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2011年10月28日(金)第2四半期(中間)決算説明会
任天堂株式会社 社長 岩田聡 講演内容全文

年間を通じた累計販売数の推移で見ますと、DSの販売は大きく落ち込んでいますが、3DSは、値下げ以降販売ペースを加速させており、DSと3DSの合計で任天堂の携帯型ハード全体で見ますと、昨年を大きく上回るペースで推移していることがわかります。
この年末の3DSには、有力タイトルが、これまでに前例がないほど高い密度で揃いますので、一気にスパートをかけて、市場を盛り上げていきたいと思います。

 


次に、アメリカの市場についてです。

 


これは、アメリカの今年1月から9月までの、ソフト販売上位20位までのヒットチャートです。
任天堂プラットフォームのタイトルが7タイトル含まれていますが、昨年までと異なり、上位にあるWii向けの3タイトルは、任天堂発売のタイトルではなく、他社さんのタイトルです。それも、4月の決算説明会の場でもお話ししたように、ダンス系のタイトルが躍進しており、Wiiの上位3タイトルは、ダンス系タイトルです。このほかに、Xbox360のKinect用タイトルである『Dance Central』もありますので、チャートのトップ20に4タイトルのダンス系タイトルが含まれていることになります。
また、日本では昨年9月に発売された『ポケットモンスターブラック・ホワイト』が、今年3月に発売されましたので、それも上位に入り、あとは、DSとWiiの『New スーパーマリオブラザーズ』が定番として上位にあります。昨年は、この中に、『Wii Fit Plus』、『Wii Sports Resort』、『Mario Kart Wii』などのWii向けの定番ソフトが含まれていましたが、今年は、アメリカのチャートには入らなくなっています。

 


これは、昨年と今年の1〜9月のNPDのデータを元に、アメリカ市場で毎月1週間あたり、Wii、PS3、Xbox360が何台売れているかを示すグラフです。薄い色が昨年、濃い色が今年です。毎回お話ししていますが、NPDの月別データは、4週間の月と5週間の月がありますので、1週ごとの平均値としてグラフをつくってお見せしています。
昨年と比較して目立つのは、Xbox360が今年に入ってから据置型ハード市場をリードしていることです。Wiiは、前年に対して低調ですが、9月の実績は、昨年とほぼ同程度でした。
一昨年、昨年と、年末に爆発的に売れたWiiも、昨年の今の時点ではその兆候はまだ表れていませんでしたし、景気動向や、お客様の行動の変化によって、年々、アメリカの年末商戦の立ち上がりは遅くなっていますので、今年は、例年以上に、感謝祭とクリスマスのピークをいかに最大化するかが年間のビジネス規模を決定づけると思います。

また、NOAからの報告によると、10月第3週目までのWiiの販売推移は、前年を上回っており、また、小売店さんのバリュー訴求プロモーションに、非常に敏感にお客様が反応されているとのことです。これは、年末の伸びに向けての良い兆しではないかと思います。

 


ちなみに、これは、今年に入ってからの累計の販売数の推移を昨年の推移と比較したものですが、昨年のWiiは特に11〜12月の伸びが大きいことがおわかりいただけると思います。
今年も、年末商戦依存度が例年以上に大きくなると予想していますので、年末に大きく販売が伸ばせるように、しっかりと準備を進めています。

 


これは、昨年と今年のアメリカ市場における、毎月1週間あたり、DSとPSPが何台販売されているかを比較したものです。
ニンテンドーDSは3月にニンテンドー3DSが発売されることもあって、前年に対して減っていますが、日本と比較すると、新しいプラットフォームへの移行がゆっくり進む市場特性もあって、一定の市場規模を維持しています。
これは、今年発売されたニンテンドー3DSの販売推移ですが、4〜6月にかけては、期待を大きく下回る水準で推移し、値下げによって、8月以降、ようやくDSを逆転するという状況になりました。それでも、DSには一定の存在感が残っています。

 


これを、今年に入ってからの累計の販売数の推移を昨年の推移と比較してみますと、ニンテンドーDSとニンテンドー3DSの合計は、前年のニンテンドーDSの販売実績とぴったり寄り添うような推移であることがわかります。
アメリカでは、例年、年末には、任天堂の携帯型のビジネスが大きく伸びる傾向がありますし、3DSの有力タイトルも揃いますので、年末には、大きく販売を伸ばしたいと思います。

Wiiと同じように、ニンテンドー3DSについても、10月に入ってからの小売店さんのバリュー訴求プロモーションに対して、お客様の反応が強く現れるなど、年末に向けての手応えを徐々に、実感できるようになってきました。

 


最後に、ヨーロッパの市場についてお話しします。

 


これは、ヨーロッパの14カ国、具体的には、イギリス、ドイツ、フランス、スペイン、イタリア、オランダ、ベルギー、アイルランド、ポルトガル、デンマーク、スウェーデン、フィンランド、オーストリア、スイスの今年1月から9月までの、調査会社さんが調べているソフト販売数を任天堂で集計し、上位20位までのヒットチャートにしたものです。
ヨーロッパでは、どのプラットフォームが強いか、どのようなソフトが好まれるかは、国別の特性が大きく異なりますが、ヨーロッパ市場全体を俯瞰する意味で、このような角度から説明しようと思います。
今年は、任天堂のプラットフォームにあまり元気のない印象をお持ちの方も多いと思いますが、任天堂プラットフォームのタイトルが10タイトルと、アメリカや日本の市場と傾向が異なり、多くの任天堂タイトルが含まれています。また、ダンス系のタイトルも2タイトル含まれていますし、ヨーロッパ独自の特徴として、サッカーのゲームが非常に強いことがあります。
また、ニンテンドー3DSのソフトは、まだ、ハードの普及台数が十分でないこともあって、アメリカと同様、チャートには載っていません。

 


これはヨーロッパの据置型ハードの販売状況です。 これは、任天堂が、各国の調査会社さんのデータを元に推定しているものです。
Wiiは、年明けから、前年に対して大きく落ち込む水準で推移しました。5月の価格改定では、一度大きな盛り上がりをつくることができましたが、直近では、他社さんのプラットフォームに対してリードを許している状況です。

 



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