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2010年1月29日(金)第3四半期決算説明会
任天堂株式会社 社長 岩田聡 講演内容全文
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本日はお忙しい中、当社の決算説明会にお越しいただき、ありがとうございます。社長の岩田でございます。


まず最初に、第3四半期の決算について、その概要をご説明したいと思います。


売上高は1兆1,821億円となりました。前期と比較しますと大幅な減収となりましたが、これは、主に第2四半期までの減収が影響しており、第3四半期のみに注目いたしますと、前期の6,994億円に対して、今期は6,341億円となっています。第3四半期末までの期中の平均為替レートが、対ドルで9.28円、対ユーロで17.7円、前期に比べて大幅に円高に推移していることを考えると、ゲームビジネスで最も重要な年末商戦を含む第3四半期における当社のビジネスは、前期と比較し、大きな開きのない規模に回復したという手応えを感じております。また、営業利益は2,966億円と経常利益は、3,145億円となり、当期純利益は、1,926億円となりました。営業利益が前期と比較して大幅に減少しているにもかかわらず、経常利益・当期純利益の減少が小さいのは、前期には多額の為替差損が発生しましたが、今期は若干の為替差益が発生していることによるものです。


さて、11月までは、当期のWiiの販売ペースが前期と比較して大幅に落ちていましたので、今日は、まず最初に、日本、アメリカ、ヨーロッパの主要国の市場で、12月に何が起こり、最終的に2009年全体のビジネスがどうなったのか、ということからお話ししたいと思います。


まず、日本の市場からです。


こちらは、日本市場の昨年10月以降直近までの各週の据置型ハード販売数の推移を、2008年と2009年で比較したものです。
昨年の年末は、『Newスーパーマリオ』が発売された12月1週目から、Wiiハードの販売が急激に伸びました。『Newスーパーマリオ』が本体を牽引したことは誰の目にも明らかですが、それだけでなく、『Wii Fit Plus』、『Wii Sports Resort』、『ポケパーク』、『戦国無双3』、『テイルズ オブ グレイセス』、『太鼓の達人』、『桃太郎電鉄』など、テイストの異なるタイトルが複数、年末に揃ったことで、「遊んでみたいソフトが複数あるし、前々から興味があったWiiを買おう」という、いわゆる「合わせ技一本」的な形でご購入いただいたケースが多かったのではないかと分析しています。以前からお話ししているように、Wiiでは、世帯あたりユーザー数が多く、いろいろな方にアピールする多彩なソフトが揃っていたことによって、家庭内で楽しむための合意形成をしていただきやすい状況が生まれていたことがポイントとして挙げられるのではないかと思います。
2009年通年のWiiの販売数は、残念ながら、年の前半の不調のため、2008年実績に対して3割以上落ち込んでしまいましたが、12月だけを集計すると、ハード・ソフトとも過去3年で最高の販売数になりました。このWii市場の伸びは、私たちの事前の予想を上回り、結果的に、『Newマリオ』は発売から年明けまで品不足が続き、年末年始商戦では、Wii本体やWiiリモコンも品切れ店舗が多く出てしまうなど、お客様にご迷惑をおかけしてしまい、大きな反省を残す結果となりました。
また、この推移を見ていただくと、WiiとPS3が単純に市場を取り合うという関係ではない構造になっていることも、併せておわかりいただけると思います。


一方、こちらは、同時期の携帯型のハードの販売推移です。日本市場では、ニンテンドーDSが本格的に普及してからは、据置型ゲームよりも携帯型ゲームが市場の中心として大きな存在感を持つ状況が続いていましたが、昨年末の商戦に関しては、据置型ゲームに大きなヒット作が続いて、据置型ゲームに注目が集まったこともあり、携帯型の市場は全体的に盛り上がりに欠ける年末商戦となりました。


昨年11月、DSシリーズにサイズバリエーションを提案した大画面モデル「ニンテンドーDSi LL」を発売しました。
順調な立ち上がりができたと考えていますが、LLには、特に25歳以上のお客様において、実際に手に取られて画面の大きさや質感を実感していただくことで、さらなる拡販の可能性があることもわかってきました。
先ほど申し上げたように、年末商戦は、据置型ゲームに注目が集まったこともあり、LLの価値が、お客様に十分ご理解いただけるまで行き届いた、という手応えには達していません。これからは、よりLLの魅力を実感していただくための活動を進めることで、ニンテンドーDSシリーズのさらなる普及を図りたいと考えています。


これは、年間を通じた各ハードの販売数の推移です。
任天堂プラットフォームでは、Wiiが3割強の減少、DSは前年に対して若干ですが増えています。2009年全体としては、年の前半にヒットソフトに恵まれず、ゲーム市場全体が冷え込んだこともあって、前年実績を下回る結果となりました。


ハード市場全体を3社のハードメーカー別のシェアの推移で見ますと、 これは意外に思われるかもしれませんが、任天堂プラットフォームのハードシェアは前年に対して僅かですが増えています。


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