シリーズ最新作のパワー 開発者インタビュー
池田さん 荒井 白水さん
株式会社ハドソン
■プロダクトマネージャー
RSD事業本部執行役員
第4開発カンパニー
プレジデント
池田淳
株式会社ハドソン
■ゲームデザイナー
ハドソンブランド開発本部
第3開発カンパニー
チーフプランナー
荒井弘二
株式会社ハドソン
■ディレクター
ハドソンブランド事業本部
第1開発カンパニー
ヴァイスプレジデント
白水薫里

グレー
 『天外』ファン待望の最新作、『オリエンタルブルー −青の天外−』。その圧倒的なボリュームを詰め込んだ今作には、スタッフのみなさんの並々ならぬ意気込みが感じられます。これほどの大作ゲームが作られた経緯には、きっと色々なエピソードがあるはず。さっそく開発を担当されたハドソンのみなさんのお話を伺ってきました!

「"ゲーム"をやろうよ」が合い言葉
全体
N.O.M 今作のコンセプトはどういったものなのでしょうか。


荒井 原作・監修を担当されている広井王子さんと話している時、「最近のRPGはRPGじゃないよね」って話になったんです。グラフィックやムービーがどんどん進化して映画的になっていき、ストーリーもキャラも最初から決まりきっていて、ただそれをトレースするだけのものばかりになっている。僕らはテーブルトークRPGを遊んでいた世代の人間ですから、どこへ行ってどうするか全部を自分たちで決め、その結果起きることにドキドキワクワクするという、その気持ちが大事だと思ってるんですね。だから、広井さんとはそんな"ゲーム"を作ろうということを最初に決めました。

白水 『天外』シリーズ独特の、日本を中心としたオリエンタルな世界の見せ方というのは従来通りにあるんですが、このソフトはいままでのいわゆる『天外』シリーズからの脱却も狙って作っています。

N.O.M シリーズ最新作ということで、長いこと待ち望んでいたファンが多いのではないでしょうか?

池田さん池田 そうですね、ありがたいことにだいぶ待っていただいた方も多いようです。最初はファンのかたも「いつ出るんでしょうか」という低姿勢な感じだったんですが、だんだん時間が経つにつれて「早く出せ!」というような怒りに変わってきちゃって(笑)。

N.O.M 今作はどのくらいの時間で制作されたんでしょう。


白水 元々は64DDの企画から始まっているので、延べで言ったらかなりの期間ですが…。このソフトとして作り始めてからは2年以上かかっていると思います。そのあいだにも、内容量等の問題があって、途中で一度白紙に戻してゼロからやり直していますし。大変でした。

池田 スタッフの数も、これまでのゲームと比較してかなり多く使っています。企画、プログラム、絵も含めると、40名以上のスタッフが制作に関わっていますね。GBAで制作したのは初めてですが、ゲームの内容とGBAの機能が上手くマッチしたというのがあります。これが違うハードだったら、内容は大幅に変わっていたと思いますよ。

N.O.M プレイしてみて強く感じたのは、ボリュームの多さだったんですが。内容の濃さ、多様さに驚きました。

白水 そうなんです。これを詰め込むのがもうとにかく大変でした。最初プログラム一同は企画に騙され、『64Mbで…』という話だったので、途中で「これは無理だ!」とさじを投げそうになったんですよね。そこを128Mbにしてもらったんですが、それでも無理なんじゃないかというくらい大変でした。とにかくまとめて詰め込むのに必死でしたよ。本当にできないと思いましたから。

荒井さん荒井 こうしたい、ああしたいというのはどんどん出てくるんですが、それを一本のソフトに入れるという部分で本当にみんな苦労しました。特にプログラムの人たちはかなり苦労していましたし。それでも今回はどこも削らずに、全てに妥協なしで作ったのがすごいと思いますよ。

池田 僕はそれほど大変なことになってるというのに、途中まで気づかなかったんです。途中でハタと気づいて、でも「ここで騒いだらもっと大変なことになる」と思って、見て見ぬふりをしてやり過ごしました(笑)。

好きな遊び方で自由に物語を組み立てて欲しい

N.O.M 今回、いちばんのアピールポイントはどこなんでしょう。

荒井 やはりフリーシナリオである『クリエイティブ・シナリオ・システム(CSS)』の採用ですね。どこへ行っても、なにをしていても良いという。とにかく「"ゲーム"をしよう」ということなので、人それぞれの楽しみ方があると思います。

白水さん白水 たとえばマ石を集めてみたり、新しいレシピを試してみたり、融合させてより強い武器を作ったり。カジノで儲けてもいいですし。お金儲けは楽しいですよ。

荒井 マ石集めにしても、いままでのRPGだと"戦闘=経験値稼ぎ"になっていて、ストーリーと切り離されていましたよね。でもマ石システムを入れたことで、バトルと物語が絡み合ってくるんですね。そこは成功だったと思います。

白水 レベル上げという"作業"にならないで欲しい、というのがありますから。

荒井 ストーリーにしても、「つぎにどこへ行けばいいのかわからない」というのは、最近の映画風ゲームに影響されすぎている証拠だと思います。別にどこへ行ってもいいじゃないかと。決まりきったストーリーに乗っからなくても、いろんな要素をそれぞれが楽しんでくれればそれでいいじゃないか、と思いますね。

荒井さん白水 だから、たとえば出会うキャラに「自分も連れて行ってくれ」と言われたからって、全員を仲間にしなくちゃいけないわけじゃないんですよ。イヤなら断っていいんです。それはそれでひとつの選択ですから、そのままストーリーが進んでいくだけなんですよね。一応ボスキャラもいますけど、そんなことも気にせず自分の遊び方で楽しんで欲しいですね。

荒井 どこかで村が襲われていて「助けてくれ」と言われても、イヤだと放っておけば当然そこは滅びます。そうやってゲームができていくんです。要は「主人公を中心に世界が回っているわけではない」ということなんですね。

無理に終わらなくてもいい、のんびりゆっくり楽しんで

二人N.O.M 通信ケーブル対応ということですが、これはどういう狙いがあるのですか?

荒井 このゲームはいろんなエピソードがあって、選択によっては出会わない仲間もいるんです。「あ、その人は知らない」ってことになると、"Diary"コマンドでお互いに日記を交換して「こうやって出会った」とかいう情報を入手できるわけです。アイテムやマ石も交換できますから、友だち同士の交流で、新たに冒険の世界が広がるんですよ。

白水 一度プレイすれば終わりではなくて、「じゃあつぎのプレイでは、この人を仲間にして遊んでみよう」みたいなやり方ができるんですよ。それは日記を交換しなくては分からないことですから。ゲームを媒体にして、コミュニケーションを取って欲しいなというのがあります。

N.O.M プレイしていて死んでしまうこともあるんですが、お金が減ったりなどのペナルティは設定されていませんよね?

白水さん白水 ないですね。お金も物も減りませんが、話は進んでいきます。なにかアイテムがあって、そこでボスに負ければアイテムは持ち去られて、その分のストーリーが進行します。この辺はいままでのRPGにない試みだと思います。

N.O.M すると『攻略』という言葉からはかけ離れたゲーム、という感じですね。

荒井 攻略本片手にゲームをなぞる・・・という遊び方をして欲しくなかったんですよね。いまの子供達はなんでもかんでも攻略本などを見て、「こうやるのか」って進めがちですから。それはすごいもったいない遊び方だと思います。そうそう、攻略といういみではありませんが、情報をひとつ。フィールドマップを道沿いに歩くと敵がでませんよ。

N.O.M では、ユーザーへのメッセージをお願いします。

荒井 クリアーすることそのものを目的にしたり、早くクリアーしようと思わずに、ゲームのなかでやりたいこと、自分なりの楽しみを見つけてゆっくり遊んで欲しいと思います。

白水 武器・防具をマ石と融合させると、思いがけないプラス効果が出たりします。その組み合わせを探して、そこに"さくせん"コマンド"を組み合わせると、戦闘の時にものすごく強いチームができるんですよ。ぜひこの強いチーム作りに挑戦して欲しいですね。僕の作ったマ石の融合と"さくせん"よりも強いチームができる人がいるかな、と楽しみです。

池田さん池田 これはいままでのRPGとは違う、RPGの原点を目指したRPGになっているので、色々な人に遊んでもらいたいです。僕は仕事柄たくさんのゲームをプレイしますが、プライベートではあまりやりません。でもこのゲームは寝ないでプレイしたくらい、面白いゲームなんですよ。みなさんぜひ遊んでみてくださいね。

N.O.M どうもありがとうございました!



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