『とっとこハム太郎4 にじいろ大行進でちゅ』開発者インタビュー
『とっとこハム太郎4 にじいろ大行進でちゅ』開発者インタビュー
『とっとこハム太郎4 にじいろ大行進でちゅ』開発者インタビュー
『とっとこハム太郎4 にじいろ大行進でちゅ』開発者インタビュー
『とっとこハム太郎4 にじいろ大行進でちゅ』開発者インタビュー
藤岡千尋さん藤岡千尋さん 株式会社アルファドリーム 取締役
 
『トマトアドベンチャー』も手がけたディレクター。
バックナンバーに藤岡さんのインタビューが載ってます。
こちらもぜひ見てね!
>> NOM 2002年1月号

『とっとこハム太郎4 にじいろ大行進でちゅ』は、ハムちゃんずといっしょにミニゲームや謎解きを楽しむゲームです。こんなに内容もりだくさんのゲームができた裏には、どんな秘密が隠されているのでしょうか? 設定や開発秘話をインタビューしちゃいました!

「みんなで“ハムちゃんず”」というゲームにしたかった
--『とっことハム太郎4』の制作は、どういう形で進行したんでしょうか。

藤岡:まずこれまでのシリーズをあえて意識しないで作ろうというところから始まりました。どういうゲームにしようかという段階で、「今回はゲームの内容がわかりやすくて、順を追って進んで行きやすいものにしよう」ということになったんです。じゃあ順を追って進んでいくためには何かを集めよう、というところからスタートしましたね。

--集める、という部分がまず出来上がったんですね。

藤岡さん 藤岡:何を集めるかという話になったときに、「虹の色なら7色あるので、それを集めるのがいいんじゃないか」ということが先に決まったんです。「どうして虹の7色を集めるのか」という理由づけで、虹を作らなければいけなくて困っている人がいるという設定を作りました。それで“にじハムくん”というキャラを登場させて、彼が虹の国へ帰る為に必要なものを集める…という内容になったんです。

--ゲームの全体的なテーマはどういったものだったんでしょう。

藤岡:ハムちゃんずみんなでいろいろやろう、みんなでハムちゃんずなんだよ、という楽しさを出そうという方向でまとめています。いかに「ハム太郎のゲーム」ではなく、「ハムちゃんずのゲーム」として見てもらうかという部分で、できる限りの工夫をしました。移動するときに先頭のキャラを入れ替えたり、ミニゲームを担当するキャラを替えたりして、ハムちゃんずという雰囲気を出すようにしています。

--明確な主人公が決まっていなくて、全キャラがまんべんなく活躍しますね。

藤岡:前作ではハム太郎とリボンちゃんが主役だったんですが、今作ではハムちゃんず全体を使おうということだったので、ハムちゃんずを知るために出ているビデオやテレビ放映をたくさん観ました。毎週金曜になると、みんなでテレビの前に集まってテレビ放映を観るんです(笑)。それで、自分たちなりに段々とキャラをつかんで世界に馴染んできたんです。そうするとハム太郎ひとりでは勿体ない感じがしたんですね。だから今回は全員をなるべく使おうということになりました。ハムちゃんずが13人いるなかで8人のパーティーを組めて、しかも時々入れ替わる…という風に作ったことで、ハムちゃんず全体という感じを出したんです。

藤岡さん --ハムちゃんずのセリフのひとつひとつが練ってある印象を受けましたが。

藤岡:そうですね、言い回しの部分ではかなり何度も手を入れました。ハムちゃんずは決して深刻にならないで明るい方向へ行くというのがあって、人を傷つけるようなきつい言葉は絶対に言わないんですね。そこはずいぶん気をつけています。

頭を使わずに、ボタンをいじっているだけでも遊べるゲームを
--今作をアクション主体にしたのはなぜですか?

藤岡:前作までがわりと頭を使って遊ぶゲームだったので、頭を使わずにボタンをガチャガチャいじっていれば遊べるよ、という部分の楽しさを出したかったんですね。やはりお子さんが対象のゲームですから、難しいことを考えずにできるアクション中心のミニゲームを、たくさん用意したんです。最初のアイディア段階でミニゲームの数は200個くらいありまして。そこから絞っていって、実際に入れたのは130個ほどです。同じキャラを使うミニゲームでも、ちょっとずつ変えてバリエーションを充実させています。

--ミニゲームの数だけでもすごいですよね。チャレンジするとシールがもらえる、というのは?

藤岡:今作にはシール集めとぬり絵という要素があるんですが、あれは女の子受けを狙いました(笑)。やはり子供向けということで、ミニゲームだけでなく単純に台紙にシールを好きなようにペタペタ貼って遊ぶとか、いろんなぬり絵で楽しむということだけでも遊べるんだよ、ということで入れたんです。

--ミニゲームは成功しても失敗してもシールがもらえるのが嬉しいですね。

藤岡さん 藤岡:簡単にクリアーできるゲームばかりなんですが、ときには一度で成功しないものもあるかもしれません。そこで失敗したときに、ペナルティをどうするかということはかなり議論しました。最初はペナルティをつける予定だったんですが、失敗して点数を引かれたりしたら、小さい子はすごく悲しいですよね。ハムちゃんずというのは成功も失敗も含めて楽しんでるんです。だからそこを出して行こうと。ですからペナルティというものはまったくありませんね。普通にクリアーすると、451枚あるシールがコンプリートできないことが多いんです。だから一度クリアーしたあとでも、またミニゲームとシール集めが楽しめるようになっています。

--ミニゲームのほかに、ワンボタンでちょこっとプレーできるものがたくさんありますね。

藤岡:あれはミニよりも小さいので、プチと言っています。幼稚園くらいの子供さんだと、もしかしたらミニゲームでやや難しいものがあるかもしれない。だからシナリオを解くとか、ミニゲーム云々ではなくて、ただハムちゃんずと遊んでいればいいよ、というような意味合いで入れました。フィールドを歩き回って何かを見つけたら、ぷちっとひとつボタンを押すだけでリアクションがある。それだけでも楽しいよねと。そういうことをやっているうちに、気づいたらシールがたまって、ぬり絵ができて…というふうに遊べればいいかなと。

--マップがわりと広い印象でしたが。

藤岡:今回はアクションとか謎解き以前に、広いマップのなかをハムちゃんずが集団でゾロゾロ走り回って、それだけでまず楽しいよねっていうのがあったんで、そこからあの広いマップになったんです。開発スタッフも、ハムちゃんずがゾロゾロ走り回っているというのを見ているだけで楽しくて、という感じでしたから(笑)。

にじハムくんはゲームオリジナルのキャラクター
--キャラクターの話になりますが、にじハムくんというのはゲームのオリジナルキャラなんですか?
藤岡さん
藤岡:そうです。虹の7色を集めるにしても、最初は虹を作る機械があって、それが壊れているから修理する…という設定だったんです。だけどそれでは夢がないということで、かわいいにじハムくんというキャラを作ったんです。キャラクターデザイン自体は原作者の河井リツ子先生にお願いしました。

--にじハムくんに関して、先生のほうから何かご意見などはありましたか?

藤岡:「羽がついてる」という部分が河井先生のアイディアですね。最初はランドセルをしょっている設定だったんですが、先生のなかで「てんとう虫がいいね」というアイディアがポっと出てきたらしく。キャラの打ち合わせをしている時に、その場でささっとラフ(イラスト)を描いていって、そこでてんとう虫の羽が出来上がったと。にじハムくんはゲーム生まれですが、ほかでも活躍してもらうかもしれません(笑)。

--にじハムくんはどうしてハムちゃんずと一緒に冒険しないんでしょう?

藤岡:彼は虹の国の王子様なので、下々(しもじも)の者とは行動を共にしないんです(笑)。それと地上に降りてきたのが初めてなので、この世界のことが何もわからないんですよ。だから基本的には待ってるだけなんですね。

--ほかにオリジナルキャラは出ていますか?

にんじんハムくん 藤岡:にんじんのふりをして埋まっている“にんじんハムくん”というのがいます。実は彼が出来たのが、完成する2〜3ヶ月まえなんです。ゲーム作りの終盤に入って、ポロっと濃いキャラが出来てしまったので、どうしようということになって(笑)。河井先生におそるおそる「こんなのが出来たんですけど〜…」と聞いてみたんです。そうしたら大受けで、「どんどん使ってください」と言われたので、ちょこちょこ出てくることになりました。

--河井先生から今回のストーリーなどに関して、アドバイスはありましたか?

藤岡:ストーリーに関してはありませんでした。「おもしろかったらいいよ」という感じで言っていただいています。ただし、絵の監修に関しては厳しかったですね。ハム太郎の顔の模様の線がちょっと違うとか、ハムスターの尻尾はこうついてないよとか、原作者ならではの目の付け所があるようです。先生自身もゲームがお好きな方なので、「どんどん盛り上げてね」という感じでした。にじハムくんができた時点で、どうやら気に入って頂けたらしくて、「にじハムくんがいればいいよ〜」みたいな感じでした(笑)。

子供も大人もみんなが楽しめる内容に
--ひとつひとつは単純ですが、ついついハマってしまう内容ですね。
藤岡さん
藤岡:お子さんが遊んでくれればもちろん楽しくプレーできるんですが、大人がやると得点的にはもっと上を狙えたりしますから、子供さんと一緒にやっているうちに、お父さんやお母さんが意外にハマってくれるんじゃないかと思うんです。『とっとこハム太郎』のアニメやキャラを知らないかたでも、プレーすればかなり楽しめるものになっています。ハム太郎が大好きな小さいお子さんがやれば当然楽しいですし、そうではないもうちょっと年上のかたでも楽しく遊べるゲームです。やはりみんなで楽しんでいただきたいですね。

--藤岡さんご自身は、作っていく過程でどの部分をいちばん楽しく感じましたか?

藤岡:じつはキャラクターものを手がけるのは、今回が初めてだったんです。最初からあるキャラクターをどうやって動かそうかとか、細かいネタを仕込んだりしていくところが楽しかったですね。キャラものの楽しさというのを知ることができました。

最後にN.O.M読者へのメッセージをお願いします。

藤岡:楽しい要素をたくさん入れたので、子供さんだけでなくいろいろなかたが楽しく遊べるものになりました。ぜひみなさんでプレーしてみてくださいね。


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