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社長が訊く 〜任天堂で働くということ〜

目次

製品技術編(1)

Vol.5-1

取締役社長 岩田 聡 / 森 真吾 1991年入社 / 高田 対馬 1996年入社 / 和田 将樹 1992年入社

3 海の向こうでの使命

岩田

では次は、森さんお願いします。

私は、ここまでの話であったように、
開発され製品技術部で評価された製品が、
量産現場で仕様どおりに生産されるように
量産工程の品質管理を行っています。

岩田

新しいハードを立ち上げるとき、以前は、
ちょっとずつ作り始めてまず国内で発売して、
それから何ヶ月かしてアメリカで発売して、
その後ヨーロッパで発売ということができたのに、
最近では世界同時期に発売するようになって、
すごく短い間にあれもこれも並行してつくらないと
駄目だし、しかも量も多くなりましたよね。

量産前にいろいろものを作っては評価して改善して、
ということを何回も繰り返して量産という流れになるんですが、
今はそれを短期間で効率よく行わないといけないのが
厳しいところです。

岩田

Wiiは、以前からは考えられないくらい
一気に生産量を増やしていますが、それでも
世界のマーケットの需要には追いつけずに
お客さんにご迷惑をおかけしてしまいました。

商品として以前よりも難易度が高いことに挑戦しているので、
その分、品質管理も難易度が上がっていると言えますよね。

そうですね、いろいろと難しいことが多いです。
ゲーム機はほとんどが中国で生産されるようになりましたので、
中国現地での業務に合わせて対処していくということが
増えてきました。
新製品の量産立ち上げ時は中国に頻繁に出張しています。

岩田

現地での量産立ち上げに立ち会っていて
苦労するのはどんなことですか?

例えば、1万個のものを作ったときに、
全てが良品としてできあがること自体がそもそも
難しいことなのですが、任天堂の場合は、
立ち上げ生産を何百万という単位で行います。

納期が迫っている状況で、不良率が自分たちにとって
許容できる水準より高い場合に、出荷できない不良品が
多くなってもそのまま生産を続けるべきか、
根本原因をなんとかするため一旦生産を止めるべきかの
判断が難しいですね。

岩田

そういうときに、森さんが現地で任天堂の代表としての
判断をしないといけないんですね。

はい。こちらも会社を代表して行っている以上は、
判断できないなんて言えません。
相手の会社への影響や、生産スケジュール、
製造コストのことなど、総合的に考えて判断しています。
責任の大きさを感じますね。

岩田

日本にいるときと違って、相談できる人が
たくさんいるわけではないですからね。

そうなんです。
ほかにも、工程で問題が発生したとき、
例えば新たな設備を作らなきゃいけないとか、
新たな人を投入しなければならないというように、
原価にはねかえるのに費用をかけてまで指示するべきか、
注意程度で済ませてもいいのかという判断が
難しいケースもあります。
そして、その決断が正しかったのかを証明する
方法がないのが辛いところなんです。

不具合が出たときは常に、何か打つ手はなかったのか、
もっと良い方法はなかったのかと反省が残るんです。
それに対して、問題が起こらなかったとしても、
改善しなくても結局問題は起こらなかったのか、
あるいは改善したからこそ起こらなかったのかは、
検証のしようがないんですよね。

岩田

そうか、マイナスの罰はあるけれども
プラスのご褒美はないんですね。うーん、しんどいな。
「うまく作れて当たり前」って言われちゃうんですもんね。

実際に検証して作り始めても、当初の計画どおりに
作れないのは、どんな要因があるんですか?

要因はいろいろありますが、やはり部品の品質の
ばらつきが原因であることが多いです。
必ずしも原因がわかっているわけではないので、
まずはその問題に特定の傾向があるのか、
単発的・突発的なものなのかを判別します。

岩田

最初は全貌がつかめなくても、何かよからぬ状態の
兆しが見えたときに、それから起こっていることは何かを
把握して手を打つんですね。

そのなかで、工程の仕事というのはいかに最終的に
安定したものを予定どおり作れるようにするかと
いうことなのですが、そのために押さえるポイントって
何ですか?

予防措置と、被害を最小限にすることです。
問題が進みすぎないように、部品を調達している協力会社さんや
現地の協力工場さんと、任天堂側との窓口になり、
密に連携をとるのが工程担当の大事な役割です。

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