報道資料

平成11年5月12日
松下電器産業株式会社
任天堂株式会社


松下電器と任天堂、デジタルネットワーク家電戦略で包括提携


松下電器産業株式会社(社長:森下洋一)と任天堂株式会社(社長:山内溥)は、21世紀のデジタルネットワーク社会に向けて、「デジタルネットワーク家電分野」において、包括的に相互に協力しあうことで本日合意しました。

近年のデジタルネットワーク技術の進化に伴う、放送のデジタル化や通信・記録メディアの大容量化により、放送と通信および記録メディアが融合した、新たなサービスを楽しむことのできる時代が目前に迫ってきております。一方、半導体の微細加工技術の進化とコンピュータ・グラフィックス技術の進化により、高性能のコンピュータグラフィックスを用いた高度な映像サービスを低コストで実現できるようになりました。

任天堂は、ファミリーコンピュータをはじめとするROMカセットを記憶媒体としたゲーム機で、全世界で圧倒的な売り上げを記録してまいりましたが、高度なCG(コンピュータ・グラフィックス)と、大容量記憶媒体並びにネットワークを活用することにより、新しいゲームの世界、新しいサービスの世界を切り開くべく強力に推進しております。

一方松下電器では、21世紀のデジタルネットワーク社会を実現するべく、DVD、デジタルSTB、デジタルビデオカメラ、携帯電話などの様々なデジタル機器及び放送・通信インフラシステムの開発で他社をリードし、また最先端のIT企業とも積極的に協業を推進しております。

松下電器と任天堂は、従来から大きな取引関係があり、21世紀のデジタルネットワーク社会のあるべき姿を模索し、意見交換を積極的に行ってきました。その結果、2000年には6,000万台の普及が見込め、かつ著作権保護を尊重しているDVDをプラットフォームにした、「デジタルネットワーク家電」において、相互に協力することで合意しました。

今回の合意内容は以下の通りです。

  1. 松下電器は、任天堂の次世代ゲーム機用DVDメディアおよびそれを再生するドライブの開発・供給を行う。
  2. 次世代ゲーム機とデジタルAV機器の融合商品の開発を行う。
  3. 新たなサービスを創出する、将来のデジタルネットワーク機器及びネットワークサービスへの応用展開を検討する。

DVDをゲーム機に搭載し、また、DVDとゲームを融合することにより、ポータブルなDVDでも、DVDシアターでも、自由に映画やゲームを楽しむことができるようになり、DVD応用の新たな世界を切り開くとともに、更には、次世代ゲームのグラフィックスエンジンを駆使した新しいタイトルも期待でき、DVDワールドをますます強化することになります。

従来より、松下電器では、21世紀デジタルネットワーク社会に向けたトータルコンセプトとして、「HII(Home Information Infrastructure)」を強力に推進しておりますが、映像、コンピュータソフト、カーナビゲーション、音楽と広範な分野に展開しているDVDの世界に新たにゲームエンターテイメントが加わるだけでなく、更にはネットワーク機能を付加することにより、ゲーム・音楽・映像等のコンテンツの受信や、デジタルネットワーク時代における、ホーム・モバイルでのチケット予約やE-mailも可能になり、「HII」の世界がより広がることになります。

このように、今回の提携により、「デジタルネットワーク家電」の開発加速、事業拡大が可能になり、松下電器と任天堂は、デジタルネットワーク社会の到来に大きく貢献できるよう、協力して推進してまいります。


任天堂の次世代ゲーム機の概要

任天堂次世代ゲーム機は、世界のベストテクノロジーを結集し、2000年代を見据えた設計となっています。
その概要は以下のとおりです。
CPU: IBMカスタム・プロセッサー(PowerPCアークテクチャー拡張)
動作周波数 400MHz
半導体プロセス 0.18ミクロン カッパー・テクノロジー(銅配線技術)
グラフィックス:米国ArtX社と共同設計フルカスタム・システムLSI
動作周波数 200MHz
半導体プロセス 0.18ミクロン DRAM混載プロセス
メモリユニット:高速DRAMテクノロジー
メモリバス・バンド幅 3.2GB/秒
ソフト供給メディア:松下電器DVDテクノロジー
強化コピープロテクト技術採用
以上



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