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2010年5月7日(金)第70期 決算説明会
任天堂株式会社 社長 岩田聡 講演内容全文

また、DSでは、今期1,000万本を超えるソフトは出ませんでしたが、『ポケットモンスター ハートゴールド・ソウルシルバー』は、昨年9月に日本で、今年3月にアメリカやヨーロッパで発売され、今年3月末までに世界で840万本を販売しており、今後も楽しみなソフトになっています。


また、全世界の出荷ベースで100万本を超えたDSタイトルは、今年3月末までの累計で、任天堂・ポケモンのタイトルが8タイトル増えて45タイトル、ソフトメーカーさんのタイトルが15タイトル増えて69タイトルとなりました。


Wiiについても、全世界の出荷ベースで100万本を超えたタイトルは、今年3月までの累計では、任天堂・ポケモンのタイトルが4タイトル増えて22タイトル、ソフトメーカーさんのタイトルが21タイトル増えて57タイトルとなりました。

ヒットの例としてソフトメーカーさんからの例も挙げたいので、ソフトメーカーさんのWiiタイトルの中で、非常にユニークな販売推移となっている、


先ほどお話ししましたUbisoftさんの『JUST DANCE』というソフトをご紹介したいと思います。
このソフトは日本で発売されていません。左がヨーロッパ版のパッケージ、右がアメリカ版のパッケージです。
どんなソフトかご存じない方も多いと思うので、Ubisoftさんから借りてきた動画をご覧ください。


ご覧のように、リモコンを持って音楽に合わせて踊るというソフトです。


Ubisoftさんは、パリに本社がある会社ですから、まず地元であるヨーロッパの販売推移からご覧ください。

これは、『JUST DANCE』のヨーロッパでの販売推移を、GfKさんの7ヶ国分の販売データを任天堂で集計してまとめたものです。

このソフトは、昨年11月末に発売されたときには、初週には1万本以下しか売れませんでした。このソフトの魅力が、時間と共に広がって、ご覧のように100万本を超えて、発売から5ヶ月経ってもほとんど変わらないペースで売れ続けているというところが、非常にユニークな販売推移になっていると思います。


次にこれはアメリカでの販売推移です。これは、NPDグループが発表している月次データから『JUST DANCE』の販売推移を抜き出してまとめたものです。このソフトはアメリカでは、昨年11月17日に発売されているのですが、11月の販売数は、2週間で1万本以下と、ヨーロッパ以上に初動では、ほとんど動いていませんでした。
いわば、事前の期待あるいは初動は、まったくと言っていいほど盛り上がっていないソフトだったわけです。それが今では、100万本を超え、年末商戦期が終わっても、その後もほとんど変わらないペースで売れ続けているわけです。


かつて海外の市場では、日本と比べてソフトが長期間安定して健全に売れると言われていたのですが、最近の多くの大作ソフトの販売推移を見ていると、初週に派手な数字が動くんですけど、あっという間に動きが止まってしまう、寿命が非常に短いソフトが増えているように感じています。そうなると、初週販売数だけでソフトの価値を判断してしまうことも起こりやすくなります。
任天堂がゲーム人口拡大に取り組む中で、ニンテンドーDSの『脳トレ』や『nintendogs』、あるいは先ほどの『マリオカート』や『Newスーパーマリオ』もそうですが、あるいはWiiの『Wii Play(日本名:はじめてのWii)』や『Wii Fit』そして、今日お話しした『マリオカートWii』など、長期間売れ続けるソフトが生まれてきました。ゲーム人口拡大で新たにDSやWiiで遊んでくださるようになったお客様の中には、ソフトがいつ発売されたのか、どれが新作で、どれが定番なのかは、まったくご存じない方もたくさんおられます。任天堂では、DSやWiiの展開の中で、そのことを意識しながら、ソフトの販促展開をしてきました。任天堂プラットフォームで結果を出しているソフトの多くは、いわゆる初動型ではなく、長く売れ続けるソフトが多いと思います。例えば『脳トレ』の日本での初週販売数は5万本以下でしたし、最近の例では『トモダチコレクション』は初週10万本のソフトが300万本を超えて売れ続けているわけです。
今日ご紹介したように初週1万本に満たないソフトが、このような結果になったことには、私は非常に大きな価値があると思っています。ほかにもこういう例をソフトメーカーさんと一緒に生み出していくことが、これからの任天堂にとってますます重要になってくると考えています。


さて、次に、今後の展開についてのお話をさせていただきたいと思います。


まず、3月23日に発表しましたように、ニンテンドーDSiを含むニンテンドーDSシリーズ用ソフトもお楽しみいただける互換機能を持ち、メガネなしで3D映像、いわゆる裸眼立体視映像によりゲームが楽しめることを特徴とする、ニンテンドーDSに次ぐ新しいハード、ニンテンドー3DSを今期中に発売することを計画しています。
おそらく、皆様が本日最も多くのことを訊きたいと思っておられることだと思いますが、このハードについては、今年6月15日からロサンゼルスで開催されるE3で披露させていただきますので、本日は、ご質問にはお答えできないことをご容赦いただきたいと思います。



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