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社長が訊く 〜任天堂で働くということ〜

目次

経理部編

Vol.8

取締役社長 岩田 聡 / 松浦 久美子 1991年入社 / 黒川 嘉方 2005年入社 / 鬼束 正則 1994年入社

4 独自のビジネスを実現するために

岩田

では今度は鬼束さんの税務のお話を。
「会計」と「税務」という言葉自体が
何のこと?と感じる方もあると思うので、
会計と税務の説明から
話してもらえますか。

鬼束

そうですね。
簡単にご説明しますと、
会計処理と税務処理とで
それぞれの目的とルールが違うんです。
どちらかといいますと、
「税務」というのは、実際に発生している
会社の利益に対して納税額をどのように
計算すべきかを、税法というルールに基づいて
処理を行っているものなんです。
一方「会計」は、会社の業績を明らかにして、
様々な利害関係者が会社の状況を
適正に評価できるよう、
会社法等に基づいて処理をしています。

ですので、目的によって基になる法律が違うので、
会計と税務で基準が異なる部分があるのです。

岩田

私は昔、商品開発者だったので、
このことを全く知らなくて、
「会計」と「税務」で2つ違う数字が
出てきたときに、最初は
「それって正しいことなの?」って
思ったんです。
だって、2種類の数字があるなんて聞くと、
二重帳簿っぽいんで、まるで
悪いことでもしているような気が
してしまったんですよ(笑)。

もちろんそういうことじゃなくて、
基になる法律や計算基準などが違うので、
その2つが違うものになることは
当然だということは後でわかったんですが。
でも、経理処理を2種類行わないと
いけないし、プロの人でも
両方をきちんと理解するというのは
なかなか難しいんですよね。

鬼束

税務処理は、会計が前提となっていますので、
会計についても理解しなければならない分、
難しいと感じることがありますね。
でも、税務というのは、義務でもある
納税につながる仕事でもあり、
適正に処理することは、会社にとっても
重要な仕事ですから、やりがいがあります。

岩田

やはりこの部分というのは
実際の経験によって鍛えられる部分と、
知識や事例をたくさん知ることによって
力が付くものとあると思うのですが、
それぞれどんなことで
人は成長していくのでしょうか?

鬼束

任天堂の場合は、
独自のビジネスを行っていますので
前例がないというか、特に今は転換期で・・・。

岩田

すみません、
新しいことに取り組むたびに、
ご迷惑をおかけしているんですよね (笑)。

一同

(笑)

鬼束

いえいえ(笑)。
例えば私はWiiプロジェクトで、
バーチャルコンソールのポイントの取扱について、
初めて部署横断プロジェクトに参加しました。
正直に言いますと、検討に一年くらいかかったんですね、
何せ今までにない構造の初めてのビジネスですから。
基本的なことは本にも載ってるんですが、
そこから「任天堂のビジネス」の形に
どうやって当てはめて、
どこに問題点があるかを分析していくのは、
どれだけ基礎的な知識があっても
すぐにはできないんです。
ですので、私たちに求められるのは、
まず多くの情報を得ることだと
実感しました。

岩田

バーチャルコンソールが
なぜ大変だったかというと、例えば
Wiiポイントプリペイトカードが売れて、
「さあ処理するぞっ」というときに、
それぞれの国の会計の制度に基づいて
どう扱うかという問題が出てきて。
さらに税務的な問題とか、
アメリカは州ごとに税制が異なるとか、
ヨーロッパでWiiが販売される地域は
全部で30何カ国あって、税金は
どこに納めたらいいのか・・・とか。

その大変なことを
「Wiiをいついつ発売するから
できるようにしてください」って
私はそれだけしか言ってないんですけど(笑)。
そこから展開される仕事の量たるや、
ものすごいことになっていたでしょうね。

鬼束

最初の方はこちらの情報も少なく、
NOA(Nintendo of America)にいる、
アメリカの会計や税務に精通している人に
アドバイスをいただきながら進めていましたが、
部分的な情報なので抜けている部分も多く、
最終的な情報が集まった時点で、
また振り出しに戻って聞き直しすることも
多々あって、すごくショックを受けたり。

岩田

全体が繋がってなくて、
断片で切って話を聞いてるから、
全体を繋いだときに、
矛盾が出てきてしまったりするんですよね。

鬼束

やはりどんな落とし穴があるかわからないので、
トータルに調べて確実なことが言えるまで
いつも時間をかけますね。
一方で、もっと早く指示を出せないのかっていう
お叱りを受けることもありますので、
難しいですね。

岩田

そうですね。
ルールの基本に流れる哲学が、
国によってちょっとずつ
違うんだと思います。

任天堂は今や海外の方が売上の割合が
大きい会社になっていますから、
当然世界中のことを知らなければならないし、
ましてや移転価格税問題とか
国際税務問題(※1)とかがあって、
その処理の仕方によっては、
大きな社会問題になるリスクも
ありますからね。
でもそれは全部、経理部の仕事ひとつに
大きく依存していますね。

鬼束

私たちは日頃もよく相談を受けて、
気がつけば一日中人と
話をしているときもあるんですが、
やはり失敗するケースは、
一対一でそこだけしか話を聞かず、
部分的にしか見えない状況で
判断したときなんです。
そういうときは重要な問題が
盲点に隠れてしまうと思うので
自分がどれだけ関連する情報を取りにいって、
幅広い視野で対応するかに
かかっていると思いますね。

※1:「移転価格税問題」や「国際税務問題」
一般的には、日本企業と海外企業との国際取引において生じる利益において、
日本で課税されるものなのか、海外で課税されるものなのか等、
取引によって発生する税務問題のこと。

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