「騎士と傭兵」

厳しい階級制。「騎士」と「傭兵」。それは越えることの難しい垣根だ。騎士は社会的に高い階級に属し、武芸の上達に励む以外のすべてのことを保証されている。それに対し傭兵は捨て駒のように扱われ、仕事のために放浪生活を余儀なくされる。

「金で雇われた荒くれ者」と蔑まれ、だがそれでも騎士になることを夢見て、傭兵として死線の境で戦う主人公たち。大地の荒廃により絶えない争いと魔物の脅威に満ちたこの世界で、戦火に村をやかれ、あらゆるものを強奪され、身近な者を失った悲しみを心に宿している。

「力」は何より重要なものだ。愛する者を守るために絶対に必要なもの。主人公たちもまた「力」を欲し、それはさらなる巨大な存在への道標となり、その過程で矛盾と野心とが誘惑をしかけてくる。

「悲しみと孤独」を宿したものに「究極の力」が降り注ぐ・・・だが、使い道を誤ってはいけない。

(ディレクター)

『The Last Story』の主人公は、傭兵です。

残念なことに、この世界における傭兵は身分が高くない上に、人々は、いつも戦いに身を置く彼らを忌み嫌ってさえいます。

一方、騎士は権威の象徴です。

領主に忠誠を誓い、安定した生活を営む彼らを、正義の味方・・・というのは陳腐な表現かもしれませんが、人々は、敬意をもって迎えます。

そうした存在に、明日をも知れぬ傭兵たちが、強いあこがれを抱くのは無理もないことかもしれません。

(プロデューサー)