1.ゲームキューブで立体音響を楽しもう!1.ゲームキューブで立体音響を楽しもう!
1−3 ゲームとサウンドの関係 ドルビー日本支社 インタビュー

ゲームキューブで初めて登場した新技術、ドルビーサラウンド・プロロジックII。そのサウンドの魅力とゲームとの関わりを、ドルビー日本支社のみなさんにお聞きしてみました。


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大石怜子さん
ドルビーラボラトリーズ インターナショナルサービスインク 日本支社
ビジネス戦略マネージャー
大石怜子さん

戦略関係を担当
ドルビーラボラトリーズ インターナショナルサービスインク 日本支社
ゲーム音響制作サポート担当
ジョン・グリフィンさん

ゲームコンテンツ制作サポートおよび技術サポート担当
ジョン・グリフィンさん
糸川あやさん
ドルビーラボラトリーズ インターナショナルサービスインク 日本支社
ソフトウェアサービス・コーディネーター
糸川あやさん

契約と商標確認を担当
ドルビーラボラトリーズ インターナショナルサービスインク 日本支社
コンテンツ制作/スタジオサポート担当
中山尚幸さん

ソフト制作の現場サポート、デモソフトの制作を担当
中山尚幸さん


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インタビュー風景
★ まず最初に、任天堂との仕事がいつから始まったかを教えてください。
大石:本格的なおつきあいは、ニンテンドウ64の時からですから、結構長いですね。それ以来、ずっと音をチェックさせていただいています。

★ サラウンドと通常のサウンドの違いはなんでしょうか。
中山:サラウンドというのは制作者が意図した後ろの音声情報を持っているということですね。ステレオ音声もデコードすれば後ろの音が出てくるのですが、それはあくまでハード側が勝手に割り当てている音です。制作者が思ったとおりの立体音響を実現できて、それがユーザー側で再生されるのを実現するのが、サラウンドの技術ということになります。
大石:作った人の意図がきちんと反映される形で再生されているかどうかを、当社のシステムでチェックしているんですね。

★ プロロジックIIですが、これが採用されたのはゲームキューブからですか。
インタビュー風景
大石:ええ、そうですね。
グリフィン:ニンテンドーゲームキューブでプロロジックIIを最初に使ったのは『スター・ウォーズ ローグ スコードロンII』です。これは、ファクター5という会社がアメリカのドルビー本社にアプローチして実現しました。
大石:任天堂開発のソフトでは『スーパーマリオサンシャイン』がプロロジックII対応の最初のソフトになりますね。以降、『エターナルダークネス』『スターフォックスアドベンチャー』と続いていますし、サードパーティの対応ソフトも次々とリリースされています。

★ ゲーム制作の現場では、プロロジックIIへの関心は高いんですか。
大石 ええ。高いですね。実際に『スーパーマリオサンシャイン』などを見ると、ゲームキューブにはプロロジックIIが適していると思いますね。プロロジックII用のデコーダー(アンプ)の需要もすごく伸びていますので、期待が高まっていることを感じています。
インタビュー風景
中山:ドルビーデジタルはある意味でステレオソースとは互換性がないんです。2chのケーブルを通過させることができない。でも、ゲーム機のアウトプットではステレオ出力が基本ですよね。ということは、赤白のケーブルで走り、かつ立体音響で聞けるものがないといけない。こういったものに搭載できる技術はプロロジックIIなんです。しかもプロロジックIIでエンコードしたソースは、5.1chのシステムをお持ちでないかたでも、違和感なく楽しめるんですね。

★ ニンテンドウ64ではすでにプロロジックが搭載されサラウンドは実現していたんですよね。今回のプロロジックIIには、どんな違いがあるんでしょうか。
中山:プロロジックとプロロジックIIとの圧倒的な違いは、リア(後ろのスピーカー)が完全なステレオになったということです。プロロジックではリアの2つのスピーカーは、同じ音が鳴っていたんですね。しかもエラーを少なくするために、周波数をカットしてあったので、高い音は再現性が低かったんです。それをIIでは完全にフォローしています。

★ 『スーパーマリオサンシャイン』もきれいに音が出ているということですね。
中山:そうですね。後ろのスピーカーには、どうしても噴水や波など、アンビエント系の音を当てることになりますよね。そういう音は高音域を持っているんです。それがバーッと広がるというのは、生理的にとても気持ちいいと思いますよ。
糸川:プロロジックIIが登場したことで、ムービーシーン、リアルタイムシーン全てを通して5ch音響制作が可能になったことが重要だと思います。インタラクティブで音が回るというのが最大の長所です。しかも光ケーブル・アナログケーブルどちらでも使用できて、モノラル・ステレオとも互換性があるし、昔の4chのサラウンドとも互換性があるので、プロロジックII再生機器を持っていない人も安心してゲームを楽しめるんです。コンソールのスペックにもよりますが、ソフトを制作する側も、今まではソフト1本を通して5.1ch制作をするのは大変なことでしたが、プロロジックIIを使用すれば、全編を5chサラウンド音響で制作できるんですね。
インタビュー風景
大石:これまでにたくさんの任天堂作品をチェックさせていただいておりますが、すべて一回で認証が下りるようなすばらしい効果のものばかりです。やはり、任天堂情報開発本部のスタッフの皆様ならではのノウハウの賜物ではないでしょうか。それは任天堂さんのサウンドデザインに十分表れていると思います。
グリフィン:私もそう思います。任天堂のコンテンツは良質なものばかりですよね。
大石:こんなにたくさんプロロジックII対応の作品を出していただいたのだから、ユーザーさんにもプロロジックIIのアンプを使って再生していただけたら嬉しいのですが。重要なことは、ドルビーデジタルの5.1chの製品には必ずプロロジック、ないしはプロロジックIIを搭載しなければいけないという規定があるということです。今後ドルビーデジタル搭載システム製品にプロロジックII搭載が増加していくと思われます。ですから、マルチチャンネル再生市場に於いて制作者の皆様の期待に十分応えられる環境が整っておりますから、任天堂さんからさらに多くのすばらしい作品が出てくることを期待しております。
インタビュー風景インタビュー風景

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