開発者INTERVIEW| Nintendo Labo | 任天堂
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INTERVIEW

河本さん、阪口さん、小笠原さん、これから『Nintendo Labo』についていろいろとお話を訊かせていただきますので、どうぞよろしくお願いします。

よろしくお願いします。

それでは、まず『Nintendo Labo』の初公開映像を発表したときのことについて訊いてみたいと思います。

世界中のお客様からいろいろな声をいただきましたが、いかがですか?

本当にたくさんの反響をいただき、感謝しています。じつは、「なんだ、ただの段ボールじゃないか」としか言われなかったらどうしよう・・・と思っていたんですけど、想像以上に受け入れていただけた気がしてます。

初公開映像の中にもありましたが、『Nintendo Labo』の「ピアノ」の上フタをカパッとあけると、中身はカラッポなんですよね。

写真01

カラッポなのに音が出たりすることが自分たちとしてはスゴイって思ってるんですけど・・・映像では何も説明してないですし、「そこまでは伝わらんやろなぁ」とは思ってたんです。
でも、伝わる人には伝わっていて、ホッとしました。

発表前は期待と不安が入り混じった感覚でした。自分たちの中ではもちろん面白いものをつくっているという想いはあったのですけど、同時に、「ヘンテコなもの」をつくっているなっていう自覚もあったので。でも、予想以上に良い反応を返していただいていて、本当にいい意味で驚いています。

はい。では、いきなりではありますが、どうして『Nintendo Labo』をつくろうと思いついたんですか?
やっぱり、ここが一番気になっているので、率直に訊いてみたいと思います。

いきなりですね。
そもそも、ぼく自身は「インターフェイス」が好きなんです。「インタラクティブなところをつくりたい」という想いがずっと強くて。
たとえばニンテンドー3DSでは本体機能の「HOMEメニュー」のUIを、Wii Uの『Splatoon(スプラトゥーン)』ではプレイヤーの操作やアクションとその対になる地形のシステムとを中心に作っていました。いずれも何か操作をして、反応があるところです。そういうところが好きだし、ちょっと得意という自覚はあって。

で、『Nintendo Labo』を考えたときの話なんですけど。何か新しいものを考えるにあたって、世の中にはもう、いろんなゲームがすでにたくさんあるんですよね。だから言ってしまえば、まずそれとは被らないようにしよう・・・と。
それに、今回は「わかりやすくて、Nintendo SwitchやJoy-Conでしかできないものを作る」っていうテーマもあったので、それらを論理的に考えていってこういう形になった、ということだと思っています。

ほかのビデオゲームとも違う、Nintendo Switchでしかできない新しいものを作ろうとしたんですね。

はじめは、「Joy-Conが、今までのコントローラーと明らかに違うところは何か」と考えたんです。まず「コントローラーが分離している」ことは、Wiiリモコンとヌンチャクを考えると、すでに存在していました。あと「おすそわけして2人で遊べる」ことは、体験としてはすばらしいけど、任天堂のゲーム機ではファミリーコンピュータの時からそうだったので、「復古した」という感じでもあります。
そう考えていくと、今までと本質的に違うのは「左右にジャイロセンサーがついている」ことだと考えました。
2つのJoy-Conに搭載された、それぞれのセンサーの「差分」を使えば、今までとは違うことができるんじゃないかと思ったんです。

「『差分』を使う」、というのは?

たとえば1つのコントローラーを“剣”に見立てて、もう一方を“盾”にするっていうのは、「1つでできることの足し算」なので。「ボタンで切り替えればええやん」とも言えます。
だけど、2つのコントローラーの“関係性”で何かを操作するとなると、それは絶対に2個ないとできないことなんです。

例えば「つり」はまさにJoy-Conの差分を利用した仕組みです。
つりざおのグリップにJoy-Con(R)、リール部分にJoy-Con(L)をセットして、(R)を基準に(L)の回転を読み取る。

写真02

仮に、Joy-Con(L)だけを使ってその回転する動きを読み取ろうとすると、さお自体の傾きとリールの回転の見分けがつかない。そこにJoy-Con(R)も持ってきてそのセンサーの位置を基準にすると、その2つの動きを取ることができる。
実験の過程で、2つのコントローラーを「センサーのかたまり」と見ると、「思ったよりいろいろできるな」と気づいたんです。

「センサーのかたまりだ」って、開発の途中から口グセのように言ってたよね。

はい。「Joy-Conって、コントローラーである前にセンサーなんやな・・・」って。はじめは全然気づかなかったんですけどね。
ただ、こういう小さいセンサーのかたまり2つとゲーム機本体があるという構造は、世の中にほかにはないので、「ほかで真似しようと思ってもなかなか難しいだろうな・・・」と。そこにはアドバンテージがあると思いました。加えて「モーションIRカメラ」ですね、小笠原さん。

小笠原さんは、ハード側として、どのような形でかかわっていったんでしょうか?

まずは『Nintendo Labo』という企画ができる前、Nintendo Switchの仕様を決定するあたりのお話をしたほうがいいかもしれませんね。

『Nintendo Labo』には「モーションIRカメラ」がたくさん使われているのですが、Joy-Conのハードの仕様を決める当時、私はその「モーションIRカメラ」の担当をしていました。

なるほど。『Nintendo Labo』の仕組みのひとつとなる機能の搭載にかかわっていたんですね。

はい。その当時は何か具体的な企画というわけでなく、「IRカメラをJoy-Conに搭載したら、こんなこともできます」というさまざまな使いかたを、Nintendo Switchのディレクターである河本さんに紹介したりしていました。

はい。その時はまさか、こんな形になるとは夢にも思っていませんでしたけど・・・。Nintendo Switchは、ハード開発者もソフト開発者もアイデアを出し合って、そこから仕様を決めていったのですが、『Nintendo Labo』はその仕様をだいぶ活かせているほうじゃないかなと思っています。

2つのジャイロセンサー、IRカメラ、そしてHD振動の3つが『Nintendo Labo』のコアな技術になってると思います。