任天堂ゲームサウンドのすべて PART2
2.アドバンスで音を遊ぼう! 『ゲームボーイミュージック』

『ゲームボーイミュージック』開発スタッフインタビュー


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音符ゲームボーイアドバンスでバンド演奏をしよう
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−−『ゲームボーイミュージック』の企画はどれくらい前からあったんですか。

写真谷口 制作に入ってから、足かけ2年です。もともとはまったく別の2つのプロジェクトだったんです。1つのプロジェクトでは、アートワークを担当していた人達が新しいキャラクターを作ろうとしていたんです。もう1つのプロジェクトでは、ハードウェアグループがゲームボーイカラーに載せるサウンドチップを考えていました。ゲームボーイカラーが子どもたちに浸透しているので、おもちゃみたいな使い方があってもいいかなと、商品企画を「ゲーム」より広く構えていました。「ゲームボーイカラーでこんな音が出る」という新しいものを考えようとしていたんですね。
この2つのプロジェクトは並行して走っていたんですが、北村が作ってくれたキャラが、かなり濃かった(笑)。それで、ソフトを企画するメンバーがなかなか使ってくれない。いっそのこと、その新しいキャラクターを使って、アートワークのチームが自分でソフトを作ったらどうかという話になりました。その一方で、ハードネタで考えていた音のプロジェクトも、ゲームとして活かす方法をいろいろと模索していたんですよ。そこで、この2つのプロジェクトをあわせることにしたんです。

−−そのとき、ハードはゲームボーイアドバンスに決まったんですか。

写真谷口 いいえ。昨年の夏くらいまで、ずっとゲームボーイカラーの企画でした。音楽ソフトなので、どんなふうにまとめていくかという点に時間がかかったんです。ぐずぐずしているうちに、新しいハードが出るという話がありまして、アドバンスに乗り換えることにしました。アドバンスになったことで、ゲームボーイカラーではできなかったことがいろいろとできるようになりました。ゲームボーイカラーの音源でやろうとしていたときは、ハードにチップをつけ足さないと、音を増やせなかったんです。でも、アドバンスではソフトだけで音を鳴らしています。

中塚 ゲームボーイカラーの場合は2音しか出せなかったんですよ。

谷口 本体内蔵の音源で伴奏をしておいて、主役の2音でメロディを鳴らすという形でした。

バーバラの人形坂上 最初は声だけを入れた「ボーカルカセット」を作って、それを流しながらソフトを試作していたんですよ。

谷口 主役であるこうもりのバーバラの人形を作って、背中にそのカセットを入れて、歌を流しながら伴奏をつけていったんです。ゲームボーイカラーのときは、主役2音のうち、1つはボーカルで、伴奏はギターという形にしないと、まとまらなかったんです。でも、アドバンスになって、ギター、ドラム、ベースといった音が均質に鳴らせるようになったんです。

−−なるほど。それで、いまのように、バンドっぽく演奏できるようになったんですね。でも、ゲームの操作自体はとてもシンプルですよね。ゲームボーイカラーのときから、使うボタンは決まっていたんですか。

写真谷口 基本的な操作はゲームボーイカラーのときから変わりません。アドバンスで、LRが加わっただけですね。もともとの発想は「オモチャ的な楽器を作ろう」ということだったので、キーボードをつけたりするつもりはまったくありませんでした。楽器が弾けなくても、コードがわからなくても、演奏ができるソフトにしたかったんです。逆に子どもたちは十字キーとボタンの操作がうまいはずなので、それで楽器が弾けることに意義がある、と。

坂上 ところで、みなさん、楽器はできますか。

−−そうですねー。昔、ピアノはやっていましたけど、いまはやってないですね。

坂上 ギターは弾けますか。

−−いえ、全然弾けないんですよ。

写真坂上 みなさん、そうですよね。なぜでしょう? 僕も昔、ギターを弾きたかったんですけど、Fのコードが抑えられなくて挫折したんです。でも、『ゲームボーイミュージック』なら、Fのコードも簡単に弾けますよね。「ああ、これだ! これが僕の求めていたものだ!」と思いました。

谷口 彼はゲームボーイミュージックで19(ジューク)の弾き語りをするのが夢なんですよ(笑)。


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