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2012年10月25日(木)第2四半期決算説明会
任天堂株式会社 社長 岩田聡
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本日は、お忙しい中、当社の決算説明会にご参加いただき、ありがとうございます。社長の岩田でございます。

 


まず最初に、世界のゲーム市場の現状について、日本、ヨーロッパ、アメリカの順にお話ししたいと思います。

 


最初に、日本の市場についてお話しします。

 


これが、日本市場における、今年に入ってから先週までのソフト販売上位20位までのヒットチャートです。
昨年はニンテンドー3DS向けのタイトルは2タイトルしかありませんでしたが、1年を経て、大きく状況が変わったことがおわかりいただけるかと思います。ニンテンドー3DSのタイトルが9タイトルとなり、昨年は3タイトルしか含まれていなかった任天堂の携帯ゲーム機向けのソフトが12タイトルになり、任天堂プラットフォーム全体では、トップ20に含まれるタイトル数が、昨年の8タイトルから15タイトルに増えました。とくにニンテンドー3DSが順調に市場を拡大し、ゲーム市場を牽引できている手応えを感じています。ニンテンドー3DSのソフト販売本数は、昨年の同じ時期と比べると、3.5倍以上に増えています。

 


これは、メディアクリエイトさんのデータに基づく、日本市場の携帯型ハードの販売状況を示すグラフです。
先ほどお見せしたヒットチャートにも現れているように、ニンテンドー3DSが市場を牽引する形となり、1年を通じて好調に推移しました。
7月末には、ニンテンドー3DS LLが発売され、このグラフでは第30週になりますが、週販20万台を超えるなど、昨年8月の大幅値下げ時を超えるインパクトとなり、年間を通じても最もゲーム関連の需要が下がる直近の10月にも、高いレベルの販売を維持しています。

 


こちらは、日本市場の据置型ハードの販売状況を示すグラフです。
Wiiは、年明け以降、昨年に準じる流れで推移しましたが、8月上旬に『ドラゴンクエストX』の発売時に大きく販売を伸ばしました。しかし、直近では年末に新機種のWii Uが発売されることも影響し、販売は減速傾向にあります。
先ほどお見せしたように、年間を通じて、ニンテンドー3DSが週販5万台を切る週はほとんどありませんでしたが、逆に据置型ゲーム機が週販5万台を超えたのは、3月に『ワンピース 海賊無双』が発売された週の1度だけで、今年のゲーム機ハードの販売については、ニンテンドー3DSが日本市場を牽引する形になっています。

 


次に、ヨーロッパの市場についてお話しします。

 


これは、ヨーロッパの14か国、具体的には、イギリス、ドイツ、フランス、スペイン、イタリア、オランダ、ベルギー、アイルランド、ポルトガル、デンマーク、スウェーデン、フィンランド、オーストリア、スイスの今年1月から9月までの、調査会社さんが調べているソフト販売数を任天堂で集計し、上位20位までのヒットチャートにしたものです。
ヨーロッパでは、国別に市場特性が大きく異なりますので、ヨーロッパ市場全体を俯瞰するために、このデータで、まずご説明したいと思います。
昨年はこの時期に含まれていなかったニンテンドー3DS向けソフトが3タイトルランクインしました。『ポケットモンスター』シリーズの新作タイトルは、昨年は3月に発売されましたが、今年は10月に発売されたことや、Wiiの定番タイトルの存在感の低下などにより、任天堂のヒットチャート上のタイトル数は、昨年の10タイトルから8タイトルに減少しています。また、トップ20タイトル中で、携帯型ゲーム機のタイトルは、ニンテンドー3DSの3タイトルだけであることは、携帯型タイトルの占める割合が日本とは大きく異なることを示しています。日本では、トップ20タイトル中、13タイトルが携帯型ゲーム機のタイトルでした。
また、ヨーロッパでは、ソニーさんのPS3のタイトルが9タイトルランクインしており、マイクロソフトさんのXbox360をリードしています。

 


これはヨーロッパの据置型ハードの販売状況です。これは、任天堂が各国の調査会社さんのデータを元に推定しているものです。
各プラットフォームとも前年を下回る推移になっていますが、とくにWiiに関しては、5月の値下げで大きく販売を伸ばした昨年よりも、減少幅が大きくなっています。

 


これは、ヨーロッパ全体の携帯型ハードの毎週の販売推移を昨年と比較したものです。
ニンテンドー3DS XLの発売前は、トップシェアではあるものの、決して好調とは言えなかったニンテンドー3DSですが、7月末のニンテンドー3DS XLの発売、このグラフの第30週のところから大きく販売を伸ばし、昨年夏の値下げ時を超えるインパクトとなり、8月にはヨーロッパのゲーム市場を3DSが牽引する状況となりました。年間で最も携帯型ゲーム機の販売が下がる9月から10月前半の時期にも、販売ペースを一定レベルで維持できましたので、ニンテンドー3DSがこれから年末に向けて販売を大きく伸ばすための足場を固めることができたと感じています。

 



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