N.O.M Nintendo Online Magazine No.130 May 2009

グーの惑星 開発スタッフインタビュー

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2009年4月21日にWiiウェア()として配信が開始された『グーの惑星』。
ネバネバした不思議な生き物「グー」をつかんで、伸ばして、パイプまで導くパズルゲームです。

このゲームは、アメリカにある2人だけの小さな会社が開発しました。
今回のN.O.Mでは、このタイトルを開発した2D BOYさんに、メールでインタビューをお願いしました。

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2D BOY って?

『グーの惑星』を開発された2D BOY社は、サンフランシスコにあるゲーム開発会社。
主要メンバーは、カイルさんとロンさんの2人だけ。
『グーの惑星』は、この2人が大部分を開発・制作されました。

オフィスを持たない彼らは、仕事をするときはこの写真のようにカフェに集まるか、 もしくは自宅で開発をしているのだとか。

NOM

こんにちは。まずはみなさんの自己紹介をお願いします。

カイル

こんにちは。カイル・ガブラーです。
2D BOYの右脳を担当しています。
右脳っていうのは、つまり、私がゲームデザインや、グラフィック、音楽、ストーリー、それにいかしたアニメーションの制作など、クリエイティブな側面を担当しているからです。
2D BOYを立ち上げる前は、かなり大きいビデオゲーム会社の仕事をしていて、そこでロンと出会いました。

ロン

ロン・カーメルです。
2D BOYの左脳にあたります。プログラミングやソフトのプロデュース、ビジネスに関わる話など、ゲームの構造的な側面を担当しています。
日本で『グーの惑星』がどのように受け止められるかについてすごく興味があって、とてもワクワクしています。

NOM

2D BOYさんについて教えてください。カフェで仕事をされている写真を見たんですが、普段からあんな感じで仕事をしているんですか?

ロン

2D BOYは私とカイルの2人だけの会社です。
カイルとは共通の友人を通じて2006年の初め頃に出会い、その後すぐに当時の仕事をやめて、2人で新しい会社を作ることを決めました。
後に、非常に才能にあふれたアラン・ブロンキストが開発メンバーに加わりました。
彼はWii固有のプログラミング全般を担当しました。

NOM

『グーの惑星』はどのようにして開発がスタートしたのですか。

カイル

まだ学校に在籍していた頃、"Tower of Goo"という、とても小さなゲームを制作しました。
そのゲームでは、小さな緑の丘に100体のグーが登場し、ゲームの目的はグーを使ってできる限り高いタワーを作る、というものでした。
ボールの形をしたグーたちは空に向かってより高く昇ろうとする意志を持っているわけです。
そのゲームはとても短いものでしたが、表情のあるグーの塊で構造体を作るという、ゲームの背後にある基本的なアイデアはとても面白く、評判になりました。
そんなわけで、完全な「グーの世界 World of Goo()」をデザインすることにしたんです。

※World of Goo …『グーの惑星』は、アメリカやヨーロッパでは『World of Goo』というタイトルで配信されています。

グーの世界 World of Goo を構築することは、見知らぬ新しい土地を探検するような気分でした。
つまり、その世界やパズル、キャラクター、そしてストーリーはもう既にそこに存在していて、私たちはそれを発見しさえすればよかったのです。
『グーの惑星』のストーリーは1年の流れの中で展開します。
夏から始まり、秋になり、冬になり、…そして、不思議な秘密の場所を経て…、最後は春にたどり着きます。

NOM

今回のソフトをプレイして、まず一番に、パズルとして成り立たせるために重要な「グーの重さ」の表現(バランスなど)がすごく生き生きとしていることに驚きました。

ロン

物理演算を使用したシミュレーションを使っています。
(物理の法則にしたがっている)実際の世界では物体がお互いにどのように作用して動くかということについて、私たちみんなが(経験を通じて)よく理解しているわけですから、物理演算を使うとゲーム内の動きを人間にとって直感的なものにすることができます。
また、基礎的な物理方程式を使うことで、自動的にゲーム内の動きを生み出すことができるので、私たちのように小さなゲーム開発チームが、物理演算を使用したシミュレーションは多くのアニメーションを描かずに済ませる手段でもあります。

NOM

実は、今まで食わず嫌いというか、海外のゲームはインターフェイスやゲームデザインが自分の感覚に合わないという先入観を持っていたのですが、『グーの惑星』はそういう私でも、違和感を覚えることなく最後までプレイできました。

カイル

私もフィーリングに合わないゲームが多いと感じていますので、一緒ということになりますね!
私がプレイできるゲームはとても少ないです。
というのは、多くのゲームが私にとって複雑すぎるからです。
私は1つ、2つ以上のボタンを使った操作を覚えることができません。
その点、『グーの惑星』では使用するボタンは1つだけです。
またわかりやすいデザインルールを慎重に適用したので誰でもすぐに操作を覚えて、プレイヤーが思うがままに、巨大で複雑な構築物を作り出せるようになっています。

デザインやストーリーは世界中の誰にも理解してもらえるものだと、期待も込めてですが、そのように思っています。
グーは冒険を望み、新しいものを発見したがっています。それは、世界中あらゆる地域の方々にも共通していると思います。
すべての人間には重力があり、物理の法則にしたがっています。
私たちはみな、自分自身よりもさらに魅力的な友達を持っているし、そして、大きな会社で働くということはどういうことか知っています。
私たちはみな、その食べ物がどこから来たかは気にせずに、おいしい食事をするのがどういうことかを知っています。
このゲームをプレイした誰もが、私たち人間自身をそこに重ね合わせて笑いながらプレイしていただければうれしいです。