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社長が訊く 〜任天堂で働くということ〜

目次

デバッグ業務管理編

Vol.6

取締役社長 岩田 聡 / 八又 一生 1994年入社 / 遠藤 剛 1995年入社 / 兵藤 公治 1998年入社

1 「硬いものさし」から「柔らかいものさし」へ

岩田

まずみなさんのデバッグ業務(※1)管理という仕事は、
日々どのようなことをするのかという話からお聞きします。
では八又さんお願いします。

八又

開発終盤になったゲームソフトを、ひとり1タイトル担当します。
発売が重なるときは、場合によってはひとりで
複数タイトルを担当することもあります。
私たちの仕事は、デバッグ作業をするアルバイトさんが
使う機材など必要なものを準備するというところから始まります。

岩田

大体どのくらいの規模で行っているんですか?

八又

担当してもらうアルバイトさんの人数は、
10名前後から多いときは50名とか、最終的には
100名くらいに増えるものもあります。
平均的には20〜30名くらいで、1〜2ヶ月くらいかかります。
最後のマスターアップ(※2)前はかなり注力して
一気にやらなくてはいけないので、忙しくなります。

岩田

デバッグの中心になっているアルバイトのみなさんは、
ベテランの方から比較的経験が浅い方がいたりで、
バラエティあふれていると思いますが、
個々の能力差なり経験値が違う中で、
どうやってデバッグ品質のコントロールをするのですか?

八又

そうですね、「このアルバイトさんにはこういった
チェックをしてもらうと強みが活かせる」とか、
「この人はこの仕事のほうが合っていそうだな」と、
個々の性格や、向き不向き、過去の作業経験等の
情報をもとに、適性を考慮して担当を決めています。

岩田

八又さんは以前の部署では製品の検査などを
されていましたが、そのときの経験と今の経験は
どのような点が共通していてどのようなことが違いますか?

八又

私が前にいた製造部門との共通点は、高い品質を
守るために厳しい基準に対して妥協しないで取り組む点ですね。
違う点は、製品検査をしていたときは決められた基準を
クリアしていたら良いと判断するのに対して、デバッグ作業は、
どこまでで良いと判断するのかはゲームによって
まったく異なるところです。

岩田

今まで硬いものさしを当てる人だったのが、
柔らかいものさしを当てる人に変わったわけですね。
戸惑いがあったのではないですか?

八又

はい。最初はその違いに戸惑いました。
ゲームの経験がない方は、思ってもいない遊び方を
される場合があるので、バグが発生するあらゆる可能性を
考えながら作業しています。
基準を一律にするのではなく、あるものさしは柔らかくして、
あるものさしは硬くしてと、ゲーム内容に応じて使い分ける
必要があるということを、この部署に来て知りました。

岩田

あと、デバッグって漫然と一日ゲームを遊んでいる
わけではなくて、ここは総当たりでチェックとか、
この辺が怪しいから集中的にとか、いろいろなことを
されていると思うのですが、どんなノウハウや
工夫があるのですか?

八又

そうですね。いろいろなチェックリストを作ったり、
徹底的に効率良くチェックするために役割分担しています。
例えば私が担当していた『高速カードバトル カードヒーロー
というゲームでは、まずはゲームの中で利用するカード集めから
始まって、そのカードの組み合わせを延々と試す人、
ストーリーに沿って繰り返しプレイし続ける人、
ずっと通信だけをしている人などに分けて作業してもらいました。

岩田

カードは無限の組み合わせがあるでしょうし、
同じことを何度も繰り返し行うというのは、
集中力がいる仕事ですね。

八又

そうなんです。
ですのでアルバイトさんたちのモチベーションを保つには
どうしたら良いかということを常に考えています。
アルバイトさん全員がチームでやる仕事なので、
チームがうまく回るためにどうすれば良いか、
どういう配分でお任せすれば効率的か、などを考えています。

岩田

チームのモチベーションコントロールという意味では、
どういうことをすると良い循環になって、
どういうときに悪い循環になるんですか?

八又

開発側での最後の調整が順調に進んで、
デバッグをしやすい状態になり、指摘した箇所のバグが
どんどん直ったり意見が反映されると楽しいので、
モチベーションが上がって良い循環になります。

逆に、プログラムの組み込みが遅れたり、指摘したバグが
なかなか修正されないなど、プレイできるところに
いろいろと制限がある状態でデバッグを長く続けているときは、
完成に近づいている手応えや、自分たちの仕事の意味が
感じられなくなってしまい、モチベーションが下がります。
こういうときは辛いですね。

※1:デバッグ業務
発売前のゲームソフトをプレイし、バグと呼ばれるプログラムの不具合がないかチェックする業務。
※2:マスターアップ
ゲームが完成し、ディスク製造に入れる状態になること。

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