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22世紀初頭、対消滅発電炉の実用化に成功した人類は、まさに科学文明の粋を極めようとしていた。
しかし、同時に一抹の不安もあった。対消滅炉の元となる反物質エネルギーの兵器利用だ。

そして悲劇は現実のものとなった。
小国間の戦争で反物質爆弾が使用されたのである。
その威力は予想をはるかに上回った。半径100kmにおよぶ地域が、スプーンでえぐられたように消滅したのだ。
しかも爆発は隣国の対消滅炉をも誘爆、一瞬のうちに連鎖反応を世界中に引き起こした。
世界地図は一変した。大陸は途切れ、かつての陸地の大半が海面に沈み去ったのである。地図上に見えるのは、いまやごく一部の島々だけとなった。

だが地上の島々には、奇跡的に助かった人々もいた。また、さらに少数ながら、スペースコロニーで生活する人たちも災厄を逃れていたのである。
残された人々は地球復興に努めたが、この混乱に乗じて地球を支配しようとする男がいた。
コロニー駐留軍司令ゾルゲフである。
彼はいち早く都市群を占拠し、抵抗する人々を捕らえると、全世界に向けて宣言した。
「世界を混乱と無秩序から救うべく、世界帝国樹立をめざし、まい進する!」

自由を求め、ゾルゲフの野望を阻止せよ──
いつしかスペースコロニーに幽閉された市民の間に、レジスタンス活動が広がっていた。
彼らは地下組織を整え、武器を確保し、チャンスを待っていたのである。
そして反乱の機は熟した。市民が立ち上がり、コロニー都市を奪還したのだ。
同時にコロニー連合軍「ミリティア」が結成され、精鋭を載せた強襲艦が地球へ向けて発進した。

ゾルゲフの率いる帝国軍とコロニー連合軍の戦いは、いま始まったばかりなのだ。



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