安心してゲームを楽しむための『年齢別レーティング制度』
CESA(社団法人コンピュータエンターテインメント協会)専務理事 : 堀口大典さん
CESA(社団法人コンピュータエンターテインメント協会)事務局 : 町谷太郎さん

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1.「年齢別レーティング制度」ができるまで

まず、CESAさんが設立されたのは、いつ頃になりますでしょうか?

町谷

CESAは正式には「社団法人コンピュータエンターテインメント協会」と言いまして、家庭用ゲームソフトメーカーや家庭用ゲーム機メーカー、オンラインゲームメーカー等で構成される団体になります。設立は今から13年前の1996年で、設立当時は家庭用ゲームソフトウェアメーカーを正会員としていたため「社団法人コンピュータエンターテインメントソフトウェア協会」という名称でした(2002年7月に改称し現在の名称)。その頃は、アーケードゲームの業界団体であるJAMMAとパソコン用ソフトの業界団体であるJPSAはあったんですけれども、家庭用ゲームソフトメーカーに特化した業界団体がなく、そろそろ世の中に対して情報発信をしてくべきだという機運が高まっていたころでした。
※「JAMMA」…「社団法人日本アミューズメントマシン工業協会(Japan Amusement Machinery Manufacturers Association)」の略称。1981年に発足。※「JPSA」…「社団法人日本パーソナルコンピュータソフトウェア協会(Japan Personal-Computer Software Association)」の略称。1982年に発足。2006年に「コンピュータソフトウェア協会(Computer Software Assosiation Japan)」に改称。現在の略称はCSAJ。

堀口

最初にファミコンが出てから、
約13年後ということになりますね。

「年齢別レーティング制度」はCESAさんの主導で策定されたということですが、どのような経緯で現在のような形に?

町谷

まず、私どもの協会が設立される前にも、それぞれのハードウェアメーカーさんにゲームソフトの倫理基準に関する内規がありまして、その自主基準に基づいてゲームソフトの品質管理がなされていたようです。そんな中、私ども業界団体としましては、個々に行っている流れとは別に業界を横断して何らかの倫理基準を設けるべきではないかということで、協会設立時よりCESA内部組織の倫理委員会で「コンピュータエンターテインメントソフトウェア倫理規定」をまとめ、1997年4月に制定・施行いたしました。この規定がCERO発足も含めたそもそものはじまりで、倫理規定の制定以降、協会の会員となっている各社に遵守を求めてきました。倫理規定に基づき、実際の各作品の審査は、倫理委員会で行ってきた経緯があります。後にさらなる客観性・公平性確保の観点から、外部有識者の先生にも参加いただき審査を行うようになりました。

家庭用ゲーム機業界全体での自主的な基準を設けたと。

町谷

ただ、当時はちょうどゲーム機の表現能力がドンドン上がってきていた時期でして、そのままでは対応しきれなくなるという危機意識がありました。そこで、すぐに倫理規定の改定を行いまして、1999年9月以降は規定に「合致するもの(A区分)」と「合致しないもの(C区分)」に、新しく「合致するが注意を要するもの(B区分)」を加えた3つの区分ができました。このB区分に指定された作品に関して、パッケージに注意喚起の表示を義務づけるという形でしばらく運用しておりました。

それまでは「発売できる」か「発売できない」かという審査しかなかったけれども、
注意を促す表示を行って発売する選択肢が増えたということですか?

町谷

そうですね。ところが2001年に入りますと、協会の中でも、倫理委員会はもとより理事会でも、そろそろ諸外国にならって年齢別のレーティング制度を実施すべきではないかという機運が高まりまして。アメリカですとESRB(※)、欧州ですとELSPA(※)が主導してレーティング制度を実施していたんですけれども、日本でもそういった「全数審査」、つまり、すべてのソフトに対して何らかの年齢別のレーティングを行うという方針が決まりました。
※「ESRB」…Entertainment Software Rating Boardの略称。アメリカ合衆国およびカナダのレーティング審査団体。1994年に設立。※「ELSPA」…イギリスの業界団体・Entertainment and Leisure Software Publishers Associationの略称。2003年に設立されたヨーロッパの29か国を対象にした審査機関・Pan European Game Information(PEGI)のレーティングは、1994年に公表されたELSPAの自主審査基準がベースとなっている。

一部の注意が必要なソフトのみに表示を行うのではなく、すべてのソフトに何らかの指標を表示するわけですね。
そこからCESA内部ではなく、新たにCEROが発足した理由は?

町谷

年齢別レーティングを行うという方針が決まってから1年半くらい、制度の骨格を考えましょうということで、会員のソフトウェアメーカーだけでなく、ハードウェアメーカーさんも交えて真剣に議論を重ねました。その結果、2002年6月に任意団体としてCEROが発足いたしまして、第三者機関が全数審査をできる環境も整いました。これに伴い、CESA倫理委員会による審査が終わり、新たにCEROによる審査へと移行することになりました。CEROによる審査は同じ年の10月1日からはじまり、現在のような形で、ほぼすべての家庭用ゲームソフトに対して審査やレーティングの表示が行われるようになりました。

堀口

それまでCESAの中で自主規制をやっていたわけですが、やはり審査の独立性を保つために、外に法人を作ったということですね。内部の理事構成も、ほとんど業界外部の有識者のみとなっていまして、会員も多くは両方に入っていますが、一部はCEROのみに入っているメーカーさんもあり、あくまで自主的な参加となっています。

町谷

当初1年間の運用モデルや最初の審査マニュアルはわれわれの方で検討し、ゲーム業界外の方々で構成されているCEROさんにお渡しました。現在はそれを元にCEROさん独自の手が加わったものを使って運用がなされているようです。ちなみに、"「家庭用ゲームソフトのレーティングシステム」のあり方に関する検証"(PDF 443KB) というタイトルでCERO発足に至るまでの経緯についての報告書をホームページ上に掲載しておりますので、ご覧いただけると幸いです。

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