N.O.M Nintendo Online Magazine No.151 February 2011

N.O.M2月号特集 「マリオうごメモコンテスト」入選者座談会

マリオ

「マリオうごメモコンテスト」入選者座談会

1. 『うごメモ』を作る楽しさ

宮本

任天堂の宮本です。本日は、みなさんそれぞれ遠いところからお越しいただいて、ありがとうございます。そして、コンテストの入選おめでとうございます。

ネット上ではなく、はじめてリアルに顔を合わせるということで、集まっていただけるのか多少不安なところもあったんですが、ご協力いただき、ありがとうございました。

今回の「マリオうごメモコンテスト」は、「スーパーマリオ25周年キャンペーン」をやっていた中で、『うごくメモ帳』でもお祭りをしたいよね、という軽いノリではじめました。しかし、応募してくださったみなさんは、予想以上にエネルギーを使って素晴らしい作品を作っていただいたので、とくに入選者の方には何かお祝いをしたい、そして、できればお話もしてみたいなと思ったんです。
そこで、「ニンテンドー3DS」の展示会にお招きし、こういう座談会をさせていただくのが任天堂らしいかなということで、本日お集まりいただきました。

もともと、私たちもモノを作るのが好きなので、そういう作る楽しさをわかってもらいたいという想いで、『ピクトチャット』※1とか『じぶんでつくる ニンテンドーDS ガイド』※2とか、エディター系のツールは昔からよく作っていたんです。
 ところが、こういうソフトは、もともとそんなにたくさん売れるものじゃないんです(笑)。絵が描ける人には面白いけど、描けない人には面白くないんですよ、って言われます。でも絵心がなくても楽しめる遊びなのに、先入観で使ってもらえないのかもしれない。だから『うごメモ』を無料配布にしているのも、売ることよりも広がることに意味があると思って、そうしているんです。

そこでこの機会に『うごメモ』を作ることが面白いと思っている、「マリオうごメモコンテスト」入選者のみなさんに直接お会いして、どうしてこれをはじめたのかとか、いろんなことを訊いてみたいなと。今日は、『うごメモ』の不満なところでも(笑)、何でも気兼ねなくお話ししていただければと思います。

※1
『ピクトチャット』…ニンテンドーDS本体に内蔵されているソフト。タッチスクリーンを利用して、自由に描いた絵や文字を送受信してチャットを楽しむことができる。
※2
『じぶんでつくる ニンテンドーDS ガイド』…2010年11月に配信が開始された、無料のニンテンドーDSiウェア。ニンテンドーDSiまたはニンテンドーDSi LL本体で撮影した写真と録音した音声を組み合わせて簡単にガイドをつくることができる。

手塚

任天堂の手塚です。『うごメモ』のプロデューサーです。『うごメモ』は、そこにいる小泉が中心の、株式会社はてなさんとの協働プロジェクトで、私は一緒にああだこうだと言いながら、今まで関わってきました。

私たちスタッフの間では『うごメモ』投稿者であるみなさんのことを「作家さん」とお呼びしています。実際にプロとして活動されている方もいらっしゃるのかもしれませんが、私たちにとっては、たくさんの作品を投稿して場を盛り上げていただいている貴重な方々ということで、大変感謝しています。普通こういうサービスは時間が経つと右肩下がりになっていくものですが、実は『うごメモ』のユーザー数や投稿数はずっと上昇しているんです。そういう意味でも、今日はうかがってみたいことがたくさんあります。

小泉

任天堂の小泉です。『うごメモ』のプロデューサー兼ディレクターとして制作と運営に関わっています。ふり返れば2008年のクリスマスイブにオープンしてからもう3年目にもなるのですが、これまでに世界には1,000万セット以上の『うごくメモ帳』が普及し、投稿作家さんの数も60万人近くになりました。一度は実際の作家のみなさんにお会いしてみたいなと前々から思っておりまして。今日お越しいただいたみなさんのほとんどは、もうずっと前からお名前を知っている方々ばかりで、ご一緒させていただいて光栄です。

私はもともと芸術系の大学でアニメーションを専攻していたのもあって、アニメを作るということに自然に目が向くんですが、すべての人がアニメーション作りに興味があるわけではないだろうとも思っています。でも、パラパラマンガなら誰でもやったことがあるんじゃないかと思ったのが、このうごメモ企画をはじめたきっかけです。今日は、みなさんがこういう創作の道具のどんなところに、どのくらいピンときたのかを訊いてみたいなと思っています。

宮本

まず、みちさんから順番に、それぞれ『うごメモ』に入ったきっかけをお話ししていただけますか?