安心してゲームを楽しむための『年齢別レーティング制度』
CERO(特定非営利活動法人コンピュータエンターテインメントレーティング機構) 専務理事 : 渡邊和也さん

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4.これまでの審査結果の実績

CEROさんが公開されている資料で、これまでのレーティングの結果を見てみると、
66.69%を占めているAから順番にドンドン割合が少なくなっていって、実はZ区分のゲームは0.74%しかないんですね。

渡邊

私の個人的な意見としては、もっと大人向けとしてZ区分のゲームがあっても良いと思っています。もしかしたら、みなさんがZ区分に対して誤った認識をされているのではないかという危惧もあります。地方自治体によってはZ区分のものが有害図書として団体指定されている場合もありますが、これも18歳以上の方に対しては販売を規制するものではありません。Z区分という時点で有害だから購入されない、だから作らないというような循環もあったりすると残念です。

レーティング区分分布図

やはりメーカーさんとしては、できれば全年齢のA区分になった方が、
幅広いユーザーさんにプレイしていただけるだろうというのがあるでしょうね。

渡邊

昔だったら小さいお子さんがメインの市場でしたが、今ではかなり年齢層も幅広くなっているわけですし、もっといろんな表現のゲームがあっても良いのではないかと思いますけど、意外に少ないんですね。よく新聞の取材なんかで、「メーカーからもっと過激な表現を許容してくれと言われるんじゃないですか」といったことを質問されるんですけど、実際は逆なんですよね(笑)。

審査する方としては、全部がA区分のゲームばかりだと審査のしがいがないとか(笑)。

渡邊

おっしゃる通り、せっかく5つの区分に分けているのに、正しく認識されていないと、それがあまり意味のないものになってしまったりするわけですね。これも私見ではありますが、家庭用ゲームの業界自体が長年お子さんに向けてゲームを作ってきたという歴史を持っているというのもあると思います。その証拠に、ちょっと離れてパソコンゲームの業界になると、これはソフ倫(※)さんの管轄ですが、いきなりわれわれのZ区分のはるかに上を行く過激な表現であふれているという現状があったりするのかなと。
※「ソフ倫」…「コンピュータソフトウェア倫理機構」の略称。パソコンゲームの自主規制のための審査を行う一般社団法人。

審査結果の公表については?

渡邊

発売されたものに関しては公表しております。私どものホームページでも、検索していただければレーティングとどの種類の表現項目が対象となったかまでは調べることができます。ただし、審査はしたけれども、何らかの都合で発売されなかったものに関する審査結果は公表しておりません。今後より詳細な結果を公表するよう要望があるかもしれませんが、今のところそのような形で運用しております。

ちなみに、CEROさんの審査はやり直してもらうことも可能なんでしょうか?

渡邊

メーカーさんの方に審査結果はお渡しして、基準を超えた表現や禁止表現があった場合には、どこがダメだったということはわかるようになっています。したがって、問題になった部分を修正したり削ったりして作り直していただいたものを再審査いたしまして、より下のレーティングで発売するといったケースはたくさんあります。

制度を利用しないで発売されるゲームというのはあるんでしょうか?

渡邊

すべての家庭用ゲームソフトでレーティングの採用率は約98%と、ほぼ100%になっております。また、調査では残りの2%も審査をしたとすればA区分に該当するものだという結果が出ています。これは普通では考えられない数字ではないかと思います。年齢別レーティング制度が事実上の標準的な制度になっているからでして、家庭用ゲーム業界というクローズドシステムの特徴を上手に生かせているのかなと思います。

5.「年齢別レーティング制度」の課題

今後の課題とされている部分などはありますでしょうか?

渡邊

本当に必要なところに周知していない、一般の消費者の方に、まだまだ露出が足りないというところがありますよね。先日は神奈川県川崎市で年齢別レーティング制度の周知イベントをやっていただきまして、そういうところに地方自治体さんにも予算を使っていただけるようになったというのは、ありがたいことかと思います。また、常に現在の世論を反映したレーティングとなるように社会の受容度調査などを続けることですね。これに関しては終わりがない部分ですので、今後も課題になると思います。

ことに最近はゲームの規制という部分に注目が集まっていますが。

渡邊

パソコンゲームでは過激なものが問題になっているということもありまして、政府やお役所など行政の方にもこの制度のお話をさせていただく機会も増えてきておりますが、家庭用ゲームの分野では、基本的には法で規制するというよりは、業界の自主規制でやることが望ましいとおっしゃっていただいています。われわれの審査をそうした形で役立てていただけるようにという方向になっていけばと考えております。

どうもありがとうございました。

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