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2010年1月29日(金)第3四半期決算説明会
任天堂株式会社 社長 岩田聡 講演内容全文

2009年のアメリカのソフト市場全体は、前年割れとなっています。DS、Wiiとも前年を若干ですが上回っていますが、全体としては、ソニーさんのPS2、PSPのソフト販売の減少を補うことはできませんでした。


ソフト全体を3社のハードメーカー別のシェアの推移で見ますと、任天堂プラットフォームの存在感が高まっているのがおわかりいただけると思います。


こちらは、本数・台数ではなく、販売額でまとめたアメリカ市場規模の推移を示すグラフです。ハード・ソフトだけでなく、NPDが集計しているアクセサリの販売額も含んでいます。
2004年から比較すると4年で2倍以上に急成長したアメリカ市場ですが、2009年は、ハード販売台数・ソフト販売本数の減少と、ハードの値下げによる販売単価の減少などが原因で、NPDの発表で既に報じられているように、前年対比でマイナスとなってしまいました。


任天堂プラットフォームの販売金額も前年実績をクリアできていないのですが、他社さんのプラットフォームの方が落ち込みが大きいため、結果として、任天堂プラットフォームの販売金額シェアは拡大しました。


左側のグラフは、2009年11月までの対前年の販売金額の比率です。業界全体が12%のマイナスであったのに対し、任天堂プラットフォームも11%のマイナスとなっていました。ただし、先ほどご説明したように12月はDSとWiiが大きく販売を伸ばし、昨年以上の結果となりましたので、12月は、ご覧のように対前年比がプラスとなり、通年でも、任天堂プラットフォームの対前年比は3%マイナスにまで回復し、業界全体が8%のマイナスと、マイナス幅は若干縮小しました。


また、12月には、もうひとつ、現行の据置型ハードにおいて、Wii累計のソフト販売数が1億7,804万本となり、1年先行していたマイクロソフトさんのXbox360の累計ソフト販売数1億6,470万本を追い越し、現行の3つのプラットフォームの中で、Wiiが最もソフトが売れたプラットフォームになりました。


最後にヨーロッパです。


ヨーロッパでも、アメリカと同じように、年末商戦が本格的に立ち上がるまでは、Wiiの状況が良くありませんでした。11月中旬、大ヒットソフトのアクティビジョンさんの『コール オブ デューティ』が発売されたときには、3機種の販売数がほとんど同じになった時期もありました。また、Wiiはハード値下げ後すぐに販売の伸びがなかったことで、年末商戦の途中まで、ムードはあまり良くなかったと思います。11月の3週目に、新色ハード「クロ」を発売し、同時に『Newスーパーマリオ』を発売したあたりからムードが変わり、大変好調だった2008年とほぼ同水準で推移するところまで持ち込むことができました。
また、ヨーロッパでは、2009年にPS3が伸び、Xbox360が落ち込んで、2008年実績とちょうど立場が入れ替わっていることが興味深い変化であると思います。


一方、ヨーロッパのDSハードは、2007年、2008年と年末に爆発的に売れてきましたが、2009年は、盛り上がりが小さく終わってしまいました。ただし、それは単純に他機種に市場を奪われたからではないことも明らかです。2009年年末に大ヒットタイトルのなかったDSは、年末ヒットソフトに恵まれたWiiと比較すると、お客様に注目していただけなかったのではないかと感じています。


先ほどまでのグラフは、第三者集計機関のデータを任天堂で集計して、全ヨーロッパのセルスルー数値を推定したものですが、ここからは、ソフトも含めたより詳しい分析のため、イギリス、ドイツ、フランス、スペイン、4ヶ国の第三者調査機関のデータを集計した形で、説明させていただきます。
ヨーロッパのハードの販売台数は2008年には大きく伸びたのですが、2009年は2007年とほぼ同水準にまで戻ってしまいました。アメリカと異なり、DSやWiiも、他の多くのプラットフォームと同じように販売台数が前年を割り込んでしまいました。



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