安心してゲームを楽しむための『年齢別レーティング制度』
CERO(特定非営利活動法人コンピュータエンターテインメントレーティング機構) 専務理事 : 渡邊和也さん

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3.実際のレーティングの審査

具体的に審査はどのように行われているんでしょうか?

渡邊

まず依頼されるメーカーさんから、審査に必要な資料となるゲームに入っている映像や音声を、DVDやビデオテープなどの形に編集して出していただきます。レーティングの対象となる表現項目につきましては、われわれが配布しております小冊子やホームページ上にも載せていますが、それぞれの項目で最もきつい表現の部分を対象としてチェックします。

ゲームそのものをプレイするわけではないんですね。

渡邊

やはり実際にプレイして確認するとなると、いつまで経っても終わらないということになってしまって意味がありませんので(笑)。パズルゲームなど短いものでは15分程度、RPGなどでは2時間を超える長いものもありますが、倫理チェックすべき点を収録したダイジェスト版を作ってもらって審査しています。これはESRBも同じ方式ですね。原則としては3人で審査するんですけれども、同時にというわけではなく別の日に、場所もCEROのブースで、それぞれひとりで行います。あとはわれわれが用意しているチェックシートに所定の書式で記入していただくだけなので、審査のバラツキはほとんどなくなるわけです。

チェックシートというのは、どのようなものなんでしょうか?

渡邊

まず公開しております対象となる表現項目が表の横の列に30ほどズラッと並んでいまして、縦の列にA/B/C/D/Zと並びます。そして該当する表現があったところに印を付けていきまして、一番高いものがレーティングの審査結果となります。したがって、Z区分に当たる表現項目が1秒でもあればZ区分になります。

表現項目のカテゴリー

レーティングの中でもA区分とZ区分は比較的わかりやすいですが、B〜D区分に関して、
具体的にどのような部分が違いとなってくるんでしょうか。

渡邊

すべての審査項目がそうだというわけではありませんが、定めている基準のひとつにインタラクティブ性があるかどうか、という点があります。同じようなシーンでも、プレイヤーが操作してそのシーンが行われる場合と、映画のようにたんにそのシーンを見ているだけという場合でしたら、前者の方が感情移入の度合いも高くなってきます。そうなるとレーティングも高くなります。

審査員はどのような方々で構成されているんでしょうか?

渡邊

審査員はその時々で多少増減はしますが、現在20歳以上で60歳までの男女の方々40数名で構成されております。しかも、ゲーム業界に関係のない方々ということで募集しております。そこから選抜とトレーニングがあった上で、審査員として登録していただいています。男女比はできるだけ半々くらいになるようにしております。

みなさん審査員を専業にやられているというわけではないんですよね?

渡邊

そうですね。アルバイトの方や学生さん、主婦の方もいらっしゃいます。ただし、公務員の場合は応募されても副職が禁止されていますのでダメということになります。もちろん、審査員の方には謝礼をお渡ししております。アメリカなどですと、こういう審査員はボランティアの方が多いんですが、日本ではなかなかそういう文化は根付いておりませんので難しいところですね。

審査するペースは年間・月間でどのくらいの本数なんでしょうか?

渡邊

年間約1,200本くらいですので、季節的な要因もありますが、月間にならすと約100本という感じですね。

1日にならしても約3本を3人で審査するということは、
のべ人数で9名の方が毎日審査していることになりますよね。かなり忙しいんじゃないんですか?

渡邊

このCEROの建物の中にも審査用のブースが7つありますが、それが全部埋まるときもありますね。メーカーさんからいただいた資料は土日を除き7日以内に結果を出すことになっています。発売日の予定がありますから忙しいから3週間待ってくれというわけにもいきませんので、時期によっては審査が集中することもありますね。

メーカーさんが編集した映像をチェックするということですが、
意地悪な見方をすれば、レーティングが上がらない部分だけを提出するということもあり得るわけですよね?

渡邊

そこは基本的に性善説に基づいているんですが、例えば資料には入っていないけれども、実際のゲームにもっと過激な表現があった場合には、最近はインターネットにもすぐ出てしまいますし、やはり最終的には市場でわかってしまうわけです。そうした際には事実関係を調査した上で、レーティングは直ちに取り消すということになっています。さらに、会員の罰則規定に沿いまして、会員から除名するということも可能です。ただし、これまでのところそういったことは起きておりません。

ちなみに、これまで年齢別レーティング制度に反するような事例というのはあったんでしょうか?

渡邊

会員ではないのに勝手に似たようなマークを付けてゲームを販売していたので、私どもの方でしかるべき対処をしたということがありました。悪く立ち回れる余地があるということは事実ですけれども、今のところみなさん紳士的といいますか、大きな問題が起きていないというのも、日本の良いところかと思います。