燃える芸人魂! 開発スタッフインタビューマリオパーティアドバンス株式会社ハドソン 開発本部任天堂株式会社 企画開発本部シニアディレクター菊池賢次さんゲームディレクター後藤幸徳さんプロデューサー佐藤浩ディレクター中田伸一さんメインプログラマー高島哲治さんコーディネーション鈴木隆之助

毎年恒例のお楽しみ、『マリオパーティ』シリーズ。本家(?)はついに第6弾となるソフトがゲームキューブで発売されましたが、ゲームボーイアドバンスでも初リリース決定ということで、嬉しいファンもいっぱいいるんじゃないかな? ゲームボーイアドバンスでの開発秘話と、スタッフの熱意、そして燃える芸人魂はここでも威力を発揮。楽しいお話がつぎつぎに飛び出します!


ゲームボーイアドバンスに特化した『マリオパーティ』を
N.O.M: ゲームキューブでも『マリオパーティ6』がリリースされましたが、なぜゲームボーイアドバンスで出すことになったんでしょう。
インタビュー画像後藤: GBAでマリパを作りたいという話は、以前からハドソン側で提案していたんです。実際は2003年の秋頃からでしょうか。マリオパーティがGBAで遊べてもいいじゃないかと。でもゲームキューブとおなじものを出しても仕方ないですから、GBAならではの要素を盛り込みたいねということになって。

中田: 実際、GBA版というのはユーザーの方から出して欲しいという声が上がっていたんです。

佐藤: 菊池さんと中田さんは『マリオパーティ6』と並行してこちらの開発を行っていました。

N.O.M: ちょっとだけ『マリオパーティ6』について伺いますが、どういった部分を担当されていたんでしょう。
菊池: 私は全般ですね。

中田: ボード部分を監修していました。

N.O.M: マイク入力が採用されていますが、これはどういったことで導入されたんですか?
佐藤: 『誰でもおなじスタートラインに』…というのもあるんですが、じつは「やってみたら面白かった」というのがいちばんですね(笑)。パーティしてる時、1人が声を出すとつられてみんなが声を出す。音声認識の機械ではなくて、声を出させるための触媒として使われているわけです。

菊池: テストプレイをしたらすごい反響でした。隣の会議室から「うるせー!」と怒られるくらいに(笑)。

佐藤: マイク入力なら操作が簡単、コントローラがいらなくて、突然に人が集まっても盛り上がれるんですよね。

N.O.M: なるほど。では本題に戻ります。『マリオパーティアドバンス』のコンセプトはどういったものでしたか?
インタビュー画像後藤: GBAの機動性を活かせるものであること、そしてやはり『マリオパーティ』なので、基本は1人プレイであってもみんなでも遊べるものをということですね。どこを差別化するかというと、「持ち歩ける」「人に見せたくなる記録」「人に聞いたり教えたりできる」といった仕掛けが必要だろうと。誰かに見せるための"つかみ"として"パーティグッズ"を思いつきました。人に見せて遊ぶもの、ということで。

鈴木: "パーティグッズ"はゲーム性があるわけではなくて、おもちゃ・道具として使うんです。それそのものがパーティグッズになるように作っています。ゲーム機だということを感じさせないように作ったんですよ。

N.O.M: "ラブラブテスター"とかありますよね。面白いグッズが沢山あって。
後藤: それによってコミュニケーションを取るきっかけになればと。"ゲーム"ではないのでチャレンジ的な部分もありました。ゲームのつもりでやると、「?」という感じでしょうが、そこも含めてゲームだと思って欲しいです。それと、せっかくGBAで作るわけですから、テレビで遊ぶと面白みが半減するものをというつもりで、パーティグッズを作っています。

インタビュー画像菊池: ミニゲームもありますが、ほかにもクエストモードとグッズがあって、その3つが柱です。これによってGBAでもいけるんだということがはっきりわかりました。

佐藤: 1人で遊べるという部分が沢山あって、さらに集めることができるもの…という意味で、パーティグッズの存在は非常に重要ですね。

後藤: みんなでコミュニケーションを取って遊ぶので、みんなでやって面白ければいいんです。野球が面白いのは、バットが単体で面白いからではないじゃないですか(一同笑)。
グッズのネタ出しは芸人だからこそ真剣に
N.O.M: パーティグッズは多くの種類がありますが、やはりネタ出しをされたんですか?
菊池: それはもう、芸人ですから(笑)。
後藤の机の周りにはありとあらゆるグッズが積まれていましたねえ。ふざけて作っているわけではなくて、ひとつひとつをマジメに考えて設定してるんですよ。

インタビュー画像中田: グッズのなかに『テレサ探知機』というのがあるんですけども。GBAを持って、部屋のなかを歩き回ると反応するというレーダーなんですね。これ用のGBAにはアンテナがついていて、とにかくそれっぽい装飾が沢山ついてました(笑)。そして「これはテレサを呼ぶものなのか、いるところに反応するものなのか」ということを真剣に考えるわけですよ。こういう部分でものすごく力を使ったんですが、考える作業は楽しかったです。

佐藤: 『扇風機』というのもあって、暑い時にその画面を出して見ていると、不思議なことに涼しく感じるんですよ。

N.O.M: でも、画像だけで風が出るわけじゃないですよね。それで涼しいって、本当ですか?
一同: 本当です!(笑)

後藤: このグッズのアイディアをスタッフ同士で見せていると、それだけでも盛り上がりました。ユーザーさんもそうやって楽しんで欲しいなと思いますね。

N.O.M: 高島さんは今回参加していかがでしたか?
インタビュー画像高島: 『マリオパーティ』を手がけるのが初めてだったんですが、GBAソフトの経験はあったのでそれほど戸惑うこともなくできました。

菊池: 高島は、それはそれは本当に責任感のある人なので(横目で高島氏を見ながら)、絶対に最後までやってくれると思って頼み込んだんです(笑)。

高島: 内容を聞いていたので、楽しそうだと思って引き受けました。1人用のコンセプトという部分でやや心配だったりもしましたが、正直なところやっていて面白かったです。でも開発していると感覚がマヒしてきて、これが面白いかどうかわからなくなることもありましたね。

N.O.M: ボリューム的には詰め込んである印象ですが、削ったりしたんでしょうか。
高島: 内容量的には詰めて入れたりもしましたが、入らないというものはありませんでした。とにかく圧縮してでもいいものは入れようと思っていたので。

N.O.M: 任天堂としては今回どういった形で要望を出したんでしょう。
鈴木: これまでのシリーズを気にしたお決まりのものにせず、かつユーザーの方に受け入れられるものをということですね。まずハドソンさんと社内のやりとりから始まって、ゲーム内容自体はユーザーの方のニーズに応えてこそ"芸人"なので、こういうものが望まれていますというのを伝えながらやってきました。

インタビュー画像佐藤: 鈴木と中田さんのホットラインがあって、ものすごい回数のやりとりをしていましたよ。

菊池: 今回いちばんのポイントは、やはり1人でやっても楽しいということです。さわってすぐにプレイできることを意識しました。

後藤: ユーザーさんは『マリオパーティ』というタイトルを見て買うので、なにを期待して買っているのかを気にしていたんですが…。

佐藤: 「『マリオパーティ』なのにこんななの?」とならずに受け入れてもらえるもの、「1人でも遊べて嬉しい」と思ってもらえるものにしたくて。GBAを回してみんなで遊べるモードを加えましたが、それによって「やっぱりマリパや!」と思ってもらえるような。
バレたら死ぬほど恥ずかしいヒミツ? それとも気になるあの人の名前?
N.O.M: ところで、なぜ最初に"パスポート"を作るんですか。
インタビュー画像後藤: 1人で遊べるようにするのが売りなので、そこを特化するために、自分用の名刺として入れたんですね。自分専用カートリッジという意識を高めるためです。

中田: あと、ヒミツのバトルでも使うんですよ。勝つと相手の「だれにもいえないヒミツ」を知ることができるという(笑)。

菊池: これは本気になってバトルをさせるための仕掛けでもあります。

佐藤: 私はバトルする時、バレたら恥ずかしいレベルのヒミツをちゃんと入力してやってましたから! 必死ですよ。

鈴木: そうなんですか? 僕はバレても恥ずかしくないレベルのヒミツにしてましたけど(笑)。

佐藤: ちゃんと恥ずかしいヒミツを入れなさい!

N.O.M: ヒミツを賭けるとなると、面白い使い方ができそうですよね。
鈴木: そうですね。例えば好きな人の名前を入れておいて、わざと相手に負けて告白するとか(一同笑)。

N.O.M: オトナな使い方ですね(笑)。そして今回はふろくもついていますが。
後藤: やはり4人でも『マリオパーティ』をやって欲しいので、4人で遊べるおもちゃがあるといいよねと。パッとすぐ遊べるボードゲームということで、ふろくをつけました。

佐藤: 紙のボードとGBAが連動したのは初めてじゃないかな。…違うかな(笑)。

中田: 1台で100人参加できる「100にんバトル」「100にんアタック」というモードもあるのですが、これも世界初じゃないでしょうか(笑)。

N.O.M: クエストについてはいかがですか。
後藤: 色々なエピソードを持たせてあるので、そのストーリーを楽しんで頂ければと思います。

菊池: 手軽にスタートして10〜20分程度で終われるように、ショートストーリーを入れたんです。

N.O.M: 私がやった時はラブストーリーが多かったんですけど、ほかにもあるんですね。
中田: ちゃんと刑事もの、探検もの、スポ根、ラブストーリーなどのバージョンがありますよ。

N.O.M: スタッフのみなさんイチオシのモードや遊び方ってありますか?
インタビュー画像高島: 僕は通信周りに関わっていたので、通信を使った遊びがオススメです。

後藤: 個人的にはパーティグッズを使って、色々な遊び方で楽しんでほしいですね。

鈴木: 色々な要素がありますが、やはり『マリオパーティ』なのでミニゲームを推したいですね。ミニゲームが面白いからこその『マリオパーティ』だと思っています。"ツルツルレース"や"マジカルほうきレース"がオススメです。

中田: 今回、念願の"カーリング"を入れられたんです。毎回毎回、会議で出ながらも入れられなかった。今回は苦節8年でやっと入れられたので、すごく嬉しいです(笑)。

菊池: やはり「ヒミツ」を賭けたバトルをやって欲しいなと思います。

後藤: 菊池のヒミツは怖くて聞けませんよ…(笑)。

中田: 聞くのが怖くて絶対に勝てないよね(笑)。

N.O.M: では最後にメッセージをお願いします。
菊池: 自分の子供の友達からもGBA版のマリオパーティに対する要望が出ていまして、ここでやっと実現できました。お年玉でぜひ買って、みんなで遊んで下さいね。

N.O.M: 楽しいお話をありがとうございました! 
(このあと、「芸人としては今後、吉本を研究するしかないと思います」という言葉を残してスタッフ達は去っていきました…)


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