1600本のゲームボーイ用ソフトが遊べるように。そして、今後優れたソフトが開発できるよう設計されたハードなんです
 



中井 斉 中井写真 ゲームボーイカラー
信頼性評価および電子回路設計担当
任天堂株式会社 製造本部 開発技術部


インタビュー
1600本ものソフトをプレイしなければならなかったんです
 信頼性評価担当ということで、私にはゲームボーイカラーの開発でもっともタイヘンな仕事がまわってきたんです。それは、いままでに発売されたゲームボーイ用ソフトが動くかどうかを確認する作業。なんといっても、サードパーティの作品も含めて、1600本もプレイしなければならないんですからね。私とスーパーマリオクラブとで8人のチームを組んで、なるべく短期間のうちになんとか終わらせようとがんばりましたが、もう、限界を超えていました。もちろん、8人で全部をチェックできるワケもなく、半分くらいは宇治工場のスタッフに手伝ってもらいましたが。さすがに1600本もあると、なかには操作方法が特殊で分からないソフトなんかもあって、作業はかなり難航しました。
 
“ゲームボーイカラーがゲームボーイよりもパワーアップされている点はココです!
 というように、いままでのゲームボーイ用ソフトがそのまま遊べるように開発したため、ゲームボーイとゲームボーイカラーの差というのが、はためには分かりにくいかもしれませんね。もちろん、カラー化されてるってのは一目瞭然ですが(笑)。そのほかにもいろいろパワーアップしてるんですよ。
 まず、CPUを倍速で動かすことができるんです。その場合の処理能力は、従来のゲームボーイを凌駕します。そのため『ゼルダの伝説 夢をみる島DX』では、ゲームボーイカラーでしか見ることのできないダンジョンもあるそうですよ。今後も、この性能を活かしたカラー対応ソフトが開発されることでしょう。
 それから、RAMの容量が4倍になりました。これによってソフトの開発にいろんな可能性が広がり、たとえば、いままでよりも多くのキャラクターをゲームに登場させることができたりします。
 あと、本体に赤外線通信機能をつけたんです。今後、これがどのように使われるのかは、ソフトを開発するひと次第ですね。 赤外線通信機能写真
 
ショート対策をより完璧に近づけるなど、安全設計には力を入れました
 ところで、杉野からも安全設計の話がありましたが、ゲームボーイカラーには、ヒューズが2個も入ってるんですよ。ヒューズは、ショートしたときに電池が発熱するのを防ぐ役割をしてくれるんです。発熱すると、やけどしちゃうおそれがあるので、危険なんですよ。で、なぜ2個も入れたのか。それは、ゲームボーイカラーって電池のほかにも、ACアダプターを使うことができるので、いろんな使われ方を想定し、あらゆるケースでの安全面を考慮しているワケなんです。
 
コントラストは常に自動補正されているんですよ
 杉野の話にもでてきましたが、ゲームボーイカラーの開発には、ユーザーの声が結構フィードバックされているんですよ。その声を集めたのが私です。ゲームボーイにほしい機能やいらない機能などのアンケートを、インターネットで実施したのです。ユーザーのみなさん、言ってみるものでしょう? これからもどんどんご意見くださいね。
 そういえば、ゲームボーイカラー発売後に多く寄せられている声が「コントラスト調整機能はどうしてなくなったの?」というもの。それは、今回採用した反射式カラー液晶は、コントラストを常に自動補正する機能を持っているからなんです。つまり、ユーザーが補正しなくても大丈夫。常時ベストの状態になっているってワケなんです。いままでは、コストの問題で自動補正方式を採用できなかったために、ユーザーのみなさんに調整してもらってたんですよ。お手数かけました。
 
カラー対応でないソフトを遊んで、オマケを見つけてください
 最後に、電子回路の設計に携わった私が仕掛けておいたオマケを教えちゃいましょう。カラー対応でないソフトを遊ぶと、色が勝手につくことがあります。『星のカービィ』や『ヨッシーのパネポン』など、私が本体側で配色を制御しているソフトがいくつかありますので、探してみてくださいね。
星のカービィ ヨッシーのパネポン


 

 
 

 


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