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先輩紹介2010
制作の過程を楽しみながらデザインしていく。歓声と拍手が沸き起こった瞬間は忘れられない。 制作部 田中 陽子 2006年入社 デザイン系
先輩紹介2010

田中さんはどのような仕事をしていますか?

制作部では、WiiやDSなどのゲームを制作しています。デザイナーには、地形やキャラクターの制作、ユーザーインターフェイス(画面のメニューの構成や配置など)やエフェクト(爆発や閃光などのゲーム中の特殊効果)のデザインといった仕事があります。役割はデザイナーによって固定されているわけではなく、新しいプロジェクトがはじまるときに、今までの仕事やこれからの仕事について相談する機会があって、そのときのデザイナーの仕事の混み具合や、適性なども踏まえて配属と役割が決まっていきます。慣れている仕事を次につなげていくスタッフが多いのですが、プロジェクトごとに役割が変わっていくスタッフもいます。私は入社以来、『マリオカートWii』、『Wii Sports Resort』の開発に関わり、キャラクターデザインを担当してきました。主に絵を描いてモデリングしたり、それにアニメーションをつけるような仕事です。最近では『ゼルダの伝説 大地の汽笛』で、地形の制作を少しだけお手伝いしました。

最初のプロジェクトが『マリオカートWii』だったんですね。

入社後にある約1ヵ月間のデザイン研修で、3DCGに関しての基本的なスキルは身につけることができましたが、私は学生時代、ほとんど3DCGの経験がなく、人体や風景画以外は描いたことがありませんでした。なので、最初に『マリオカートWii』のチームに配属されて、カートやバイクなど、メカニカルな乗り物をつくって欲しいと言われたとき、正直、自分では無理なんじゃないかと思いました。

そんな中、どのように仕事を進めていったのでしょう?

まずは、デザインを決めるためのスケッチからはじめていきました。社内にある資料室で図鑑を借りてきて、それを参考にしながら考えました。最初は、単に写真を模写しただけのリアルなカートやバイクを描いていて、どうアレンジしてよいかわからず、上司に見せても、「マリオが乗るクルマとしてデザインできていない」とやり直しになるばかりで…。でも、マリオが乗車したときの全体の見栄えを意識したり、キャラクターのイメージに合うデザインを考えていくうちに、カートやバイクといった乗り物も、キャラクターのひとつとして捉えるようになりました。例えば、実際のクルマよりも車体を縮めてボリュームを持たせ、タイヤやマフラーを強調したり、運転中に仕掛けが動くようにしたり、マリオシリーズの敵キャラや、乳母車など身の回りにあるものをクルマに改造したり…。そうしてアイデアを広げていくと、制作の過程を楽しみながらデザインを詰めていけるようになりました。

ただ、乗り物をキャラクター化するとは言っても、クルマの基本的な構造を知っておく必要があることも、そのときに学んだことのひとつです。「基本構造をわかった上でデザインしないと、クルマが好きな人に納得してもらえない」という指摘も受けていたので、ボディに隠れて見えないフレームの形や、エンジンの大きさをしっかりイメージしてスケッチしてから、3Dでデータを作成するようにしました。構造を理解しないままつくり始めると、デザインの辻褄が合わず、デフォルメしても崩れた形になってしまうんです。

最も印象に残っていることを教えてください。

『マリオカートWii』の開発終了間際のことだったんですけど、帰り支度をはじめていたら、突然「ロム出し(※1)、終わりました」という声が聞こえて、その瞬間、広い部屋いっぱいに歓声と拍手が沸き起こったんです。気がつくと、他のチームの人たちもいっしょに立ち上がって拍手をしていました。ゲームが完成したら、開発の仕事は静かに淡々と終わるものだと思っていたので、私はすごく感極まって、ちょっと泣きそうになったんですけど、必死にこらえて…。ところが同期のプログラマーの男の子を見たら、彼はすっかり泣いちゃって、「アナタが泣くから私も泣いちゃうじゃない」と(笑)。最後には彼をみんなで胴上げまでして、そのときの感動は今でも忘れられないですね。

※1「ロム出し」= ゲーム制作が終わって、ゲームデータを生産に回すこと。

また、ゲーム発売後に、自分のつくったカートがミニカーのような商品として発売されました。自分のつくったキャラクターがゲームになって、世界中の人たちの目に触れて、遊んでいただけることだけでも、すごくうれしいのに、キャラクターがゲーム画面から飛び出して、実際に手で触れることのできるおもちゃにまでしていただいて、予想もしていなかったご褒美をもらえたような気持ちになりました。そういったうれしい副産物がまれに得られることも、デザイナーの醍醐味だと思います。

どうして任天堂に入りたいと思ったのですか?

小学生の頃、スーパーファミコンの『マリオペイント』を遊んでいて、触ったときの感触がとてもよく、操作が簡単で、マウスで遊ぶというアプローチがおもしろいなあと思いました。そして自分も大きくなったら、任天堂でこういったモノがつくれるようになりたいと強く思うようになって…。最初はゲームの仕組みについて興味を持っていたので、プログラマーをめざして、高校時代は理系クラスで勉強していましたが、難しすぎて挫折しました。それでも、小さい頃の思いは諦めきれず、マンガを描くことが好きだったことを活かして、急遽、絵の勉強をはじめて、なんとか美大に入ることができました。

入学後は、アルバイトをしてマッキントッシュを買って、デジタルアニメを制作したり、映像や彫刻、ポスターやフライヤーを作ったりなど、手描き以外にもいろいろなデザインを経験していきました。絵の勉強をはじめるのは遅かったですが、その分、在学中にいろいろと何でもやってみようという意欲は強かったと思います。

入社して、イメージと違っていたことはありますか?

入社前は、みんなでガヤガヤと賑やかな環境でゲームをつくっているイメージを持っていたんですが、実際の制作部の作業場はとても静かな雰囲気です。開発終盤は、スタッフもデバッグ(※2)をするのですが、対戦プレイになるとつい勝負に走って盛り上がってしまい、他のソフトをつくっているチームから苦情が寄せられたこともありました。ですから、大人数のときは会議室などをデバッグ部屋として使用することもあります。開発状況の異なる、いろいろなチームがそれぞれのソフトを真剣に開発していて、ときにはピリピリすることもありますから、他のチームに対する気遣いも必要ですね。

※2「デバッグ」 = ゲームに不具合がないか確認する作業。

仕事を通じて成長できたことと今後の目標を教えてください。

入社当時はデータをひとつ作成するのにも、何度もチェックとやり直しが必要でしたが、『Wii Sports Resort』以降では、自分の担当箇所も増えて、比較的自由にデザインさせてもらえるようになりました。アニメーションでは、多種にわたるスポーツの激しい動きから、オープニング画面用の気負いのない動きまで、さまざまなバリエーションを扱うことができたので勉強になりました。
日々の作業の中で気がついた成長は、素材に自分の個性を上手く絡めることができたキャラクターがゲームに出たときに、それをおもしろいと言ってもらえるようになったことですね。あとは、決められたポリゴン数(※3)や画像サイズと環境設定の中でも、データの見栄えを良くするコツがわかってきたので、スキル面での進歩を感じられるところがありました。

それから、どんなにきれいな絵を描いても、アイデアの良さや、どういった意図でそのデザインにしたのかが伝わらないと、ゲームに採用してくれないこともあるんです。ですから、ディレクターの意図をしっかり汲み取って制作することと、積極的に意見を交換できるコミュニケーション能力が必要で、仕事を通じてそういった力を伸ばせていると感じます。これは絵を描く以外のところで成長できた部分です。

※3「ポリゴン数」 = 3DCGで立体の面を構成する最小単位。この数が多くなるほど、モデルがなめらかになる。

私たちの部署では、デザイナーもプログラマーもサウンドも、職種に関係なくプランナーといっしょに企画を練り上げたり、アイデアをぶつけ合ったりできる土壌があります。ですから今後も、デザインという仕事の枠にとどまらず、みんなで協力してソフトのことを考え、よりおもしろく遊びやすくなっていくように、意見やアイデアを出し合って、ゲーム制作に貢献していきたいと思います。

ありがとうございました。



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ある日のスケジュール
AM 8:30

出社

AM 8:45

メールチェック
国内外から届いた、開発中ゲームのバグ報告リストのチェック

AM 10:00

デザイン業務(3Dモデリングや、テクスチャを描いたりなど)

AM 11:30

チーム進捗会議

AM 12:00

昼食(天気の良い日は近くの鴨川に持って行って食べることもあり)

PM 1:00

デザイン業務

PM 3:00

ラジオ体操
新しいROMの作成 日本版、海外版のゲームの動作確認

PM 4:00

デザインの修正
担当ディレクター、プログラマー、デザインチーフと打ち合わせ

PM 5:00

デザイン業務

PM 7:30

エージングして帰宅(開発中のROMを立ち上げたまま翌朝まで放置し、長時間の起動を検証する)

休日の過ごし方

社内には、部活動やいろいろな趣味の集まりがあります。夏はスキューバダイビング、冬はスノーボードを会社の先輩方と楽しんでいます。

 
理工系出身

環境制作部 稲葉 公崇

開発部 岩尾 敏明

ネットワーク開発部 小嶋 大起

制作部 高山 貴裕

製品技術部 池田 健一

デザイン系出身

制作部 田中 陽子

企画開発部 山崎 涼子

企画部 臼井 淳一

事務系出身

営業第一部 林 文彦

経理部 西村 佳苗

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