N.O.M June 2008 No.119特集1

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3.初級者、中級者、上級者へのアドバイス

マージャンの上手下手というのは、始めて間もない方々にはわかりにくいかと思いますが、具体的にこれができるようになれば初級者・中級者・上級者と言えるような基準はありますか。
 

井出

そうですね、私の中では、マージャンのあがり方がわかれば初級者、点数計算ができるようになれば中級者、さらに点数計算を活用して攻めと守りを使い分け順位争いができるのが上級者というように考えています。
あがり方がわからない場合はどうすればよいでしょうか。
 

井出

とにかく、たくさんマージャンを打って覚えてください。初心者の方でも『役満Wii』でひととおり楽しんでいただければ、ごく自然なマージャンを覚えていただけると思います。
初級から中級、中級から上級に上がるにはどういったところに注意するとよいでしょうか。
 

井出

井出さん
初級者の方が中級を目指す場合、点数計算ができるようになることの他にさらに気をつけることがあるとすれば、切る牌の損得がわかるようになるといいですね。適当に牌を切るのではなく、どの牌を切るべきか考えるようになることです。特に振り込みたくないときは守りの打牌が重要になります。『役満Wii』には「安全牌予測」という機能がありますので参考になると思います。
自分が中級者だと自信のある方は、攻めと守りができるようになるために、いろいろな手を考えるようにしてみてください。 例えば、ここで自分があがってしまうと、試合は終了するが総合得点で負けてしまうという困った場面では、すぐにあがらずに1位から点数を取るような手を考える工夫が必要です。『役満Wii』の中には、さまざまな性格付けをしたコンピュータキャラが出てきます。 いつも同じ手を使うのではなく、コンピュータの性格や打ち筋を読み、工夫してさまざまな手を考えることが上達の道になると思います。
上級者がさらに上を目指すにはどうすればよいでしょうか?
 

井出

上級者に限らず、初級者・中級者の方にも言えるのですが、Wi-Fiを使っていろいろな方と通信対局してみてください。マージャンは勝ったり負けたりしながらトータルで勝つゲームですが、通信対局ですと「レーティング」や「段位」という形でトータルの評価が出るので、自分の強さがどれくらいかを測ることができます。ちなみに「段位」の最高は「名人」なのですが、かなりレーティングと勝率が高くないと「名人」はキープできないように設定しています。平均順位で言うと2.2位くらいでしょうか。キープし続けられる自信のある方は、ぜひとも私たちプロも出場する競技会にいらっしゃってください(笑)。
ゲーム画面 段位・レーティング
ゲームで強くても、実際のマージャンでは勝てないような気がするのですが・・・
 

井出

そんなことはないと思いますよ。ルールは同じなのですから、ゲームでの対局も実際の麻雀卓での対局も、変わりはないと思います。むしろ、ゲームで通信対局している様子は、プロの競技会の雰囲気に似ているかも知れません。お互い声に出していいのは、ポン・チー・ロンなどマージャンに必要な言葉だけ。もちろん私語厳禁です。先ヅモなどもできませんしね。
そもそもマージャンに向いている性格、向いていない性格はありますか。
 

井出

負けず嫌いな人は上達すると思います。向いていないのは、グチッぽい人、我慢強くない人、決断力のない人。逆に強くなりたければ、自分の中のそういった性格を直せばいいんです。自分に厳しく、人にやさしく。これを普段から心がけておくといいですね。
また、嫌いな役や牌を作らないことも重要です。それがあるだけで自分の打つ手が狭まってしまいますから。
ツキがない場合がどうすればよいでしょうか。
 

井出

ツキとは偶然のかたよりですよね。136枚の牌がランダムに配られていくと、必ずどこかにかたよりが出るんです。4人が全員、毎回均一に同じ配牌なんてのはそれこそイカサマですよね。かたよりが出た結果、誰かに得で誰かにそうでないときに、ツキがある・ないという言葉を使うのではないでしょうか。ツキを呼び込む方法はありませんが、ツイていないときの対処法はあるはずです。ツキがないときは慎重に打って、失点を少なくする。人生にも通じますよね。リーチをかけてもどうしてもあがれないときは、リーチをかけなければいいんですよ。

余談ですが、一番印象に残った一局はなんですか。
 

井出

井出さん
95200点を半荘一回で逆転した対局が一番思い出に残っていますね。第28期王座戦で、金子正輝プロに95200点の差をつけられていたんですが、粘りに粘って、オーラスの親を持ってきたんですね。その段階でもまだ3万点以上差が残ってたんですが、ノーテンだと終了というルールだったので、その親番をどこまでもがんばらなきゃいけない。なおかつ誰かがロンと言ったらおしまい。要するに四面楚歌なわけです。牌を一つ捨てるごとに「勝負が終わってしまう(敗れる)かもしれない」という緊張と「まだ戦える」という安堵をくりかえしました。この状況で1時間半?くらい粘りに粘って、とうとう逆転して、勝ったんです。あのときのことを思えば、その後にイヤな局面なんかひとつもないというくらい、ものすごい一局でした。これだけは一生忘れないでしょうね。
井出さんにとって、マージャンとはなんでしょうか。
 

井出

「マージャンは人生の縮図だ」などとよく言われますが、今の私にとっては、「人生そのものがマージャンであり、人生の真理は全てマージャンの中にある」とさえ感じています。マージャンを通じて我慢を覚えましたし、人と争うこともなくなりました。どんな問題事もマージャンに例えて考えれば上手く対処できるようになりました。27〜28年、麻雀プロを続けてきましたが、おかげさまでそんなことが言えるようになりましたね。
 
貴重なお話ありがとうございました。