N.O.MJune 2008 No.119特集2

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1.DSのRPGタイトルとしてふさわしいシリーズ

『ヘラクレスの栄光』シリーズをDSで出すことになったのはなぜですか?
 
西村
主人公
もともと任天堂社内で、DS用の正統派RPGを制作しようという企画がありました。さまざまな候補を検討していたのですが、初めてRPGを触るプレイヤーにも楽しめて、なおかつファミコンやスーパーファミコンでRPGを経験された方も楽しめるタイトルがいいのではということで案を絞っていきました。そんな中で、内容やクオリティの面でベストだったのが『ヘラクレスの栄光』だったんです。元のシリーズが通常のRPGに比べてオリジナリティが強かったですし、その個性の強さが、タッチパネルや2画面というDSの独自性と相性がいいのではないかと判断したからです。ただし、『ヘラクレスの栄光』は任天堂のタイトルではなかったので、版権を持っていらっしゃるパオンさんとパオンさんの制作チームを率いていらっしゃる近藤さんに制作協力をお願いすることになりました。
近藤
開発スタッフ一同、過去作の、特に『ヘラクレスの栄光III 神々の沈黙』と『ヘラクレスの栄光IV 神々からの贈り物』のファンでして、開発のお話をいただけたのは非常に光栄でした。
昨年2007年秋の発表では『エターナルクロニクル』というタイトルでしたよね。
 
西村
『エターナルクロニクル』は開発中の名称でして、正確には『エターナルクロニクル Glory of Hercules V』というタイトルでした。『ヘラクレスの栄光』を表すタイトルをつけてシリーズを継承することは検討していたのですが、新規性を打ち出すためにあえてこれまでと違うタイトルにしていました。ただ、発売に向けて準備を進めていく中で、『ヘラクレスの栄光』というタイトルをダイレクトに使った方が、新規に遊ばれる方だけでなく過去のシリーズファンの方にも興味を持ってもらえるのではないか、ということで、昔ながらのタイトルを使うことになりました。
サブタイトルの「魂の証明」にはどういった意味があるのでしょうか。
 
堀田
ゲームの内容にあったサブタイトルをつけようと、みんなでいろいろな案を出し合いました。「英雄はツラいよ」とか、「I am ヘラクレス」といったネタっぽい候補もありましたが、やはり今回のキーワードとなる言葉は「魂」だということで、「魂」に関する案に絞って検討しました。
西村
最終的に「魂の証明」に決まりました。意味については、ゲームをプレイしたときの楽しみが減ってしまいますので残念ながら詳しくお話できませんが、ゲームを進めていけば、「魂の証明」というサブタイトルの意味に納得していただけると思います。
西村
シリーズタイトルということで、過去作を引き継いだ点というのは、どんなところでしょうか。
 
西村
一番大きなところですと、シナリオでしょうか。企画が立ち上がった時点で、やはり『ヘラクレスの栄光』といえばこの方だろうということで、『III』と『IV』のシナリオを書かれた野島一成さんにお願いしました。
近藤
近藤さん
その他の面では、例えば不死の体で高いところから飛び降りたり、タンスの中を探して怒られたり、そういった過去に私たちが味わった『ヘラクレスの栄光』の持つ独特の面白さを、この時代に甦らせたいという思いがありました。ただし、甦らせるといっても完全にリメイクするのではなく新作としてですので、過去の『ヘラクレスの栄光』にあった要素を全て引き継ぐのはなく、今作にふさわしい要素を取捨選択しました。ひとつひとつの要素というよりは、大きい意味で『ヘラクレスの栄光』を引き継いだつもりです。
音楽なども過去に使われたものなのでしょうか。
 
近藤
シナリオの冒頭が『III』を踏襲しているのにあわせて、音楽もシリーズファンになじみのあるものを使っています。
弘田
フィールドで流れる曲に『III』のフィールド曲を使っていたり、過去作のタイトルで流れるメインテーマ曲のメロディをアレンジしていろいろな場面に散りばめたりしています。
近藤
そこからシナリオ展開が「魂の証明」独自のものになるにつれ、音楽も今作オリジナルのものが流れるようになっています。過去の『ヘラクレスの栄光』シリーズから、徐々に「魂の証明」の世界になじんでいけるような構成を心がけています。