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2010年1月29日(金)第3四半期決算説明会
任天堂株式会社 社長 岩田聡 講演内容全文

昨年前半には、ゲーム業界全体がヒットタイトルに恵まれない中で、任天堂もWii用の有力タイトルを年の前半にタイムリーに発売できず、それがWiiの販売の勢いを鈍らせてしまったということは、以前にもお話ししたと思います。『Wii Sports Resort』、『Wii Fit Plus』、 『Newスーパーマリオ』という主軸3タイトルを相次いで投入することで、Wii市場を再加速させる、という方針を、昨年7月の決算説明会、10月の経営方針説明会でみなさんにお話ししましたが、では、これらの主軸タイトルの販売実績がどうなったか、ということをお伝えしたいと思います。


まず、『Wii Sports Resort』についてです。
世界の累計販売本数は、1,358万本となりました。


次に『Wii Fit Plus』についてです。
世界での累計販売本数は1,016万本となりました。このうち、約55%が、バランスボードとのセット販売となっています。とくにアメリカやヨーロッパではセット販売が好調で、共に、年明け以降、バランスボードが品薄となって、販売機会のロスを出してしまいました。
また、前バージョンの『Wii Fit』が、世界累計で2,256万本の販売となっていますので、この1,016万本のうちの55%がバランスボードのセット販売であることを考慮しますと、バランスボードは2,800万台以上普及していることになります。


そして、最後に、『New スーパーマリオブラザーズ Wii』です。このソフトは、発売から短い時間の間に1,055万本の販売となりました。私たちの経験の中でも、非常に早い1,000万本到達でした。


これは、昨年10月の経営方針説明会でお見せしたスライドです。クラブニンテンドーで、ハードとソフトが同週に登録された場合に、ハードがそのソフトによって牽引されたと解釈して算出した、昨年10月時点での発売時以来の累計本体牽引率です。
では、今日ご紹介した主軸3ソフトが現時点でどうなっているのかクラブニンテンドー調べのデータをお見せします。


まず、『Wii Fit Plus』の牽引率が極端に高いことが目立ちます。また、マリオについても、発売からの時間がまだ短いことを考えると、順調と言えると思います。
2008年末に発売した主軸タイトルである『Wii Music』や『どうぶつの森』が昨年の今頃にどのような勢いであったかということと比較すると、2009年後半に発売した主軸の3タイトルは、今現在、勢いがあります。この勢いを維持することで、Wiiというプラットフォーム全体の勢いを維持するように努力していきたいと思います。


また、全世界の出荷ベースで100万本を超えたDSタイトルは、昨年末までの累計で、任天堂・ポケモンのタイトルが3タイトル増えて45タイトル、ソフトメーカーさんのタイトルも3タイトル増えて63タイトルとなりました。


一方、Wiiについては、全世界の出荷ベースで100万本を超えたタイトルは、昨年末までの累計では、任天堂・ポケモンのタイトルが1タイトル増えて22タイトル、ソフトメーカーさんのタイトルが11タイトル増えて54タイトルとなりました。
このように、ゲーム人口拡大を目指してきたニンテンドーDSやWiiは、新しい地平を切り開いてきたわけですが、今後、継続的なゲーム人口の拡大を実現するために、どうしても避けて通れないことがあると感じています。


それは、ゲーム人口拡大により、これまでゲーム売り場を訪れることがなかったようなお客様が、売り場にいらっしゃるようになるということが起こっているからです。
お客様の層の広がりは、小売店さんの店頭で商品を売る、ということに対しても、全く新しいアプローチを必要としています。


これは、先日公開した、任天堂ホームページで展開している「社長が訊く」の記事ですが、これまでは、ものをつくる役割の人から話を訊いてきた私が、初めてものを売っている役割の人から話を訊いたインタビュー記事になっています。
ここで、詳しく背景についても触れていますので、まだお読みでない方には、是非お目通しいただきたいんですが、私たちは、「お客様の層の広がりによって、売り場での販売にも開発という発想が必要」と考えて、この活動を「販売開発」と名付けて、新しい取り組みを進めています。



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