任天堂ゲームサウンドのすべて
任天堂ゲームミュージックの歩み〜ファミコンからゲームキューブまで〜


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音譜マークNINTENDO64の音楽
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ミニ知識1996年、64ビットCPUを搭載したニューマシン、NINTENDO64が発売されます。ポリゴンで表現される美しい世界に、ゲームファンは驚きました。音楽の面でも、容量が増えたことで、リアルな楽器音を再生できるようになりました。64の『ゼルダの伝説』シリーズでは、楽器の音色がゲーム中でも重大な役割を果たしています。また、『ポケモンスタジアム』のように、迫力満点のナレーションが入るソフトも登場しました。
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−−NINTENDO64で、本当にいろいろな音楽が聴けるようになりましたね。音の数の制限はあるんですか。

近藤 ゲームによって違うんですけど、だいたい同時に鳴らせる音は20音まででしょうか。いままではハードで音を出していたんですけど、64になってからはソフトで音を出せるようになったんです。つまり、絵を出したりキャラクターを動かしたりするのと同じCPUで音を出しているんです。だから、キャラクターがよく動く場面では音数が少なくなったりする。同じゲームの中でも、音の多いところと少ないところがあるんです。

−−64では、1つのゲームの音楽は、何人くらいで担当するようになったんですか。

近藤 64ではプログラムも難しくなり、開発人数も増えてきました。ですから、サウンドにかかる作業を全部1人に任せていては、間に合わない。そこで、プログラムをちゃんと勉強したサウンドプログラマという人たちが入ってくれるようになりました。最初の頃は効果音担当のプログラマが1人と、楽曲1人と、音のもとを出すプログラムを作るサウンドエンジニアと3人でやっていました。いまはプログラマを2人にしたり、多いソフトでは楽曲担当が5人くらいいたり、作品によって人数が違いますが、最低でも1つのソフトで3人は関わります。

−−64で一番変わったところはどこですか。

近藤 音源としてはスーパーファミコンと同じPCM音源なんですが、メモリが増えたぶん、楽器の音色も増えましたね。音楽制作も、市販のツールを使ってできるようになりました。

−−市販のツールというと、パソコンの音楽作成ソフトとかですか?

近藤 ええ。パソコン上で音楽を作っている人たちと同じような作り方で、マウスを使って曲を入力しています。いろいろなソフトがあるんですけど、自分で弾いたものをそのままゲームに入れたりとかもできるんです。

−−弾いたものがそのままゲームの音楽になっていくのは、64が初めてですか?

近藤 そうですね。それまでは容量の関係上、自由に弾いたりとかも、あまりできなかったんです。でも、いまはまた違う知識が必要になってきました。それぞれの楽器の演奏の仕方も研究しなくてはならなくなった。それまでは、「フルートっぽい音が鳴っている」ということでよかったんですけど、音色がよくなったらそういうわけにはいかないんですね。「フルートはこんな演奏の仕方はしない」とか、そういうことも考えなくてはいけなくなりました。

戸高戸高 音色が本物に近くなってくると、聴くとあきらかに不自然なものは、自分でもわかっちゃうんですよ。「こんなに早く音が途切れるわけがない」「こんな音の飛び方をするわけがない」というのがわかるので、聴きながら調整しています。

−−効果音とかはいかがですか? キャラクターがしゃべったりもするようになりましたよね。

近藤 『ポケモンスタジアム』とかはたくさんしゃべっていますよね。「おーっと」とか(笑)。それが英語版、スペイン語版、イタリア語版……とあるんです。ナレーションは現地で録音しているんですが、セリフの割り付けは日本の効果音スタッフがやるんです。ですから、効果音の人たちは、スペイン語の辞書とかをひきながら確認しているみたいですよ。ハードが進化すると、違う勉強が増えていくんですね。

−−ゲームに組み込んでみてやり直しをするときもあるんですか? いわゆる尺といいますか、長さはどうやって計っているんですか?

近藤 だいたい何秒とかいう指示はくるんですけど、あとは自分で画面を見ながら時間を計ってあわせていきますね。ここからここまでの部分でどれくらいのテンポにしたらピッタリくるかとか、足らなかったらちょっと足してみるとか。

−−あらかじめ曲を作っておいて、絵にあわせて調整するんですか。

近藤 僕はもう、最初から時間にあわせて作っていきますね。でも、自然にあっちゃうんですよ。人間のリズムというのが多分あると思うんです。デモのムービーを作る人にもそのリズムがあって、それを見てたら一定のリズムにあってきっちり曲も終わってしまう。だから、あまりあわせるというので苦労したことはないんですよ。そういうことはないですか?

戸高 あります、あります。

近藤 人間の基本的なリズムというものがあるのかな。それは絵を作る人にも、音楽を作る人にも共通なんじゃないでしょうか。

戸高戸高 そうやって考えたことはなかったけど、そういうことかもしれませんね。僕もその体験を何べんかしていて、自分では「この曲はもう絶対上手くいくわ」というふうに納得して作っていたんです。一番絵的に盛り上がるところに、ピタッと曲の盛り上がりがくるとか、やっぱりありますよね。


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サウンドを聞くスーパーマリオ64よりメインテーマ
担当:近藤浩治
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