デビルズサード クリエーター板垣伴信コラム

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7月30日(木)「戦場のリアルがいま幕を開ける」

私はゲームを作るときいつもそうするのですが、このゲームでもキャッチコピーを自分で考えました。「戦場のリアルが いま幕を開ける」です。

これまでに何度かいろんな機会でお話ししてきましたが、私は小学校に上がったときから今日に至るまで、戦争の本や、陸海軍の戦闘詳報、映画、漫画を見続けてきました。昭和40年代、50年代には実際の木刀、金属から切り出した手裏剣や、分銅鎖、クナイ(のようなもの。早い話が建築用のぶっとい釘です)などアブナイ道具を調達して、実際に仲間と遊んできました。今とは時代が違うので、みなさん真似しないでくださいね(笑)。実際私も含めて数人救急車のお世話になりましたので・・・。

ただそういう経験が、私に格闘ゲームや剣アクションゲームを作らせることになったのかもしれません。私は東京の山奥に生まれた山猿でしたが、いまこの年齢になっては、敵モンスター(たとえば骸骨魔神とか)のモーションアクターくらいしかできません。でも、人の動きを見れば、本物かどうかわかるんです。

『Devil’s Third』には、私の言う戦場のリアルをすべて込めました。殺害術として、素手、剣術に銃撃を加えた、究極のバトルアクションゲームに仕上げました。さらにプレイヤーのマニューバ(機動)も極限まで操作性をあげています。今回封印しているのは空を羽ばたくことくらいです。リアリズムを追求していますから(笑)。つまり皆さんはゲームの中で何でもできるということです。

普通、これだけたくさんの選択肢をアクションシステムに組み込むと、切り替えがだるかったり、アクションがもっさりしたり、精度を欠いたり、または「なんだよ、この機能要らないじゃん!」というような中途半端なものになってしまいます。実際このアクションシステムはWii U GamePadのすべてのボタンを使います。(『Devil's Third』のゲームデザイナーとして、Wii U PROコントローラーをお使いになることを推奨いたします)。操作自体はとても簡単。すぐに慣れていただけることと思います。皆さんの入力操作は、絶対に飲まれる(=無視される)ことはありませんし、精密で幅広い戦術を駆使して戦うことができるのです。

もう少し詳しくお話ししましょう。
実際の戦場では生き残るために人はすべてを駆使して戦います。戦争に綺麗も汚いもありません。ひとつお尋ねします。もし、たとえば私とあなたが4メートルの間合いで相対しているとして、あなたはハンドガン(拳銃)、私は日本刀を持っていたら、どちらが死なずに済むでしょうか?  結論を話せば、95%私が勝ちます。4メートルの間合いでは私の動きをハンドガンで止めることはできないのです。さらに間合いが近ければ、日本刀を繰り出すことすらできません。その間合いでの殺害術はより肉体的なものになります。銃も、剣も万能ではないのです。これが戦場のリアル、命の取り合いの現場です。

私はそのリアリズムを、テレビゲームという仮想空間で、皆さんに体験していただくためのアクションシステムを作り上げました。せっかくだから、システム名も名づけました!このシステムは「RUNE」システムといいます。ヴァルハラがそうであるように、北欧神話に取材しました。つまりルーン文字です。

「RUNE」には私たちスタッフの強い思いを込めています。すなわち「RUNE」とは「Real Ultimate Ninja Engine」の頭文字をとった物なのです。その「RUNE」を搭載したゲームが、ようやく発売を迎えます。ゲームを手に取られた方は、とてもスムースに遊べることに、何の違和感も驚きも感じないでしょう(これはいいことですよ!)。

RUNEシステムを作り上げるのに、私は5年? いや25年の開発人生のすべてを使ったのかもしれません。ある意味、コロンブスのタマゴ的なものですので、これから当然、似たシステムが出てくると思います。それはそれで良いことでしょう。ただシステムの名前は私に付けさせてくださいね。後継・派生も含めて、ぜーんぶRUNEシステムですからね(笑)。

そして「RUNE」はアクションシステムにはとどまりません。戦略レベル、作戦レベル、戦術レベル、そして戦闘レベルのすべてのレイヤーを包含したマッシブマルチプレイを提供します。すべてのリアルをインクルードしたRUNE。先日公開した紹介映像をご覧になった方にはそれを感じていただいていることと思います。

ぜひソロプレイで腕を磨き、マルチプレイでの「実戦」にチャレンジしてください。『Devil's Third』の発売はもうすぐそこです。是非、戦場でお会いしましょう。
やっとみなさんとゲームを遊べる日がやってくる。私はこの興奮を抑えることができません!

板垣伴信