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2010年5月7日(金)第70期 決算説明会
任天堂株式会社 社長 岩田聡 講演内容全文
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おはようございます。
本日はお忙しい中、お集まりいただきありがとうございます。


まずはじめに、第70期の実績についてお話しします。


第70期、2010年3月期の連結売上高は1兆4,343億円で、前期に比べ22%減少しました。営業利益は3,565億円となり、前期に比べ35.8%減少しました。売上高や営業利益の減少の背景については、後ほどご説明いたします。経常利益は、3,643億円と18.8%減少となりました。営業利益に比べて経常利益の減少率が小さいのは、前期途中から特にユーロ円の為替レートが大幅に円高に振れたことによって、前期に発生した外貨建て資産の評価替えなどによる為替差損が、今期はほとんど発生していないことによるものです。この結果、当期純利益は、2,286億円となりました。


では、売上高が減少した背景について説明させていただきます。これは、主要ハード・ソフトの今期販売実績を前期と比較したものです。
今期が減収となった主な要因としては、

  • 主に日本とアメリカ以外の地域、特にヨーロッパでのDSのハード・ソフトの販売数が減少したこと。
  • 昨年前半のWiiのソフト不足により、Wiiビジネス全体が一旦勢いを失い、期の後半に主力ソフトを続けて投入することで年末商戦では勢いを取り戻すことができましたが、通年でWiiハードの販売数が前期に比べて減少したこと、また、昨年秋にWiiハードの値下げを行ったこと。
  • 期中の平均為替レートが前期と比較して円高に振れ、海外売上(今期は84.1%)を円換算した際に、売上が約1,100億円マイナスとなったこと。(前期の期中平均レートは、$1=¥100.54 €1=¥143.48、今期の期中平均レートは $1=¥92.85 €1=¥131.15)

ということがあります。
また、営業利益が減益となったのは、売上高が減収となった要因と同様に、Wiiハードの値下げや期中の平均為替レートが前期と比較して円高に振れたことが主な要因となっております。


第70期のハード・ソフトの販売実績を、昨年10月の中間決算発表時に業績予想を修正した際の販売予想数、Wiiソフトについては今年1月の決算発表時に昨年10月から12月までの期間にハードと同梱して販売したソフト販売本数を加えて発表した販売予想数と比較しますと、DSハードにおいて、差がすこし大きくなっています。DSハードについては、日本・アメリカについてはほぼ想定通りで推移しましたが、ヨーロッパにおいて期待していた今期後半のDSハードの販売が、私たちの想定通りには推移しなかったことが影響しています。一方、Wiiについては、年明け以降は、Wiiハードやバランスボード同梱の『Wii Fit Plus』 などが品薄になる状況が生まれるという誤算はありましたが、 ハードについては、昨年秋以降の私たちの想定に沿って推移したと言えます。Wiiソフトについては、数字だけを見ますとほぼ業績予想時の想定通りであるように見えますが、私たちは、業績予想時にはハード同梱分は含めずに販売予想数をお話ししておりますので、同梱ソフト分を考慮すると、想定を若干ですが下回ることとなりました。


それらの理由により、第70期実績は、昨年10月の中間決算発表時に修正した業績予想に対して、それぞれの数字が未達となりました。


これまでもご説明してきたとおり、当社は、連結営業利益の33%または連結配当性向の50%の高い方を選択して配当総額を決める配当方針を掲げております。
今期は、連結営業利益の33%を選択した方が配当額が高くなりますので、これに基づき1株あたり930円の年間配当を予定しております。既に270円の中間配当をお支払いしておりますので、期末配当は1株あたり660円となります。これを今期の株主総会にお諮りし、総会で決議の上でお支払いしたいと考えています。


この場にお集まりの皆様の関心は、過去のことではなく今後のことではないかと思いますので、年明け以降の足下の状況についてお話ししたいと思います。


まず、日本の市場からです。


こちらは、日本市場の年明け以降直近までの16週間の各週の据置型ハードの販売数の推移を、昨年と今年で比較したものです。
Wiiは昨年年明け以降春にかけては、極端に勢いが失われていた状況でしたが、今年は、昨年の年末に『New スーパーマリオブラザーズ Wii』が発売されて以来は、Wiiの勢いが持続していますので、昨年より健全な状態で推移したと考えています。


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