『マリオゴルフ ファミリーツアー』でレッツゴルフ! その2
開発者インタビュー
高橋宏之さん高橋秀五さん宇野正明さん
プロデューサー、ゲームデザイン:株式会社キャメロット 代表取締役社長 高橋宏之さんプロデューサー、ゲームデザイン:株式会社キャメロット 代表取締役副社長 高橋秀五さんサウンドディレクター:株式会社キャメロット 企画製作部 部長 宇野正明さん
伊豆野敏晴西田憲一
コーディネーター:任天堂株式会社 業務技術部 業務技術課 伊豆野敏晴コーディネーター:任天堂株式会社 業務技術部 業務技術課 西田憲一
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■ここがポイント!
満を持して発売された『マリオゴルフ ファミリーツアー』。時間を忘れてハマってしまう楽しさを凝縮させたゲームです。このソフトを開発したのは、おなじみキャメロットさん。スポーツを、ゴルフを愛し、ゲームを愛する皆さんからはどんなお話が飛び出すのでしょうか…? 楽しさいっぱいの雰囲気のなかを、インタビューしてきました!

前作『マリオゴルフ64』のショックから…


N.O.M 今作を出すまでの経緯を教えてください。

高橋宏之さん 高橋宏之(以下:宏) まず、ゲームキューブでの本格的スポーツゲームというものが出ていなかったので、それを出したかったというのがひとつです。それから、ファミリーでゲームをやって欲しいという願いがあるので、それを目指したものということでこれを作ったんですね。以前『マリオゴルフ64』を出したとき、こちらはかなりの自信があったのに、実際は思惑通りにいかなかったという反省がありましたから、簡単にみんなが楽しめるものを…ということを柱にして作りました。


N.O.M 具体的にはどういう点が問題だったのですか?

宏 『マリオゴルフ64』が出た年の年末に、デパートの玩具売り場で店頭プレイしている子供さんを見たんです。そのときは操作が3ボタンだったんですが、子供さんたちは操作がおぼついていなくて、大きな衝撃を受けました。だから今回は、2ボタンで操作ができる“かんたんショット”というものを主軸にして、それをどういう形でゲームに溶けこませるかという部分で、このシステムに行き着くまでに半年ほど試行錯誤しました。ゴルフゲームにおいては、ボールにスピンをかけるという要素は非常に重要なんです。だから“かんたんショット”と、スピンをかけられる“テクニカルショット”の共存が大きなテーマでした。

高橋秀五(以下、秀) “かんたんショット”と“テクニカルショット”の共存に成功したことがかなり大きなポイントだと思うんですが、あまりにもそれが自然すぎたみたいで。こちらは「ここでドカーンと驚きが出るだろう」と、自信満々でプレゼンテーションしたのに、任天堂の宮本さんはサラッと「ええんちゃう?」って。「それだけかい!」って思いましたが、その共存を自然にさせすぎたみたいでしたね(笑)。


N.O.M 苦労して自然に溶けこませた結果、自然に流されてしまったと(笑)。

高橋秀五さん 秀 そうです。ゲームとして目立つには、内容・システム的に尖ったものがどうしても目を引くんですよ。でも長く遊んでもらうには、それだと難しいんです。僕らはやっぱり長く遊んでもらいたいので、システム的に無理なく溶けこんでいるものを作りたかったんですね。


N.O.M 今作のコンセプトは、どういったものですか?

宏 「マリオのキャラクターらしいゴルフゲーム」であるということですね。そしてファミリーで遊んで欲しいということ。ただ、マリオっぽさをクローズアップして、ファンタジーの部分だけを強調すると、ゲームに入り込みづらい人もいるでしょうから、その辺のバランスは取ったつもりです。ゴルフの楽しさ、ゲーム性、そしてマリオらしさをちゃんと引き出すということで。初心者でも簡単に遊べるし、なおかつマニアックにも遊べるということにも注意しました。

宇野正明さん 宇野 コースにしても、全てをまるっきりファンタジーにしてしまうと、ゴルフっぽさというかリアリティがなくなってしまう。かといって全てをリアルにしてしまうと、今度はマリオらしさが見えなくなる…ということで、違和感がないように色々と考えました。

クオリティの高さには自信あり


N.O.M 任天堂側からの要望はどういった感じだったんでしょう。

伊豆野 「風を感じられるようなゲームに」ということと、具体的な話ですが「空や緑の色や水の表現をマリオの世界に合ったものに」…という辺りでしょうか。あとはやはり、ファンタジーとリアルのバランスですね。

秀 たとえば水にしても、こちらとしては『スーパーマリオサンシャイン』の水の表現でいいのかなと思って作ったら、「違う、これじゃない」と言われて驚いたりしましたよ(笑)。

会議室のガラスの灰皿 宇野 ファンタジーとリアルのバランスを取るということでは、やはりあくまでゲームなので、どちらかに偏りすぎないようにしました。芝生にボールが落ちる音でも本物を使ってしまうと味気なくなってしまうんです。だから梱包剤のプチプチを使ってみたり、ウォーターハザードの水音は、バケツに水を張って会議室のガラスの灰皿を落としたり。秀五さんと延々とその作業をして、手作りで作ったんすよ。


N.O.M キャラの細かい動きや音は、本当によくできていますよね。

宏 オープニングムービーは東南アジアのスタッフにお願いしたんですが、そのスキルは本当に高くて、任天堂のチェックも一発OKという感じでした。東南アジアの人々には我々にはないハングリーさがあって、ハードルが高くてもそれを乗り越えていってしまうんですね。とても良いものが出来上がったと思います。

インタビュー風景 秀 あと、キャラの動きには苦労しました。ファンタジーのキャラに、ゴルフというリアルな動きをやらせるわけですから。このキャラのモーションをどうすればフルスイングできるか、とか。またモーションが変則でも、軌道さえしっかりしていればいいんですが、ゴルフをするのにありえない体型のキャラとかいますからね…開発スタッフも頭を抱えてましたよ(笑)。

宏 マリオ役の声優さんも、ひとり4役やってくださってるんですが、このかたがまた非常に上手に演技してくださったので。アメリカのかたなんですが、マリオ、ルイージ、ワリオ、ワルイージとそれぞれをとても良く演じ分けています。それも良かったですね。


N.O.M ところでなぜ“ヤジ”を入れられるようにしたんですか?

宏 ゴルフゲームというと、いままでのイメージは静的で「淡々と打つ」という感じだったと思います。だからBGMがなかったりしましたよね。でも実際のゴルフコースに出てみると、環境はもっとにぎやかで動的なわけですよ。

ゲーム画面 秀 たとえば多人数プレイをしているときも、自分の順番が来たら打って、あとはただボーっと眺めているだけ…というのが嫌だったんです。見ている人もその場に参加して欲しい、という意味でヤジを飛ばしたり応援できるようにしてみました。このゲームを家族や友だち同士でやり取りをする、コミュニケーションツールとして使って欲しい、という願いがあります。僕としては、ヤジは今回のキモなんですよ。

実際のゴルフの楽しさを再現することが“シミュレート”


N.O.M このゲームをどういった遊び方で楽しんで欲しいですか?

宏 トーナメントモードだと、“クッパトーナメント”優勝が目的になりますが、それは“かんたんショット”だけでもなんとかできるんです。でもそれだけじゃなく、家族や友達と“ダブルス”対戦なんかで遊ぶと、全く違った楽しみ方ができると思います。『マリオテニス』を作ったとき、「ダブルスっていいな、面白いな」と思ったんですね。だからぜひ4スロットでダブルスを遊んで欲しいですね。ヤジを飛ばしたり応援したりで、これがまた熱くて楽しいんですよ。

伊豆野敏晴、西田憲一 西田 ミニゲームをやるだけでも楽しいし、かなり上達するので、ぜひやって欲しいですね。僕はゴルフをやったことがないんですが、これを遊んで「ゴルフって面白いな、やってみたいな」って思ったんです。僕のおすすめは“バーディトライゲーム”と“コインショット”ですね。

宇野 “コインショット”や対戦なんかで、やはり家族と楽しんで欲しいです。僕も息子がいるんですが、いまから一緒に遊べることを楽しみにしています。

秀 内容的には本当にボリュームたっぷりなので、どれをやっても楽しめると思います。ミニゲームやプラクティスでも、クリアーしていくと嬉しいごほうびがありますから。秋に出る予定の『マリオゴルフGBAツアー』とも連動しているので、それも楽しみにして欲しいですね。

高橋宏之さん 宏 とあるプロゴルファーのかたにこのソフトをやって頂いたんですが、そのかたはゲームをほとんどやったことがなかったんです。で、これをやってみたら「まさにゴルフだ!」ということで、ものすごくハマってしまったんですね。そういう本物さながらのゴルフの面白さもあるし、ゲーム性もあるし、いろいろな面でゴルフゲームの醍醐味が味わえると思いますよ。

伊豆野 とにかく全部をやりつくして欲しいです。ゴルフの面白さ、ゲームの面白さ、そしてマリオキャラの楽しさ全てが活かされているゲームだと思います。長く楽しんでいただけること間違いなしですよ。


N.O.M では最後に、ユーザーへのメッセージをお願いします。

インタビュー風景 宏 これはシミュレーターとしてもかなりの高機能を誇っています。ただ僕は、「実際にゴルフをプレイしたときの楽しさを再現すること」が、シミュレーターの本当の姿だと思っているんですね。だから、このゲームでゴルフの楽しさ、ゲームの楽しさ、マリオキャラの楽しさを味わって欲しいなと思っています。


N.O.M どうもありがとうございました!
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