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2014年6月27日(金) 第74期 定時株主総会
質疑応答
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Q 1  任天堂の株主総会では、開会前に注意事項が会場内のスクリーンに表示されるが、他社の株主総会などに出席すると、こういった画面上で会社の特徴などを説明したり、CMを流すところもある。株主総会の直前にちょうどいつもE3が開かれているので、その様子を紹介してもらえると非常に助かる。近年、任天堂は業績がよくない状態が続いているが、特に海外のお客様が当社の提案にあまりついてきていないように思える。日本国内にいると海外のお客さんの様子がわからないので、特にE3の試遊台などで遊んでいる海外のお客さんの反応などを、たくさんの株主が集まる株主総会の場でぜひ紹介してほしい。
A 1

専務取締役・統合開発本部長 竹田 玄洋(議長):

 株主様からご説明がありましたように、ちょうど6月10日からアメリカのロサンゼルスでE3というゲームの世界で一番大きな世界的なショーがありました。ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、一度ビデオでその内容をみなさんに見ていただきたいと思います。(会場でE3のビデオを上映)

 よい機会ですので、ちょうど出張して参加してきた開発の宮本から説明させていただきたいと思います。

専務取締役・情報開発本部長 宮本 茂:

 E3は先々週終わったところで、ロサンゼルスで5万人ぐらいを集めて開かれました。E3は流通パートナーやマスコミ等向けのトレードショーで、一般の方向けのショーではありません。その中で約5万人というのは、かなりの人数です。この中で任天堂はいつものようにさまざまな発表を行いました。

 先ほどご覧になった映像にもございましたが、今年はWii U向けでは『大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U』を発売します。すでに『マリオカート8』を発売しておりますが、『大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U』につなげるというのが今年の大きなWii Uの流れです。そして『Kirby and the Rainbow Curse(カービィのシリーズ作)』、『Mario Party 10(マリオパーティの新作)』、『Captain Toad: Treasure Tracker(進め!キノピオ隊長)』などさまざまな対応ソフトを発表しました。先ほどのビデオで紹介されていた『Splatoon(スプラトゥーン)』というゲームはペンキを撃ち合うゲームです。アメリカでは、撃ち合いをするゲームが多いのですが、このゲームは2チームに分かれてペンキを塗り合うというもので、結構話題を集めました。社内の若手を中心に開発をしておりまして、若い人たちがつくった新しいものが評価されて、非常に喜んでいます。

 私は何をしたかと言いますと、今、『Wii U GamePad』の有用性をみなさんに理解してもらうということを中心に取り組んでいますので、「『Wii U GamePad』を使って遊ぶとこんなに面白い」というゲームを実験作を含めていろいろと紹介しました。例えば、『Wii U GamePad』を持って腕を動かすことでロボットの上半身を操り、相撲のように倒し合いをする『Project Giant Robot(仮称)』や、『Project Guard(仮称)』という、守衛所のように12台のカメラの映像が一画面に映っていて、操作する映像を順番に切り替えながら迷路に入ってくる敵を撃退するゲームなどを紹介しました。そして、子どもたちを招待したイベントで、『Mario Maker(仮称)』という『スーパーマリオ』のコースを自分でつくって遊べるというゲームを、『Wii U GamePad』を活かした例として紹介しました。

 昔のE3ですと、集まったメディアの方たちがそれぞれの媒体で紹介するというのが主な情報発信の方法でしたが、例えば先ほどの映像は当社のホームページで常に流しているものであり、現在ではお客様に直接情報を発信することも積極的に行っています。他にも「Treehouse Live」という、開発者が出演してゲームの情報を提供するオンライン番組をE3期間中ずっとE3会場の当社ブースから放送して、それをTwitch等の新しいゲームの映像チャンネルやYouTube等でご覧いただきました。当社がE3初日朝に放映した「Nintendo Digital Event」には、400万から500万のビューがあり、E3関連の映像の視聴回数の総数は何千万というビューに広がりました。ですから、E3の参加者だけを対象としたイベントではなくて、インターネットを通して世界中のかなりたくさんの方々に見ていただきました。

 それから、Wii Uというのはリビングのテレビにつながっているととても便利な機械として設計してきましたが、まだなかなか(そういった魅力を)ご理解いただけていないということがあります。また、まだあまりソフトがそろっておらず、システムも素早く起動しないといった問題もありましたが、システムについては、6月3日に新しいシステムを配信しており、この新しいシステムにWii U本体を更新していただくと、以前よりもかなり素早くWii Uが使えるようになります。また、これに合わせて『ピクミン3』で新しい操作方法を提供するなど、いろいろな努力をしています。

 今回お見せしました『Project Giant Robot(仮称)』や『Project Guard(仮称)』は、周りで見ている人が遊んでいる人を応援したり、12台のカメラの何番のカメラに敵が来ているとアドバイスしたりというように、周りの人も楽しむことができます。これが実は社内でも結構盛り上がっていまして、リビングで遊ぶWii Uというゲームは「遊んでいる人だけでなく周りにいる人も面白い」という、家族で使っていただけるとても良い機械であるということをアピールしてきました。E3にはたくさんの会社さんが展示をされますが、主にマイクロソフトさん、ソニーさんと任天堂がどうなのかということを比べられる場でもあります。今回、他社さんが出展されたものは、銃を撃って血が出るという結構殺ばつとした世界、本格的でかっこいい世界とも言えるのですが、そういった世界を舞台としたものが大半でした。多くのみなさんがそういうソフトを作って競争されるので、ほとんどのタイトルがそう見えてしまう中、任天堂はとても異色で、「多彩なソフトがそろっている」とか「安心できる」といったご評価をいただきました。そういう意味で、E3は他社とはっきりと差別化できた良いショーになったと思います。

取締役・企画開発本部長 高橋 伸也:

 宮本から大枠の説明がございましたが、海外のお客様に関して特別に何かということでは、『amiibo(アミーボ)』というNFC(「Near field Communication」の略で近距離無線通信機能)チップを埋め込んだフィギュアへの反響があります。西洋では、フィギュアを使ったビデオゲームというのは非常に大きな市場がありまして、その意味もあって北米では非常に期待をされています。これから任天堂のキャラクターIPを使った新しい戦略の中の一つであるこの『amiibo』を好意的に受け入れていただいたことは大きかったと思います。

Q 2  最近、株主優待が非常に人気がある。特に個人株主というのは基本的に任天堂さんのファンだから株を持っているわけなので、何か任天堂関連のものをいただけると非常にうれしい。もちろん、ハードウェアのような原価率の高いものはあまりよくないと思うが、以前クラブニンテンドーの景品になった『チンクルのバルーンファイトDS』や『GAME & WATCH COLLECTION』のようなソフトウェアをいただけないか。
A 2

常務取締役・経営統括本部長 兼 総務本部長 君島 達己:

 株主優待については、当社では今のところ準備をしておりません。株主の皆様に利益還元する方法は研究を重ねていますが、今のところは配当で対応させていただきたいと考えています。確かに、当社はあらゆる方に楽しんでいただけるゲームのハードやソフトを販売していますので、そうしたものを株主優待としてご用意することも考えられます。ただ、その場合、株主優待の実施にコストがかかりますし、また、例えば私たちがご用意したものをすでに持っておられるとか、法人の株主の方にとっては、そういうものをあまり喜んでいただけないということもございます。むしろ株主優待の代わりに配当金を増やしてほしいとおっしゃる方もいらっしゃいますので、今のところは配当金がふさわしいのではないかと思っています。これからも引き続き検討させていただきます。

Q 3  Wii Uの新作『ゼルダの伝説』の次の情報はいつ出るのか。来年のE3より前に出るのか。
A 3

宮本:

 株主総会という特別な場ではありますが、やはり正式に発表していること以外は申しあげられません。申し訳ございません。現在、いくつかの『ゼルダの伝説』シリーズのタイトルを作っていますので、楽しみにしていただけたらと思います。

 E3でもお見せした『無双シリーズ』とタイアップした『ゼルダ無双』は、比較的アクションゲームに近い、(敵を)バサバサと切り倒していくゲームで、(プレイヤーが)いろいろなキャラクターを使えることや、爽快であるということで、E3の際にはかなり好評をいただきました。

 それから、正統派の『ゼルダの伝説』シリーズの次のタイトルをWii U向けに現在開発中であることはすでに発表していましたが、本作が、「オープンワールド」として開発している旨もE3時に発表しました。一般に言われている「オープンワールド」という名前を使って開発するのは私はあまり好きではないのですが、(お客様に)ご理解いただきやすいのでこのように呼んでいます。これは、大きな世界があって、その中で日々いろいろなことができるというものです。従来の『ゼルダの伝説』シリーズは、「ダンジョンを一つずつ順番に遊んでいく」というものでしたので、例えば8つのダンジョンがあって、4番目のダンジョンになると「ああ、半分終わったのか」、人によっては「ああ、まだ半分遊ばないといけないのか」とお感じになったかもしれません。そうした仕組みを徐々に崩していこうとしており、『ゼルダの伝説』らしい遊びを広い場所で自由に楽しめ、時間の合間を見つけて遊べるというスタイルのゲームを開発しています。

 そのちょうど中間の段階にあるものとして、『ゼルダの伝説 神々のトライフォース2』をニンテンドー3DSで(昨年)発売しました。従来の『ゼルダの伝説』シリーズは、「一つのダンジョンを進むたびに新しいアイテムを一つもらって、そのアイテムを使ってそのダンジョンをクリアし、アイテムが8つぐらい集まるとかなりいろいろな応用が楽しめるようになってくる」というもので、お客様が理解されるステップに合わせて、遊んでいただきやすく作ってきましたが、『ゼルダの伝説 神々のトライフォース2』ではそれを崩し、最初からいろいろなアイテムをレンタルできるようにし、いろいろなアイテムを組み合わせて遊ぶことができるようにしました。このように、徐々に『ゼルダの伝説』シリーズの構造を変えてきておりまして、Wii U(の『ゼルダの伝説』)でも新しく展開していくための準備をしています。それ以外にも、まだ発表していないニンテンドー3DS向けのアイデア等もありますので、期待していただきたいと思います。

Q 4  E3で発表された『Splatoon(スプラトゥーン)』はゲームファンから非常に評判がよいようで、「やっぱり任天堂はすごい、任天堂は大丈夫だ」と一ファンとして思ったが、株価についてはまだまだ満足のいくものではないので、その部分では頑張ってほしい。任天堂の経営方針としてぶれてほしくない部分もあり、今のいわゆるソーシャルゲームのようなビジネスはしてほしくはないが、最近の小さい子どもたちは、家族のお下がりのスマートフォンを使って無課金で無料ゲームを遊んでいることが非常に多い。これからiOSやAndroid、ブラウザゲーム等は無視できないと思うが、任天堂はこれらをどの程度研究し、どう向き合っていくのか。
A 4

高橋:

 スマートデバイスの進歩や普及に対してどのような準備をしているかについてお答えします。任天堂はこれまで、ビデオゲームの事業において、携帯型ゲーム専用機や(ご家庭の)テレビモニターを使った独自の娯楽を展開してきましたが、同じく人々の生活スタイルに深く密着するスマートデバイスについても積極的に活用してまいります。具体的には、現在スマートデバイス向けのアプリを開発しており、このアプリを通じて任天堂のハードをお持ちでない方も含めて、世界中の多くのお客様とつながりをつくり、そこから任天堂の娯楽の魅力をお伝えしたいと考えております。

Q 5  先日PTAの集まりに行ったところ、集まりの後で、現在の任天堂のゲーム機の画面について、「引っ張ったら縦横に倍ぐらいの大きさになったらいいな」という話を聞いた。子どもにとっては迫力が増すだろうし、親が子どもの目を心配しての意見でもあると思う。また、カジノ特区が政府で検討され、2020年の東京オリンピックに向けて始動するようだが、多くの人がカジノでの遊び方を知らないそうなので、遊び方やルール、特訓方法などを教えるソフトができたらよいのではないか。
A 5

竹田:

 貴重なご提案をいただきありがとうございます。お子様にとって適切な画面の大きさはどれくらいかといったことや、引っ張ると広がるといった夢のような画面も含めて、開発の内部ではいろいろと議論しております。
 また、カジノをどうするかは別としまして、私たちが得意とする「(お客様にとって親しみやすく、簡単に使っていただけるように)わかりやすく説明する」という点をさまざまな分野で展開していけるのではないかと考えています。参考にさせていただきたいと思います。


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