社長が訊く
IWATA ASKS

社長が訊く『花といきもの立体図鑑』

社長が訊く『花といきもの立体図鑑』

目次

5. 世界が変わる

岩田

では実際にどんな方に
さわっていただきたいかという話も含めて、
商品の魅力を、吉良さんからひとことずつお願いします。

吉良

はい。とても入り口が多いソフトなので
特定のターゲットはないと思うんです。
子どもから大人まで、いろいろな入り口から入って
周りを巻き込んでもらえたらなあと感じています。

岩田

どこをいちばん見てほしいですか?

吉良

個人的には「花カメラ」です。
3DSの外側カメラで花を撮影したら、
花の色や花びらの形など
簡単な質問に答えながら候補をしぼっていくんですが、
当たった感じを楽しんでもらいたいなと思います。
これから秋の行楽シーズンになりますので、
どんどん外に出てもらって調べてもらいたいです。

岩田

3DSを持って外に出て、
どんどん花カメラを使ってほしいですね。
では、伊豆野さんは?

伊豆野

いまのコメントで、吉良さんもプロデューサーとして
同じことを考えていたんだなぁと再確認しました(笑)。
僕が見てほしいところは、
任天堂の商品であるからには遊びが必要ということで
花テスト」というものを入れたんです。

岩田

花テストはどなたの発案ですか?

伊豆野

もとは平凡社の大石さんです。
「花の名前を覚えるにはドリル的なものが必要だ」と
ずっとおっしゃっていたんです。
僕も遊び的に何かつくれないかと思っていたんですが、
いちばん簡単な仕組みでできる
2択クイズを入れることにしました。

岩田

その2択という割り切り方がいさぎよいですね。

伊豆野

はい。実際、僕も300問中の100問ちょっとで
いつもおわっちゃうんですけど、
だんだん花の名前を覚えてきました。

西田

あれは50、100、200と
難易度が4段階に設定されているんです。
だから100ちょっとは、
3段階目の最初でおわっているということですね。

岩田

つまり、まだまだだってことですね(笑)。

一同

(笑)

伊豆野

はい・・・引き続き、がんばります(笑)。

岩田

花テストは「1回間違えたらおわり!」という
なかなかシビアな仕組みのクイズですから、
自信のある方は300問にチャレンジしてほしいですね。

伊豆野

くり返すからこそ覚えますね。
とにかく、最後に遊びも残せたことがうれしかったです。
こんなふうに、全体としていろいろな入り口がありますので、
たくさんの人に楽しんでいただけたらと思います。

岩田

はい。金子さんは?

金子

僕は「 環境から検索」を見てほしいです。
3DSを持ったまま見まわすと、
画面内の景色も同じようにスクロールして
実際にまわりを観察している感覚を楽しめるんです。
鳴き声も聞こえてきて、バーチャルな空間にいるような
感じになります。

岩田

「秋の街」とか「春の野原・河川敷」とか、
季節ごとにいろいろな場所を楽しめるんですよね。

金子

そうです。
また、写真に照準を合わせると鳴き声が聞こえてきて、
すごくいい感じだなぁと気に入っています。
それから、鳥や虫のなきごえを検索できる
なきごえ検索」も面白い仕様ですので、
是非、実際に外に出て、聞こえてきた鳴き声と聞き比べて
検索してほしいですね。

西田

「環境から検索」は、うちの編集部でもすごく人気なんです。
写真を選択すると詳細にジャンプできるし、
まるで、自然の中に図鑑のページを
ばらまいているような感覚なんですよ。

岩田

知らなかったことがいっぱいわかりますね。
はい、三田さんは?

三田

これだけじっくり見られる立体映像が
ひとつにつまっているものは、なかなかないですよね。
立体映像そのものに興味を持っている方にもぜひ、
たくさん見てもらいたいなと思います。
普通の写真に比べて、
立体映像ならこれだけ形を把握しやすいんだ
ということがわかると思います。
もうひとつは、個人的に「花テスト」です。
先日子どもが生まれたので、ぜひ「花テスト」で花を覚えて、
子どもに教えられるような親になりたいと思います(笑)。

岩田

はい、亀澤さんは?

亀澤

わたしは「いきものリンク」をたどっていくことで、
少しでも世界観が変わるような
お手伝いができたらなと思います。

岩田

多分、「自分の身のまわりに、草と花と虫がいる」という方が、
その名前と関係性がわかって、季節を意識できたら、
まわりに見えるものが変わってくるんでしょうね。

亀澤

そう思います。

岩田

大石さんは?

大石

わたしは図鑑体験というものが新しくなると思うんです。
従来でしたら、図鑑をフィールドに持ち出す場合、
ハンディな図鑑を持っていき、
ページを繰って気になる花を調べるのが普通です。
でも、今度のものは外に持ち出すと、
調べたい花をまず、写真を撮りますよね。
実際に自分が見たものの写真が画面上にあって、
図鑑の画像と比べることが簡単にできるんです。
それはいままで、なかなかできなかったことなので
こういった使い方をもっと広げてもらいたいなと思います。

岩田

はい。西田さんは?

西田

何度もくり返しにはなりますが、
これで本当に世界が変わりますので!
いままで“草と木と花”としかとらえていなかったものが、
これを使うことでいろいろなものが見えてくる、
まるで新しい世界を開く“眼鏡”のようなものです。
身近にこれだけいろいろなものがいて、
しかも自分が体験することによって見えてくるところが、
このソフトのいちばんの魅力だと思います。
いろいろな方に使っていただくことで、
“世界が変わる体験”をしていただきたいと思います。

岩田

ありがとうございます。
わたし個人も
じつは花の名前などのテーマに関して、
からっきしダメなんですね。
若いころは、別のことに興味が向いていて、
花の名前には全く興味がなかったからです。
その後も、体系的に学ぶ機会がないままでした。
ちなみに、これはわたしの経験なのですが、
昔、よその家の赤ちゃんの顔は、全部同じに見えました。
子どもがいないときには、赤ちゃんに興味がなかったんだと思います。
でも、自分の子どもが生まれた瞬間に、
ひとりひとりの違いがびっくりするほどわかるようになりました。
それと同じで、今回、このソフトをさわって
花に興味が湧いてきましたから、
「あ、少し変わりそう!」という気がしています。

西田

ああ、素晴らしいですね!

岩田

いままでは「この花、何ていうのかな?」と思っても、
そこで止まっていたんです。
手軽に調べる方法もありませんからね。
それを放っておかないようになり、
つながりでまわりにあるものにも目がいったとき、
自分の人生がどう変わるんだろうと感じました。
だから第一印象としては、
むしろ「花などが苦手」という方がさわることで、
自分の人生を大きく変えるキッカケになるかもしれません。
そういうことが世の中で起きたら
つくった人冥利につきるのではないでしょうか。

伊豆野

そうですね。

岩田

世の中にはじめて問うような
構造や見せ方に挑戦しましたので、
いろいろな方に興味を持っていただければうれしいですね。
みなさん、今日はありがとうございました。

一同

ありがとうございました。