妹と姉と先輩お姉ちゃんの話

皆様あけましておめでとうございますも。
『ゼノブレイド2』ではレアブレイドのセオリとミクマリを描かせていただきました麦谷興一(CHOCO)です。

当初ご依頼いただいたのは1体のレアブレイドだったのですけど、いろいろアイデアがあるので全部詰め込もうとしちゃうと恐竜みたいな大盛りてんこ盛りデザインになってしまう…!
というわけで2体デザインさせていただけるようお願いしたところ、モノリスソフトさんのほうで氷と水の姉妹風ブレイドの指定をご用意してくださいました。
よく似た形のコアクリスタルを持ちつつ、その由来は別にする血の繋がらない姉妹……

あれ? 姉妹って指定なんてあったっけ?
ああ、判ってるよ。判ってるよね。何も言わなくっても女の子を描くし、描かれるって判ってる。俺たちのキズナはいつだってマックスだから!

それもそのハズ。モノリスソフトさんとは創業当時からのお付き合い。
コーポレートロゴも最初に僕がデザインさせてもらったものを今も使っていただいております。
思い返せば今作にも登場するあのキャラを描いたのは西暦2000年。前世紀ですよ前世紀。

その頃モノリスソフトさんからメカデザインのお仕事を請けていたのですが、あとから何故かキャラの衣装のデザインを頼まれました。サブキャラでボンテージ風衣装を着たロボットの娘という何ともマニアックな指定で、高橋監督は趣味に走った人だなぁ……と。

僕が衣装をデザインし、田中久仁彦さんが顔を描いてイラストレーションとして美しく整え、モノリスの3Dモデラーさんが形にし、それははじめて電子空間に産声を上げました。
「おはようございますシオン。すべて非常に順調です」

それから18年、さまざまな作品に登場し、時には魅惑の半透明フィギュアになったり、時には相方と掛け合い漫才をしたり、時には野球のユニフォームや水着を着たり、皆様に愛情を注がれつづけて外見年齢18歳の子は本当に18歳になりました。まさかあのマニアックなサブキャラがこんなに愛され続けるとは思ってもみませんでした。
ファンの方に
「KOS-MOS好きです!」
て言われたら、いまでももちろん嬉しいです。でも、僕が最初に描いた稚拙なデザイン画(見返すと恥ずかしい)を美しい形に昇華してくださった皆さんの力、登場した作品の力というたくさんの親の愛情があってこその魅力的なキャラになったわけで。そのひとりになれたことを誇らしく思っております。

『ゼノブレイド2』で登場した「KOS-MOS Re:」。
実は発表されるまで僕も存在を知らなかったのでびっくりしました。
いままでいろいろな方が描かれてきましたけれど、今回は改めて最初の親であるところの田中さんが純度の高い愛情を注いだ形ですのでとても感慨深いです。それがまたゲームの中で新しい形で動いてしゃべって、跳んだりはねたり、昇ったり落ちたりするのですよ。こんなに嬉しいことはないです。
そして相方と掛け合い漫才をしたり…… あれ? 相方がいないと漫才できないじゃないですか?
あとは水g(続きを読むには「ノポンの知識Lv10」「超古代文明の知識Lv10」が必要です)

先日高橋監督を交えて、久しぶりに田中さんと会食。その場でiPadに「KOS-MOS Re:」を描いていただいたので、お隣に便乗させていただきました。
セオリとミクマリも18年愛されるキャラクターになることを祈りつつ。

PAGE TOP