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2014年6月27日(金) 第74期 定時株主総会
質疑応答
Q 16  質問に先立ち、昨年亡くなられた山内前社長のご冥福をお祈りさせていただきます。いろいろと楽しいゲームを提供していただきありがとうございました。また、岩田社長の一日も早いご回復をお祈りさせていただきます。
 岩田社長は大変誠実な方だと思うが、あまりにも誠実すぎて、会社がこういう事態になったときにすべてのことを自分一人で受け入れようとしすぎているのではないか。そういうことから今回ご病気になってしまったのではないか。先入観かもしれないが、宮本専務などはよい意味でひょうひょうと物事をうまく受け流すことができるように思うので、岩田社長にもそういうところを伝えて、もっとよい社長になってほしい。
A 16

竹田:

 大変貴重なアドバイスをありがとうございます。岩田ともそうした点についてはざっくばらんに話をしていきたいと思います。

Q 17  エンターテインメント業界や娯楽の業界に浮き沈みがあるというのは理解できるし、今難しい時期を迎えているということもわかるが、これは今まで起こってきた波の一部なのか、それとももっと大きな波なのか。ほかの娯楽産業では、例えば映画の衰退というものが1950年代、1960年代を過ぎてからあって、心ある映画人たちは作品によってそれを止めようとした。今の任天堂やそのコンソールゲームの不調について、例えば「スマートフォンのせいだ」として意見をされる方もおられるようだが、そうすることで任天堂が良くなると思えるアドバイスは私には見受けられない。任天堂自身は、このことについてどう考えているのか聞かせてほしい。
A 17

竹田:

 大変難しい問題であり、簡単な解決策があるとは考えていません。そういう意味では大きな波の一つだと私は考えています。そのことを経営陣の中でいろいろな形で議論をしながら、その中で答えを見つけていこうと思います。また、いわゆる時代の先を進んでいる業界、映画、その他のメディアというのも参考になる点があるのではないかと思っています。私はハードを中心に見ている経営者ですが、長い間ソフトウェアというかコンテンツ業界を見ている宮本のほうから、彼の印象を説明してもらいます。

宮本:

 (Q16で「宮本はひょうひょうとしている」というご意見があったことに対して)私も、一応、結構心労はたまっています。岩田は私にとっても非常に頼りになる社長ですので、一緒に歩んでいきたいと思っています。

 株主様が今おっしゃった点は本当に大きな問題で、それが解ける方なら誰でも開発者になれるというぐらいのものです。竹田も申しましたとおり、映画などのメディアの先人に習うということは非常に大事かと私も思っています。先ほど(のE3関連の発言で)お話しさせていただきましたが、展示されるゲームの種類が多くみえないことや、同じ方向性でのゲームづくりが多いといったものは、我々ゲーム業界のクリエーターたちのクリエイティブの未熟さの表れではないかと思います。昔、「娯楽の業界というのは一強皆弱だ」と前社長である山内がよく申していました。これは決しておごった話ではなく、娯楽の世界では「他に類を見ないものをつくったら、みなさんそれしか買わないわけで、それ以外のものはいらなくなる。だから、娯楽は自動的に一強皆弱になるジャンルである」という意味です。その中で食べていこうとすると、その一強に倣おうとする者が多くなるのは常です。今、デジタルコンテンツというのは、ちょっと危険な発言かもしれませんが、創造性がまだまだ未熟であると、私自身はそう思っています。漫画や映画の世界には幅広い創造性を考えている人たちがおられますが、その中で(ゲームというデジタルコンテンツを提供している)私たちはまだまだ過渡期にあって、これからクリエイティブの本質を広げていく、豊かにしていく段階にいると思います。その豊かさを失わないように任天堂を運営していけば、いつか独占的な娯楽がつくれると信じています。また、たくさんの(メーカーさんの)中で一強になるのは非常に難しい状況の中で、同じハードウェアの上で戦うというのはフェアで良いとも考えられるのかもしれませんが、私たちにとっては、ハードウェアを含めた新しい仕組みをつくってご提案していくほうが大きなメリットがあります。その強みを捨てずに、独自のものを開発して進めていきたいと思いますので、ご支援のほどよろしくお願いします。


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