ゲームキューブロゴニンテンドーゲームキューブが作るゲームの未来


・ 任天堂株式会社 情報開発本部長 宮本茂 インタビュー ・page01
任天堂株式会社 情報開発本部長 宮本茂任天堂の新しいハード、ニンテンドーゲームキューブ。この四角いフォルムの中には、任天堂のゲームへの思いがいっぱいつまっています。ゲームキューブの設計思想と未来について、宮本茂情報開発本部長に語ってもらいました。


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ゲームに特化した“遊びを作る”マシン

宮本さん自身が感じるゲームキューブのセールスポイントを教えてください。
画像宮本 最先端のビデオゲーム機を作るというのではなく、「遊び全体を任天堂が作るんだ」という意志が十分につまったビデオゲーム機ですね。ゲームボーイアドバンスとの連動や、ゲーム制作者が期待感を持てるというのが非常に大事です。いまの時代、最先端の部品を使って、最先端の技術を使えば、ビデオゲーム機として最先端になるのは当たり前なんです。それを使って、なにをするか。やはり、任天堂としてはゲームを作ることに特化したバランスを作るということですね。ですから、ゲームを動かした時に非常にバランスがいい。
例えば、絵はたくさん描けるけれど計算をしている間は処理が遅いとか、音を鳴らしていると計算が追いつけないとか、ゲーム機にはいろいろなことが発生するんですね。その中で、任天堂がベストなバランスで動く機械を作った。確かに、カタログスペックとしては他社より数字が少ないかもしれません。しかし、実際に動かした時には、明らかに数字が高いという自信があります。画像それから、もうひとつは、簡単なゲームを作ろうと思ったときに、できるだけ手軽に作れるようにしたいと考えました。本格的に3Dのゲームを作るとなると、どのハードでも大変なんですね。でも、ゲームキューブでは、軽く3Dを使って、かえって2Dで作るより早く作れるということもあるんですよ。アニメーションなどは典型的な例ですね。また、C言語のようなものを使って、手短かにけっこう速度の出るプログラムを組めるんです。最先端として使わなくても、最先端の器をゆとりを持って使って、新しいおもしろいものを作れると。


最先端のハードが出ると、ゲームを作るのがどんどん難しくなるのではないかと言われていますが、ゲームキューブは違うんですね。
宮本 ええ、そうですね。ロクヨンのハードルを越えた会社にとっては、楽なハードだと思いますよ。

ポリゴンの表示がスピーディで驚きました。
宮本 なんとかギリギリのところでだましだまし作るという世界から、いまは奔放に作ればいいという状態になってきました。自由に作っても、ある程度は実現できる。あとは画質は高いですね。

画像『ウェーブレース ブルーストーム』の水の表現はすごかったです。

宮本 そうですね。「シンプルなゲームを作れ」といいながら、技術的にはかなり高度なことをしているんですよ。ああいうものも、昔は作りこむことができなかったんですけど、いまはわりと短時間に作っていますね。

音もリアルできれいですね。
宮本 今度はストリーミング再生もできるし、当然内部で鳴らす音もあります。それから、僕らにとっては初めての試みでディスクを使うようになりましたので、おおもとのメモリに余裕があるんですね。だから、わりとラフに使えるんです。それは、僕らにとっても新しい体験です。

今後、アドバンスとの連動などもどんどん広がっていきそうですね。
画像宮本 そうですね。大事なことはまずはハードを買ってもらうということですよね。それでケーブルが普及して、みなさんが手軽にアドバンスとつなげて楽しめることが大事だと思います。任天堂スペースワールドでカービィのPRをしましたけど、あのカートリッジを持っているだけでいろいろな別の遊びが広がっていくんですよね。そういうものを任天堂は広げていく責任があって、それを広げればサードパーティも新しい試みができると思います。

『どうぶつの森+(どうぶつのもりぷらす)』ではアドバンスで洋服のデザインができますね。
画像宮本 つないでデータをやりとりするだけの『どうぶつの森+』のような使いかたや、カービィのようにずっと連動させる使いかたなど、いろいろな使いかたがあるんですよ。また、ロクヨンの時のGBパックのようなソケットがまったくないので、そのたびに新しいケーブルを揃えたりする必要はないんです。

ゲームキューブの画面にいたカービィが、雲から転げ落ちて、アドバンスの画面に落っこちてくるのにビックリしました。
宮本 そうでしょう? あれが意外とうれしい(笑)。そういうオモチャ的な展開ができると思いますね。



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