで1本にまとまっちゃったなあ。最終的にマヌケなカンジが足りないような気がしたので、ネクタイを付けるように決めたのもボクです。最近は、話は聞いてくれるんだけど、ぜんぜん意見を採り入れてくれなくなっちゃった(笑)。たとえば、ボクは地面を叩くハンドスラップってアクションが大好きなんですね。コレをボタンひとつでスグ出るようにしようよ、とか手紙書いてるんですけどね、やってくんない(笑)。 |
| 櫛田 |
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それでは、このへんでまとめていただけますでしょうか? |
| 宮本 |
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はい。ドンキーコングはCGになってから、すごくクールになったって思ってたんですけど、最近はまた子供っぽくなってきたのかなと感じています。マリオもそうなんですけど、これからはもっとドンキーにもクールになってもらいたいですね。 |