採用情報 > 先輩紹介2012 > 開発技術部 井上 文彦

採用情報

先輩紹介2012

先輩紹介2012 TOPページへ

多くの技術者とともに未知への挑戦。新たな楽しさ「3D写真」への試行錯誤。
所属する部署ではどのような仕事をしているのですか?
開発技術部では、ニンテンドー3DSなどの携帯ゲーム機本体や周辺機器を開発しています。部内には、ゲーム機本体に搭載するデバイス()や回路の設計をするグループ、それらを動かすためのプログラムを作成するグループ、ゲーム機本体の外観や説明書・パッケージ等のデザインをするグループ、機構設計をするグループ、開発プロジェクトの推進業務をするグループなどがあります。
職種も専門もまったく異なる人たちが協力して働いている部署ですが、みんながひとつの部屋にいるのですぐにコミュニケーションをとれる環境です。入社当初は、各仕事の担当者が想像以上に少ないことに驚きましたね。本当にこの人数でこれだけのモノを作っているのかと思ったことを覚えています。

※デバイス:CPUやメモリーをはじめとする、ゲーム機本体を構成する電子部品の総称。

井上さんはどのような仕事をしてこられましたか?
私は回路設計グループに所属し、ゲーム機本体に搭載するデバイスの仕様を考え、選定や開発を行い、最終的にそれを商品に搭載して動かすための回路設計や評価を行っています。
デバイスの選定は、商品の企画を受け、それを実現するためにどんなものを搭載すればいいかを考え、コストなどさまざまな制約を考慮しながら行っていきます。メーカー様とともに一から開発することもあります。そして、それらのデバイスが実際にきちんと動作するかどうかの評価も行います。評価にもさまざまな項目がありますが、たとえば電気的な評価でいうと、信号波形が正常動作する仕様の範囲内できちんと入出力されているかなどを確認します。
そこからさらに、すべてのデバイスを載せた形での試作を行って評価し、改善や修正をする作業を何回も繰り返しながら、最終的な商品に仕上げていきます。企画段階から量産段階まで、その商品の開発にかかわりますね。
写真イメージ私自身は、配属当初からカメラを担当するチームに入りました。当時はニンテンドーDSi LLとニンテンドー3DSが並行して開発されている時期で、ニンテンドーDSi LLの開発でカメラ関連の評価業務を一通り覚えながら、ニンテンドー3DSに搭載するカメラの仕様を検討していました。
ニンテンドー3DSには、ステレオカメラと言って3D写真を撮るためのふたつのカメラが横に並んでついているのですが、カメラがひとつだけなのとふたつあるのとでは技術的に要求されるレベルが大違いだったんです。これまでに挑戦したことのない未知の要素が多く、かかわる全員にとって初めてのチャレンジだったので、さまざまな実験を行いながら開発していきました。
たとえばふたつのカメラの位置関係が少しでもずれていたら、撮影した画像もずれて表示されてしまい、きれいに立体的に見えないんです。どうすればこの問題を解消しつつ量産段階での不良品を少なくしていけるのかなどを、カメラを製造していただくメーカー様とともに話し合っていきました。また、3D写真の見え方についてはハードウェア側の調整だけではどうしても限界があったので、部内のカメラのソフトウェア担当者をはじめ、他部署や社外のソフトウェア開発者とも協力して、補正する方法を同時に探っていきました。このときは、日本だけでなく海外の技術者の方とのやり取りもあったので、それまでの業務では英語を使う機会がそれほど多くなかったのですが、少しでも迅速にプロジェクトを進めるために、直接英語や数式でやり取りすることもありました。
当初は、このステレオカメラを実現するのは難しいだろうという声も多かったのですが、多くの方にご協力いただいたおかげで、無事に搭載できたときには本当に達成感がありました。当時協力していただいた社外の方からも、「あの仕事は楽しかった」と言っていただけて、みんなで新しいことにチャレンジできた経験は自分にとって本当に財産になっています。
また、E3()や東京で行ったお客様向けのニンテンドー3DS体験会にも参加しましたが、自分たちの手で開発してきたものをお客様が手にとり、驚いてくださっている顔を見ると本当に頑張った甲斐があったなと感じました。当時は新人だったのでわかりませんでしたが、振り返ってみると、あれだけ多くの方が参加するプロジェクトだったにもかかわらず開発をスムーズに進められていた先輩たちの力は大きいな、とつくづく感じましたね。

※E3(Electronic Entertainment Expo):年に1度米国内で行われるビデオゲームの発表展示会。

どのような学生時代を過ごしましたか?
写真イメージ昔から映画が好きで、将来、なにか新しいエンターテインメントやメディアを作る仕事に、技術の立場から携われたらと漠然と思っていました。特にSF映画に出てくるような裸眼で楽しめる立体ディスプレイを実現したいと思っていたので、その研究ができる大学を選び、実際にその研究をしました。また、大学院では同じ物理の分野ではあるのですが、量子光学の研究をしました。真空中でたった1個の原子を捕まえて、精密に制御されたレーザー光をその原子に当てるんです。そして、そのときの原子の量子状態を観測するといった実験をしていました。レーザー光を当てられた原子は自ら光るのですが、そのわずかな光を捉える特殊なカメラも作ったりしました。実験自体は精密さが求められる非常に複雑なものだったのですが、たった1個の原子が真空中で静止して光っている現象をカメラで見ると、それは究極的にシンプルで美しく、むしろアートのようでとても感動したんです。考えてみれば、自分の手でそういうものを作ったのも生まれて初めてでした。そのとき、裏側にどんな複雑な仕掛けがあろうとも一瞬でその美しさや楽しさが伝わるもの、そういうものを社会に出ても作れたらと強く思ったんです。そう考えたときに、シンプルで誰でも直感的に楽しめるエンターテインメントとしてWiiやニンテンドーDSが頭に浮かび、任天堂を志望しました。今から思えば、大学でやった立体ディスプレイも特殊なカメラも、ニンテンドー3DSに不思議と繋がっていたなと思っています。
入社して、イメージと違っていたことはありますか?
入社前からWiiやニンテンドーDSを作った人たちがどんな人たちなのか興味がありました。新しいことに対する感覚の鋭い人たちを想像していましたが、実際に会ってみるとそれだけではなく、よい意味で"普通"の感覚を持っていて、ユーザーに近い感覚で「何が楽しいか」ということを突き詰めて考えている人たちでした。しかも、それを実現するための地道な努力をいとわない。それは品質面でも同じですね。たとえば、任天堂の商品は何百万台と生産されるので、わずかにでもエラーがあると、数万という単位で影響が出てしまうんです。なので、先ほどの評価業務にしても、非常にシビアな基準で多くの地道な作業を積み重ねていかなければいけません。たとえユーザーからは見えない部分でも本当に手を抜けないということは強く感じますね。それでもみんなよいものを作りたいという共通認識があるからこそ、協力してコツコツとやっていけるんだと思います。
入社して成長できたと思うことと、今後の目標を教えてください。
ニンテンドー3DSのカメラ開発では、社内外を問わず、技術者として本当に素晴らしい方々と仕事をすることができ、専門知識だけでなく、仕事の進め方や仕事に対する姿勢などを勉強させていただきました。非常に大きなプロジェクトを経験し、仕事とは一人でやるものではなく、みんなで苦労を共にしながらやっていくものだと実感できましたね。今は、新しいプロジェクトのために調査や研究、情報収集も行っています。お客様によいものを提案するためには、あるデバイスの部分だけを考えるのではなく、商品全体としてよいものにするためにそのデバイスをどうすればよいか、という視点を持つことも大事だと思います。ですので、もっと視野を広く持って開発できるようになりたいですね。また、今あるものの延長線上だけで考えていても面白いものは作れないと思うので、まったく新しい面白さを見つけて、提案できるようになっていきたいです。そのためにはまだまだ実力も経験も乏しいので、一緒に仕事をしている方々を見習ってスキルアップしていきたいですね。

ある日のスケジュール

AM8:00
出社
AM9:00
プロジェクトミーティング
AM11:00
現在の課題に関して
チームの先輩と相談、
メーカー様に提出する資料作成
AM12:00
食堂で同期と昼食
PM1:00
来客、新しい技術等の紹介
PM3:00
カメラ評価のための撮影、
評価結果の解析・レポート作成
PM5:00
製品技術部の担当者と電話でやりとり
PM6:00
チームの先輩と
新技術についてあれこれ話す
PM7:00
メーカー様からいただいた資料や
データのチェック・返信
PM8:00
日報を提出して帰宅

休日の過ごし方

写真イメージ

毎年夏に同期とキャンプに行っています。毎回かなりの人数で行くので、みんなで仕事を分担して協力し合っています。

このページの一番上へ