Nintendo Online Magazine 2006年11月号 No.100
『星のカービィ 参上!ドロッチェ団』開発スタッフインタビュー

職人芸が生み出すアクションゲームの王道!   今度のコピー能力は世界全体を変えていく!
丸い顔にも歴史アリ。長く愛されてきた理由。   盛りだくさんな内容の極めつけはアレです!?

丸い顔にも歴史アリ。長く愛されてきた理由。
n.o.m カービィって、なんであんなにカワイイんでしょう。
角田さん カービィ角田:一番最初の『カービィ』が作られた時期は、横スクロールのアクションゲームって主に男の子の遊びだったわけです。そこでOLさんとか女性にも遊んでいただけるような間口の広いモノを作りたかった。でも、ハル研究所としては丸くてカワイイキャラクターができたからゲームを作ったということじゃなくて、本来のゲームデザインがあって、結局それらが求める形がカービィだった。

n.o.m 理にかなった愛くるしさ、ということですか?
角田さん 角田:ゲームボーイぐらいだと1つのキャラクターを表現するためのドットの数って16ドット×16ドットぐらいなわけですよ。そこに十分入る大きさで、敵を吸い込んでやっつける。空気を吸い込んで空中を飛ぶ。こういうアクションをさせる前提で顔の表情もある程度わかるようにする。そんな要素が組み合わさってカービィが生まれたんです。
上田 上田:そういえばゲームボーイの初代カービィが発売された頃は私はまだ学生でしたが、聞いた話によるとカービィの色って、最初からピンクじゃなかったんですよね?
角田さん 角田:ゲームボーイはモノクロだったからパッケージができるまで実は誰もわからなかったんですよ(笑)。原作者の頭のなかでは最初からピンクだったらしいですが。開発チームのなかには「あれは白だ」「いや、黄色だろ」と言っている人もいました。ちなみに当時北米版のパッケージでは白だったんです。

n.o.m 作り手側として長年大切にしていることは?
山本さん 山本:心地良い思い出といっしょにカービィの姿が浮かび上がるような。ゲームにしてもアニメにしてもそこに尽きますね。
角田さん 角田:うまいこと言われたな(笑)。ゲームを作る立場としても心地良い作品を届けなくちゃいけないと思っています。ゲームハードが進化して表現する媒体が変わってもシリーズのファンに向けて守り続けなくてはいけない部分もある。
上田 上田:ちょうど良い機会ですので歴代のパッケージを並べてみましょうか。
歴代のパッケージ
山本さん 山本:カービィのデザインもポッカ(缶コーヒーのパッケージに描かれた男性)のもみあげのような、微妙な変遷を経てきているんですよ。

n.o.m 最初のパッケージからピンク主体ですね。当時としては大胆かも。
上田 上田:ニンテンドウ64版のパッケージになると現在のイメージに近いですね。
角田さん 角田:一番の変更点はホッペに丸いアクセントがついたことかな。これが横線だとダメなんですよ。ヒゲっぽく見えてしまうので。じつはドット絵自体はあまり変わっていないんです。ちなみにゲームボーイ時代の16ドット×16ドットで表現していたカービィは描くときにルールがあって、目と目の間は1ドットだけ。2ドット空けると違う顔になっちゃうんですね、これが。
山本さん 山本:あとは近年になって目の中に青い部分が加わっています。配色の妙ですね。
上田 上田:細かいところだとゲーム内のアクションにあわせて手の先が丸みを帯びてきたり、逆に足のつま先が大きく伸びてきたり。
山本さん 山本:改めて見ると普遍的なデザインですよね。丸であるがゆえに色々な形になれる。そこがカービィの特徴でもあるので、開発時には“すっぴんの良さ”を心がけてデザインをしてもらっています。

n.o.m 今回は新たな敵としてドロッチェ団が登場していますよね。
上田 ドロッチェ団上田:じつはキャラクターイラストが固まってきた当初はドロッチェ団ではなく、ドロちゅ〜団と呼ばれていたときもあったんです。私はカービィに限らずカワイイキャラクターが大好きなので、個人的には「ドロちゅ〜?(かわいくて)いいじゃない!」と思っていたんです。でも、ボツになってしまって。
角田さん 角田:カービィってピンクで丸くてかわいらしい。そのためタイトルにも幼いイメージを加えてしまうと一気に幼児向けになってしまう心配がある。“チュー”というネズミの幼児語をそのまま使うかどうか迷ったんですね。
山本さん 山本:深いところに訴えかけてくるのって、そういう(直感的な響きのある)言葉なんですけどね。それもわかっているんですけど、そのままやってしまうのはユーザーの間口を広げるという意味でも間違いではないかと。
角田さん 角田:今とは全くことなるタイトル案もでましたが、ある日ドロチューという言葉が書かれた企画書を穴が開くぐらい眺めていると、最後の横棒がチの手前に移動してきた(笑)。「ドローチュ……悪くない。ドロッチェもいいかな」と、2つの案が生まれてきて。最終的に後者になりました。

n.o.m イタリア語みたいでカッコイイですよね。
上田 上田:カッコイイでしょう。単純な悪党ではないんですよ。
山本さん 山本:そうなんです。ゲームに限らず面白いエンターテイメント作品って、悪役がカッコイイじゃないですか。単に悪いことをしているんじゃなくて、自分達の目的のためにしていることが視点を変えると悪いことと思われてしまう。

n.o.m なるほど。で、ちょっと気になっているのがデデデ大王なのですが。 デデデ大王
角田さん 角田:シリーズが生んだいいキャラクターですよね。アイツとはなんだか、酒の席で話が合いそうな気がするね(笑)
n.o.m なんだかちょっと分かります(笑)。

職人芸が生み出すアクションゲームの王道!   今度のコピー能力は世界全体を変えていく!
丸い顔にも歴史アリ。長く愛されてきた理由。   盛りだくさんな内容の極めつけはアレです!?

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