『マリオ&ルイージRPG3!!!』開発スタッフインタビュー

株式会社アルファドリーム ・窪田 博之さん(ディレクター/シナリオ)・岩崎 潤さん(バトルデザイン)・深沢 孝一さん(背景グラフィック/UIデザイン)任天堂株式会社 ・大谷 明(プロデューサー) ・佐野 友美(アシスタントプロデューサー/グラフィックデザイン)

2.「原点回帰」と新しさ(その2)

マリオたちのライバルとしてのクッパを大事に

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世界観、そして、ストーリーについてうかがいたいのですが、クッパとマリオたちが協力すると聞いたとき、どのようなお話になるのか個人的にワクワクしました。

大谷:

「マリオたちのライバルとしてのクッパ」という立場を崩さず、どうやってゲームに落とし込んでいくかをアルファドリームさんと一緒に考えて構築していきました。クッパが仲間になって協力するゲームになってしまわないようにするのが一番難しかったですね。

クッパ

窪田:

かといって、クッパとマリオたちがそれぞれ違う目標を持っていると話が成立しないんです。最初のアイデアではクッパはマリオたちの戦車代わりに使われるだけだったんです。
体内に吸い込まれてしまうというストーリーは、クッパのキャラクターを生かそうと考えた末に生まれたものなんです。

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今回は案内役として、イエロースター(チッピー)が登場しますが、この設定は最初から決まっていたんですか?

窪田:

シリーズを通してマリオとルイージは言葉を発しないので、プレイヤーを導いてくれるようなキャラクターがどうしても必要になるんです。前作で案内役だったスーツケースのキャラクターよりももっとマリオの世界らしいデザインにしようと意識して決まりました。

イエロースター(チッピー)

大谷:

開発当初よりはだいぶマイルドになって親しみのあるキャラクターになりました。今でも姉御肌で性格はキツめなんですが。ゲームの終盤ではクッパとチッピーのホロっとくるようないい場面が見られますよ。

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マリオたちがクッパの体内に入ってしまうのは驚きました。

窪田:

外でクッパに起こったことで体内の様子が変わったり、逆にマリオたちの行動がクッパに影響を与えたりという、中と外のやりとりがあることでゲームとしても面白くなるだろうと感じたんです。

窪田さん

大谷:

体内の様子は描き方によっては気持ち悪いと思われてしまうのではないかという懸念があったので、デザインレベルでかなり気をつけてもらいました。

佐野:

気持ち悪くなってしまうのだけは避けてほしいので、「マリオ&ルイージ」らしい明るくポップな感じにしてもらいました。そこさえクリアしてれば、アルファドリームさんなら安心でしょうということで、ある程度お任せしました。

深沢:

「クッパの体内だったらこういうのもいいかな」という範囲で形や色合いをデザインさせてもらいました。クッパのポップさを主体にして、あからさまに生々しい骨や血管は描かずに、それらしく体内に収まるような感じにしたんです。

―― 

登場する敵キャラクターも独特ですよね。

ゲーム画面

岩崎:

特にマリオとルイージと戦う敵は体内に現れるという縛りがあるので、体内らしくないといけないというのがありまして。こういう攻撃をしてきたら面白そうだなという敵キャラクターの案があっても、体内というテーマに相性が悪いものは切らざるを得ませんでした。

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メタボリックシンドロームのような健康ネタも多く盛り込まれていますが、珍しい題材ですよね(笑)。

窪田:

自分の趣味を出したのもありますが(笑)、体内に入るという話なので、体だけではなく健康や病気にまでテーマを広げて扱っています。結果的に今までにないコンセプトのRPGになったと思います。

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今回のマリオ&ルイージRPGのテーマは「健康」なんですね(笑)。

大谷:

健康です(笑)。
誰しもが興味を持ってくれるテーマであることとマリオの世界なので楽しく冒険しましょうというところを大事にしています。ストーリー面でも、すごく危機的な状況なのになんだか全体的に緩さがあるので、あまり怖い感じにはなっていないと思います。

ゲーム画面

窪田:

キノピオたちが、体がふくれてしまうメタコロ病という病気になってしまうんですけど、本人たちは困っているのか楽しんでいるのかよくわからないんですよね(笑)。病気で苦しんでいるというマイナスのイメージはなるべく出さないように気をつけました。
マリオというと、青い空と緑のフィールドの中を陽気に駆け抜けるイメージが強いと思いますので、そこは必ず感じていただけるようにしています。と言いつつも、マリオたちの冒険はクッパの体内で始まるんですけども(笑)。