NINTENDO DS Preview! Nintendo


【プレゼンテーション全文 (2)】

 タッチスクリーンと2画面の組み合わせ、そしてマイク入力など、ゲームの操作方法に革新をもたらすということは、DSの大きな特徴なのですけれども、もう一つの大きな特徴として力を入れたのが、標準搭載したワイヤレス機能によって、遊び方の構造を変えよう、というチャレンジです。
 DSのワイヤレス機能は、従来ゲームボーイの通信ケーブルでできていたことを、ただワイヤレスにする、そういうものではありません。DSには、ワイヤレスダウンロードという機能がありまして、ワイヤレス経由でプログラムを受け取り、実行することができます。これを使って、どんなことができるようになるか、ということなのですけれども、まず1つのゲームを使って、多人数で遊ぶというプレイスタイルであるゲームシェアリング、ゲームの共用ですね。こういうことを積極的に展開したいと思っています。
 同時発売のタイトルでも、このゲームシェアリングの構造を取り入れたタイトルが複数用意されております。家庭用のゲームでは、1台のゲーム機で4人が遊ぶという、そういうプレイスタイルを我々自身が確立してずいぶん時代が経つのですけれども、携帯型ゲームの世界では、ゲーム機の台数分のソフトもそろえなければならない、というところにとても高いハードルがありまして、ポケモンなどの例外を除いては、たとえおもしろい多人数用遊びを作っても、必ずしも多くの皆さまに体験していただけませんでした。
 今回のゲームシェアリングは、多くの人たちに場所を選ばず、どこでも手軽に、周囲の人たちと一緒にゲームを楽しんでもらうということをテーマにしています。「スーパーマリオ64DS」の4人同時プレイ、あるいは「大合奏!バンドブラザーズ」という音楽演奏ゲームを今度出すのですけれども、そこにある多人数の合奏プレイ、こういうものが典型的な例になってまいります。
 また、発売直後にすぐに全国広く展開というわけにはいかないのですけれども、このワイヤレスダウンロードの仕組み、これを使って、店頭試遊の構造も段階的に変えていきたいと思っています。月刊任天堂という店頭試遊の構造が確立して、もうすぐ2年が経過しようよしています。DSでは店頭の試遊台で新作ゲームを体験するだけではなくて、手持ちのDSに回数制限あるいは期間制限をつけた試遊プログラムを送り込んで、お手元のDSで新しいゲームを体験していただける、ということをしていきたいと思っています。
 これによって、食わず嫌いで本来のポテンシャルが開花することなく終わってしまうゲームを減らして、続編中心で保守的に感じられるゲームのヒットチャートにたくさんの新作が含まれるような流れを作っていきたいという風に考えております。

 さて先日、弊社取締役相談役の山内が、劇場用のアニメ映画をつくる事業を任天堂が主体となって取り組んではどうかという提案を会社にしたい、ということを発言したという報道がございました。本件については、前向きに検討しておりますが、今日現在、お話しできることはありません。ただ遅くとも、年内には結論を出して、結論が出次第、皆さまにお知らせしたいと考えております。
 その一方で、映画との連動という意味では、来年DSのワイヤレス機能を利用して、いままでにない新しい取り組みを実現していきたいと考えています。それは、ポケモンの映画の上映中に、映画のストーリーに同期して、DSのワイヤレス機能を用いて、手持ちのゲームボーイアドバンス用ポケモンゲームソフトに配信を行うというサービスです。
 これまでも、ポケモンは、さまざまなかたちの配信サービスを行ってきました。かつて幕張で開催したニンテンドースペースワールドというイベントで、ポケモンの配信を行って、10万人以上の方に参加していただいたことがありましたし、ここ2年ほどは映画の前売り券と連動して、全国でさまざまな配信サービスに取り組んでまいりました。しかし、これらは、あくまで映画を見るときではなく、映画とは独立したものでありました。
 来年夏のポケモン映画では、新しい仕組みの提案に賛同いただける映画館のご協力を得て、映画館の中で映画のストーリーに同期して、ゲームボーイアドバンス用のポケモンソフトへの配信サービスを実現したいと考えております。ゲームボーイアドバンス用には、「ポケットモンスター ルビー・サファイア・ファイアレッド・リーフグリーン・エメラルド」の5種類のポケモンソフトがすでに発売されていますが、そのいずれかをニンテンドーDSに差し込んで対象となる映画館に持ち込んでいただくことで、このサービスを受けることができるようにします。映画の中で感動的なポケモンとの出会いのシーンに同期して、関連するポケモンなどが、各ユーザーのカートリッジの中に送り込まれるという、世界で初めての試みとなります。
 詳しいサービスの内容については、後日、詳しく発表したいと考えておりますが、できるだけ多くの映画館でこのようなサービスが可能になるように調整を進めてまいりたいと思います。こういうことが可能になるのも、DSがワイヤレスで新たなプログラムをダウンロードできる、そしてDSはアドバンスのカートリッジがそのまま差し込んでアクセスすることができる、という特徴があるからで、DSの持つ柔軟な仕組みが実現する可能性の一つの例としてお考えいただければと思います。

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