アプリを世界の共通語にするために

国によって異なる受け取られかた

私は、所属するスマートデバイスプロモーショングループで、文字どおり任天堂が配信するスマートデバイス用のアプリを、より多くの人たちに楽しんでいただくためのプロモーションを企画し、実行する仕事をしています。マーケットは国内だけでなく、アメリカやヨーロッパにも及ぶため、現地にある子会社と連携をとりつつ、どうすればそのアプリの魅力を世界中のお客様に伝えられるかということを考えながら、日々の業務に取り組んでいます。


以前、私は別のアプリデベロッパーで仕事をしていました。数年のアメリカ勤務を経て、ご縁があって任天堂で働くことになったのですが、最初に担当したのが『どうぶつの森 ポケットキャンプ』でした。このアプリは思い通りのキャンプ場を作り、キャンプ場に招待する個性豊かなどうぶつたちとのコミュニケーションが楽しめるアプリです。このどうぶつたちとのコミュニケーションの雰囲気を、対象となるお客様にお伝えできるよう、若い女性とCGのどうぶつキャラがゲームをしながら会話をするというTVCMを制作しました。


日本ではこのようなプロモーションを展開したのですが、海外でも同じ展開をすれば良いかというとそういうわけでもありません。『どうぶつの森』は、そのゲーム性から、国や地域によって、お客様が持たれているイメージが異なるんですね。たとえばアメリカでは、小さなお子様がDSや3DSでプレイされるソフトとしてご支持いただいているため、そのイメージに反して、日本のお客様に向けたような女性を意識したアプローチを行ってもあまり効果が期待できないわけです。


米国任天堂の公式ブログ

アメリカでのプロモーションにおいては、まずはその足掛かりとして、日頃から任天堂に興味や関心を持たれている方にアプリの魅力を伝えることに注力しました。いつも見てくださっているTwitterの公式アカウントを活用して情報をお届けし、お正月など、日本人にしかわからないようなイベントは、任天堂の公式ブログを使って、理解を深めていただくようなことにもチャレンジしました。任天堂のゲームに興味を持たれているお客様は、日本の文化にも関心をお持ちのようで、とても喜んでいただけました。


日本のCMのような大きなプロモーションではありませんが、アメリカではお客さまに喜んでいただけることを見つけ、積み重ねていくことで、お客様との関係を深めることができ、関係が深められたお客様が次のお客様に伝えてくれるサイクルができてきた手応えを感じ始めることができています。


1(ワン)バイナリー展開

さまざまな言語で提供

日本のパブリッシャーがアプリを出す場合、まず日本で配信し、それをローカライズしたものを海外で出すような形をとることが一般的です。日本には日本向けのアプリ、海外ではその地域ごとのアプリが存在し、異なるスケジュールや内容で運営されているわけです。任天堂は世界中にいらっしゃるお客様に同じ体験をしていただきたいと考え、1(ワン)バイナリーで配信を行っています。つまり、言語選択ができる1つのアプリを世界中に配信しているのです。こうすることで、世界中で同時に新たなアイテムが追加されるなど、世界中のお客様が同時に同じイベントをプレイし、体験を共有できるようになるわけです。


世界の国や地域ごとに、どんな方がプレイされるのか、具体的な顔をイメージしながらお客様に向き合うことが大切だと考えています。「日本と世界」ではなく、「日本も世界の一部」だというグローバルな視点で仕事に取り組むことにより、自分が担当するアプリが世界の共通語になれば、こんなにうれしいことはないですね。

社員略歴

寺倉 裕貴スマートデバイス事業部/2017年 入社
2017年にキャリア採用で入社。入社前は日本国内でプランナー、ディレクター、米国でローカライズプロデューサー、グローバルプロモーションディレクターなどを経験。任天堂では、スマートデバイス向けアプリ『どうぶつの森 ポケットキャンプ』(2017年)のプロモーションを担当。
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