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2011年1月28日(金)第3四半期決算説明会
任天堂株式会社 社長 岩田聡 講演内容全文

任天堂の自社ソフトではありませんので、各週のセルスルーデータがありませんから、調査会社さんのデータによって毎週のセルスルー数の集計ができるヨーロッパのデータで販売の推移を見ますと、グラフ上の赤い線の前作は、季節にほぼ関係なく安定して売れ続けて、最後、昨年の年末商戦で再び盛り上がったことがわかります。
これに対して、グラフ上の黒い線の2作目の売れ方ですが、まさに爆発的で、近い将来、1作目の販売実績を上回る勢いとなりました。このソフトの大ヒットによって、海外ではダンスゲームに新たな流行が起きつつあります。
アメリカやヨーロッパでは、このタイトル以外にも、昨年の年末商戦において、サードパーティのソフトメーカーさんのWiiタイトルで複数のヒット作が生まれました。


また、ニンテンドーDS用ソフトでは、日本では、『絵心教室DS』という名前で、海外では『Art Academy』という名称で発売された、DSをキャンパスに見立てて絵を描くソフトが、世界全体で150万本以上の販売となりました。


ご覧の通り、このソフトのヨーロッパでの販売推移は非常にユニークです。先ほどのヨーロッパ各国の年間ヒットチャートでは、スペインのチャートにしか、このソフトは登場していませんでしたが、年末には、このソフトはヨーロッパ各国でヒットしました。
このソフトは、美術の専門家の方々にも認めていただいて、例えばスペインのティッセン・ボルネミッサ美術館をはじめ、ヨーロッパでいくつかの美術館が、館内で開催される絵画教室などの機会にこのソフトを活用してくださっています。

このようにビデオゲームの新しい活用事例が出てきますと、話題にもしていただけますし、市場も活性化します。今後も、ビデオゲームの定義を広くとらえて、新しい提案をしていきたいと思います。


さて、このように2010年の年末商戦は推移したわけですけれども、ニンテンドー3DSの発売を控える中、今後のニンテンドーDSやWiiの展開について、少しお話ししておきたいと思います。


まず、DSについてですが、昨年9月、日本での発売以来、両バージョン合算では、昨年2010年における最大のヒットソフトとなり、また、日本のビデオゲーム史上最速で500万本に到達した『ポケットモンスターブラック・ホワイト』を、今年3月6日にアメリカで、3月4日にヨーロッパでそれぞれ発売します。
ポケモンは世界中で受け入れられている遊びですので、DS向けにしっかりとつくり込まれた遊びの面白さの本質をしっかりお伝えして、本来のポテンシャルを引き出したいと考えています。


また、『バトル&ゲット!ポケモンタイピングDS』という商品を4月に発売する予定です。このソフトは、ポケモンを活かしたタッチタイピング練習ソフトです。お子さんが、このソフトで遊んでいたら、いつの間にかタッチタイピングができるようになった、ということを実現することを目標につくりました。
しかし、単に子どもさんをターゲットとしたソフトというわけではなく、つくりとしては、既にタイピングを一定レベルで習得されている大人のお客様にとっても挑戦しがいのあるゲームとして仕上げています。つい最近、株式会社ポケモンの石原社長からは、「私自身、それほどタイピングは遅くないと思っていましたが、なかなか高得点が取れず少しアツくなったりしてます。この歳になって、小指の使い方が、若干、うまくなったのが嬉しいです」というメールをもらいました。


ちなみに、このソフトに付属しているのは、ブルートゥース規格に準拠したキーボードで、ROMカードの中にもブルートゥース通信機能を内蔵していて、無線でやり取りするようになっています。任天堂として接続保証はしておりませんが、実際にはいろいろなデバイスにつながります。社内でも、このキーボードの試作品をiPhoneやAndroidにつないで使っている人がいますし、実は、私もその一人です。やはり文字をまとめて打ち込むスピードは、キーボードが一番速いです。

ポケモン関連では、Wiiやニンテンドー3DSでの展開も、いろいろ進めていますので、順次お知らせしていきます。

また、今年のWiiの展開についても少しお話ししておきたいと思います。


ちょうど1年前の昨年1月に、モノリスソフトの高橋さんとつくった『ゼノブレイド』と、ミストウォーカーの坂口さんとつくったこの『ラストストーリー』の発表をしました。
ちょうど昨日、『ラストストーリー』が発売されましたが、順調な滑り出しとの報告を受けています。


今年展開予定のソフトとしては、既に発表している『ゼルダの伝説 Skyward Sword』があります。昨年、スーパーマリオが発売25周年でしたが、今年はゼルダの伝説が登場してからちょうど25周年です。ちなみに、2011年は、ポケモンが15周年だったり、ドラゴンクエストが25周年だったり、いろいろなソフトが節目の年を迎える年でもあります。
Wiiモーションプラス、今はWiiリモコンプラスとして一体になりましたが、このコントローラが可能にする新しい操作体系を、このようなジャンルのゲームに活かすと、遊びが非常に快適になる手応えがあると、弊社の宮本からは報告を受けています。現在、最後の仕上げに入っています。
ゼルダに関しては、ニンテンドウ64時代の名作『時のオカリナ』が、ニンテンドー3DS向けにリメイクされていますが、発売は、ニンテンドー3DS向けの『時のオカリナ』が先になる予定です。


また、Wiiでは、新たな新作として、今年『パンドラの塔』というWii向けソフトの発売を予定しています。このソフトは完成に近づいており、今年の前半に発売する予定です。これから、順次情報展開をしていく予定ですので、続報をお待ちください。
また、ニンテンドーDSでヒットした『リズム天国』も、Wiiで新作を制作中です。ムービーをご覧ください。



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