『ドンキーコング たるジェットレース』開発スタッフインタビュー
『ドンキーコング たるジェットレース』パッケージ 『ドンキーコング たるジェットレース』 Wii用ソフト 発売日:2007年6月28日 5,800円(税込) ジャンル:レースアクション プレイ人数:1〜4人 ※多人数プレイには人数分のiiリモコンとヌンチャクが必要です。 ■株式会社パオン ディレクター:宮田真吾さん アートディレクション:宮崎健太郎さん プログラマー:赤堀英司さん ■任天堂株式会社 プロデューサー:伊豆野敏晴  スーパーバイザー:西村建太郎 スーパーバイザー:鈴木隆之助
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■有限会社スキップ ディレクター:森山 尋さん アートディレクション:田中文一さん プログラマー:菊地正彦さん CGデザイン:大下大介さん ■任天堂株式会社 スーパーバイザー:上田賢之朗
1:Wiiで開発することが決まったときは、いろいろと夢が膨らみました――(宮田)
いろんな振り方をするすべての人に、ちゃんと楽しんでもらえるゲームに仕上げないことには世に出せないと――(鈴木)

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N.O.M ドンキーコングを使ったレースのゲームを作ろうとしたキッカケを教えてください。

ゲーム画面伊豆野:パオンさんと協力させていただいたゲームボーイアドバンスの『ぶらぶらドンキー』の開発の後で、今度はテレビの画面の前でみんなでワイワイ遊べるゲームを作りたいというのがスタートでした。最初から対戦を軸に考えていましたね。

宮田:最初はオーソドックスなレースゲームということで、通常どおりスピンもするし逆走もできる仕様にしてみたんです。操作は独特だけど見た目は普通のレースゲームでした。


ゲーム画面伊豆野:私や鈴木はレースゲームがすごく好きなんですよ。だから「特定のボタンを押しながら曲がるとドリフト!」みたいな部分を捨て切れなくて、レースゲームを好きな人が楽しめるストイックな方向へ進んでしまった時期がありましたね。

西村:そのストイックな時期の試作品を任天堂の社内でいろんな人にプレイしてもらうと、「Wiiで直感的に遊ぶなら楽しくやりたい」とか、「皆でワイワイ遊んでいる光景を眺めても楽しいゲームにしてほしい」という意見があがってきたんです。これはドンキーコングというキャラクターの持つイメージも大きく影響していたと思いますが。

宮田:Wiiで開発することが決まったときは、いろいろと夢が膨らみました。レース中に出てくる全部の操作を、Wiiリモコンを振ることだけで対応したいと考えたり。例えばアタックはWiiリモコンを左右へ、ワイルドムーブはWiiリモコンを前に突き出す、といったように、いろんな実験を繰り返していました。

赤堀さん、宮崎さん、宮田さん赤堀:企画があがってくるとWiiならではの内容で興味深いんですけれど、プログラムをまとめる側としては大変でしたね(笑)。

西村:パフォーマンスバレルに入った後、Wiiリモコンを振ってパフォーマンスを決める操作は、Wiiリモコンだからこそできたことですね。Wiiリモコンを振ってポーズが決まったときの感覚にはWiiならではものがあります。

宮田:過去に捉われない新しい操作方法を考えるのはとても有意義だったのですが、そのうち収拾がつかない状況に陥ったりもしました。

伊豆野:そこで判断の基準になったのは、やはり単純明快、シンプルにしようということでしたね。

西村:大変だった例を挙げると、アタックの操作があります。実は当初、Wiiリモコンを振ってアタックする形だったんです。直感的に楽しんでもらうために、この操作はどうしても外したくなかったのですが、最終的には、誤動作だけはさせたくないということから、ボタン操作に変更しました。しかし見かたを変えれば、直感的な振る操作とボタンやスティックでの操作が同時に可能なWiiリモコンとヌンチャクだからこそ、うまく整理することができた、とも言えますね。

Wiiリモコンの操作鈴木:じつはWiiリモコンって人によって振り方の個性があるんですよ。手首だけで振る人もいれば、肘から振る人もいる。振る方向も縦だけではなくて少し斜めになっていたりもするわけです。このこと自体は大変面白いと思っているんですが、操作感の調整をする立場から考えると無視できない問題でした。いろんな振り方をするすべての人に、ちゃんと楽しんでもらえるゲームに仕上げないことには世に出せないと。

西村:あるバージョンではジャンプが出にくいという意見が多くて、もう少しジャンプの判定を甘くして欲しいとパオンさんへお願いすると、次のバージョンでは走っている最中にもジャンプしてしまう場合が出てくる。その辺の調整はすごく難しかったですね。

伊豆野:色々と試してみると右利きの人と左利きの人でも操作感が少しちがってきますから、ゲーム中で利き腕の設定を切り替えられるようにもしています。調整は大変でしたが、最終的には誰もが気軽に楽しめる操作体系にまとめられたと思います。



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