インタビュー

社長が訊く『大乱闘スマッシュブラザーズX』

はじめに

岩田

みなさん、こんにちは。任天堂の岩田です。
本日から、『大乱闘スマッシュブラザーズX』が
どのような経緯と思想で作られたのかを、
みなさんにお知らせしていきたいのですが、
その前に、お詫びをさせてください。
 
ソフト完成が予定期日から遅れ、
発売日を守るべくあらゆる手を尽くしましたが、
お約束した発売日を守ることができませんでした。
楽しみにお待ちいただいているお客様、
ならびに販売店のみなさまに、
大変ご迷惑をおかけすることとなり、
心よりお詫び申し上げます。
 
ちなみに、今回の「社長が訊く」の構成は、
初代スマブラの早くからの理解者のひとりでもある
ほぼ日刊イトイ新聞の永田さんにお願いしました。
永田さんにはWii発売前の「社長が訊く」以来、
久しぶりにお手伝いいただくことになりましたが、
みなさんに、スマブラの魅力をお伝えするために
最適の方にお願いできたのではないかと思います。
 
それでは、どうぞよろしくお願いいたします。

vol.1 はじまりは2005年のE3

1. 「元社長」が訊く?

桜井

あの、このコーナーって、
「社長が訊く」ですよね?

岩田

そうですよ。

桜井

任天堂の開発者の方に、
任天堂の社長の岩田さんが
取材するというコーナーですよね。

岩田

はい。

桜井

わたしは任天堂の社員じゃないんですけど、
いいんでしょうか?

岩田

ほら、わたしは桜井さんの「元社長」ですからね。

桜井

ああ(笑)。
「元社長が訊く」ですね。

岩田

そこは最初に説明したほうがいいですかね?

桜井

そのほうがいいと思います。

岩田

はい、はい(笑)。
ええと、桜井くんが・・・・
あえて「桜井くん」と言いますが・・・・
彼がゲームの仕事をはじめたとき、
つまりHAL研究所という会社に入ったときの
最初の上司が私なんです。
あのときは、いくつでしたっけ?

桜井

19歳です。

岩田

19歳!

桜井

ええ。まだピチピチでした(笑)。

岩田

そこで、私は桜井くんとふたりで、
『大乱闘スマッシュブラザーズ』の
プロトタイプをつくることになるんです。
任天堂の社長になるまえは、
私はそのHAL研究所の社長を務めていました。
ですから、まぁ・・・・。

桜井

「元社長が訊く」ですかね。

岩田

ということで、よろしくお願いします。

桜井

はい、よろしくお願いします。