構想7年のカラー化計画。企画当初からずっと見守り続けてきました
 



岡田 智 岡田写真 ゲームボーイカラー
プロジェクトマネージャー
任天堂株式会社 製造本部
開発技術部 部長


インタビュー
プロジェクトマネージャーの仕事とは・・・
 ゲームボーイカラーのプロジェクトマネージャーを担当した岡田です。プロジェクトマネージャーというのは、映画で言えばプロデューサー兼監督と言ったところでしょうか。映画を撮るだけでなく、予算のことなども考えて製作を進めていくという・・・。まあ、開発チームで一番偉い役職ってことですね(笑)。
 具体的には、ゲームボーイカラーというハードを開発するにあたって、企画や基本設計、進行管理などの仕事を担当しました。商品コンセプトを考えたり、コストの問題を検討したり、部下たちをせかしたりしたワケです。
 
カラー化のアイデアは以前からあり、試作品まで作られていたんです
 実はカラーというアイデア自体は、ずいぶん前から出ていまして、平成4年には試作品まで作られたんです。私もその製作に関わったんですよ。そのときはコストを考慮し、比較的安価な、バックライトの必要なカラー液晶を用いたんです。でも、サイズが大きくなってしまうことと、電池が1時間ほどしかもたないというふたつの問題をクリアできず、製品化は見送られました。
 ところが、平成9年の10月に液晶メーカーから、試作品を作るときにコストが高くて導入できなかった、反射型カラー液晶が安くなったという話を聞いたんですね。これならバックライトがいらないので、サイズの面でも電池の面でも問題ないんです。これがカラー化計画実現のきっかけとなりました。
 
1600本ものゲームボーイ用ソフトを受け継ぐことと、パワーアップとを両立させるのには苦労しました
 苦労したのは、普通は新しいハードの開発には2〜3年かかるものなのですが、ゲームボーイカラーの場合は10カ月でやらなければならなかったことです。そこで、平成4年の試作品が活躍しましたよ。それをたたき台として、設計をやりなおしたワケです。
 また、既存のゲームボーイソフト1600本という財産を継承するためにも、ずいぶん苦労しました。ゲームボーイよりもパワーアップさせようと仕様の変更や改良を考えても、ゲームボーイ用ソフトを動かすためにはまったく一新というワケにもいかず、かといって大幅なパワーアップは絶対に実現したいし・・・。ジレンマでしたね。いろいろな制約のなかで、大胆なパワーアップを実現させるために、ずいぶんと知恵を絞ったんですよ。結果的には、それを両立させたワケです。なのに、世間ではそういうことって評価されにくい。一から新しいものを作ってスゴいことをやるってのは、開発も簡単だし、評判にもなりやすいんですけどね。ゲームボーイカラーの場合、それよりも難しい仕事を成し遂げたというのに、認められにくいというのはせつないものがあります。スゴい仕事してますんで、実感してくださいね。
 
海外のマーケットも、もちろん意識しています
 地味な苦労話としては、コストダウンのための努力ですか。たとえば、初代ゲームボーイにはボタンの下にそれぞれA、B、START、SELECTって印刷されてるんですが、これを省くことによって印刷費を浮かしているんです。そのワリには、ロゴに5色も使っていて、その分、お金かかっちゃってるんですが(笑)。
 それで思い出しました! あのカラフルなロゴは、アメリカのデザイナが作ったものなんです。というのも、ゲームボーイカラーは国内だけでなく、アメリカや海外のマーケットを意識して開発されたんですよ。ロゴ、商品名、そしてボディ色は、アメリカのデザイナとずいぶん相談しましたね。世界じゅうのユーザーに好まれる色、受け入れられる色とはどんな色なのかを検討したんです。そんなワケで、日本では多色展開のゲームボーイカラーですが、海外ではパープルとクリアパープルしか発売されてないんですよ。 海外用GBC
 
ゲームボーイカラーも末長くかわいがってくださいね
 ゲームボーイが発売されてから、今年で10年になります。正直言って、こんな息の長い商品になるとは思っていませんでした(笑)。実は私、ハンディ機にはカラーなんて必要ないって思っていたクチなんですが、さすがに10年もたつと、やっぱりカラーっていいな、ゲームにカラーは必要だなって思いますね。このゲームボーイカラーも、これから10年以上愛されるような商品に育つと嬉しいです。みなさん、かわいがってください。


 

 
 

 


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